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戦乙女を讃える会コミュの琥珀色

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今週号のスピリッツ、表紙と巻頭グラビアは、先月の7月から芸能活動を再開した川村ゆきえであった。

先の事務所と揉め、法的に芸能活動を禁止されていた彼女の復帰をまずは素直に喜びたい。

川村ゆきえと言えば、158cmという、最近では低い部類に入るであろうその身長に比し、不釣合いに発達した体躯が武器であった。俗にトランジスタグラマー(古くは『華咲ける騎士道(リメイク版ではペネルペ・クルスが演じていた)』でお馴染みのジーナ・ロロボリジータがその一例である)と呼ばれるタイプだ。

それは昨今の秋葉原層のファンが増えつつあるグラビア界において、絶大な強みとなるはずだが、不思議なことに彼女は大きな活躍を残せず、燻っている観があった。

彼女は大きな問題を抱えていた。

笑顔が映えないのだ。

これまでもグラビアアイドルの生命線は笑顔にある、とは何度も指摘してきたことだが、彼女の場合、その笑顔は残念なことに質が悪かった。そう言わざるをえまい。

どこかよじれており、作られたものであるという印象が払拭できなかった。

おそらくそれはテンションの低さが原因だと思われる。

(これは余談だが、北海道出身のタレントは総じて意欲が薄いように見える。それをおっとり、と評せば長所となるが、芸能界においては短所へと転じるのではないだろうか? 彼女の場合、2年しかおらず本人曰く記憶がないとのことなので当たらないかもしれないが……)

そして長い活動停止期間を経て、新事務所へ移籍を果たしての今回のグラビア復帰となるのだが、私はスピリッツの表紙に写った彼女を見て、その著しい変化に目を奪われた。

瞳にそれまでにない意思の強さが生じていたのだ。

私は小学校の頃、となりの女の子が休み時間、何やらノートに書いているのを何気なく覗いてみたら、星の沢山入った少女マンガ特有の目ばかりが30個程も描かれていて肝を冷やしたことがあったが、それくらい人は目という部位に拘泥するものなのである。

先の事務所に仕事を中断されることで危機感と飢餓感が生じ、この活力に満ちた瞳を手にしたのならば、彼女はむしろ嘗ての事務所に感謝すべきである。まさに最大の敵は最大の味方、という言葉を立証する好例であろう。

しかし今回の手柄は、間違いなくプロデューサー、カメラマン両氏に与えられるべきだ。

このグラビアをモノクロにしたのは非常に優れた選択だった。

モノクロの映像は色調が抑えられているため、注意があちこちと飛ぶことがなく、静かな落ち着いた雰囲気を醸す。この辺りは無音の絵画とも呼ばれる銅版画を考えてもらえれば諸兄も納得されるのではあるまいか。それが陽性の被写体であっても、容易に落ち着いた印象を加味することが可能なのだ。

(これは平山綾のモノクロ写真を想像すればすぐに分かることである)

しかし今回、川村ゆきえのグラビアにモノクロが選ばれたのは、モノクロの持つもうひとつの効果、時代性にある。

その黎明期において写真とはすなわちモノクロであった。

(当時も手彩色による擬似カラー写真とでも呼ぶべきものは存在したが、それは版画の多色摺りのようなもので、現実世界に溢れる色全てを取り込むことは出来ていない)

そのためにモノクロのグラビアを見た者は、そこに古さを感じ取る。つまりモノクロ写真は被写体から色を奪う行為である反面、古色という新たな一色を加える行為でもあるのだ。

私はさらに、この時代性に事件性という側面を見ることも可能だと考える。

これは私の個人的な推測だが、歴史的な報道はモノクロ写真で表現されることが多いのではないだろうか。賞を取った戦場写真などは特に。

そこに必然性があるならば、このカメラが切り取った場面は既に起きた過去であり、我々は彼らに救いの手を差し伸べることはできない、という倦怠感を与えるためではないか。

もはや手の届かない、終わってしまった悲劇。

川村ゆきえのグラビアを見た時、私が感じたのは彼女の身に差し迫った危機が訪れているという予兆であり、またそれは宿命的に回避不可能なものであるという認識だった。

私は瞬間的にモノクロの生む効果を感じていたのであろう。

さて、論を繰り返すようで恐縮だが、最大の敵は最大の味方となりうる、という言葉を思い返してもらいたい。

これは乗り越えた壁が高いほど得るものは大きい、という意味だが、この言葉は物語に当てはめるなら結末であり、観客がもっとも傾注するのはその前、壁を越えようとする戦いの部分である。

つまり彼女の瞳の魅力である、したたかさ、強靭さは身に迫りつつある最大の危機に向けられることで、より輝きの度合いを増すということだ。

このグラビアが琥珀色で覆われたのにはきちんとした理由があったのである。

最後になるが、今後、私が彼女に望むのはその目に相応しい内面を身に付けることである。

グラビアはある意味、外面だけを望むが、テレビやラジオなどではその内面こそが要求されてくるからだ。

今後の彼女のより一層の輝きを願いながら、またいつも以上の長文乱筆をお詫びしつつ、ここで筆を擱くことにする。


蛇足:彼女の笑顔はいま輝いている。その証拠はここにある。
http://www.yukie-kawamura.com/top.html

コメント(1)

写真の仕様だけでよくここまで……。
いやー、感服いたしました。

あと、川村ゆきえが事務所と揉めてたのも知らなかったよ。

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