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ヴィトゲンシュタインコミュの読んでて思わず首をひねった

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「人間のからだは部位によって温度がチャーミングに違う」

これは『反哲学的断章』(丘沢静也訳、青土社、P.45)の一節なんですが、どういう意味なんでしょうか?
性的な意味なんですかね?
しかしチャーミングって。
何か知ってる方いらっしゃいませんか?
もし手がかりになるような情報があったら教えて下さい。
確実性のない推測でも構いません。

コメント(21)

知ってはいません。
この言葉から、私にとってウィトゲンシュタインのイメージが変わりました。
性的な意味というより、身体論なのかな、という感じがします。

今の私たちは確かにサーモグラフなどで「人間のからだは部位によって温度が違う」ことを確認します。
このことがなぜ「チャーミング」なのか。これはさすがに本人に聞いてみないとわかりません。
しかし、全身が一様に同じ温度ではないということは、人間の身体はひとつの原理に支配されて統一されているわけではない、ということであり、その複雑さ(謎)がウィトゲンシュタインにとって魅力的であったのかな、と推測してみました。
>Nzeroさん

素敵な推測ありがとうございます。
なるほど。
そう言われると身体の複雑さの魅力を表してる文句のように思えてもきました。
けど何で機能でなく温度なんでしょうねえ。不思議でなりません。
まあ、考えてもわからないことかもしれませんが。
>けど何で機能でなく温度なんでしょうねえ。不思議でなりません。

それならば比較してみればわかるかもしれません。
「人間のからだは部位によって機能がチャーミングに違う」
「人間のからだは部位によって温度がチャーミングに違う」
やはり機能ではどうも(私には)違和感があります。
われわれは人間のからだを機能によって部位に分けているのではないでしょうか。
(例:耳という部位を名付けてからそこが聴く器官であることを発見するのではなく、聴く機能のある器官を耳と名付ける)
まあ、ウィトゲンシュタインが同じように考えていたかどうかはわかりません。
しかし、機能が部位を決めるという考え方からすると「部位によって機能が違う」のは「それは当たり前だろ」ということになるので、「チャーミング」と形容するのには(あくまでも私は)抵抗を感じます。

人間を熱の側面から科学したような感じもします。当時の人体に関する科学を知っている人なら、もう少し手がかりが出せそうな気がしますが、不幸にして科学史は疎いもので、すみません。
>Nzeroさん

>われわれは人間のからだを機能によって部位に分けているのではないでしょうか。

なるほど。
機能によって部位を分ける、ですか。
初めて聞きました。
恥ずかしながら考えたこともなかったです。
けどそんな気もするしそうじゃない気もしてます。
適切な質問ではないかもしれませんが、例えば耳たぶやふくらはぎ等も機能によって分けられていると考えていいのでしょうか?
僕はそれらの機能を知らずにある部位を耳たぶ、ふくらはぎと呼んでいる気がするのですが。
>適切な質問ではないかもしれませんが、例えば耳たぶやふくらはぎ等も機能によって分けられていると考えていいのでしょうか?

表現に誤りと早断があったようです。
起源は見た目、それから機能が発見されて少しずつ言葉の使われ方がずれてくる、という順序があるのかもしれません。
耳に関しても、最初はあの頭から突き出た特殊な構造ゆえに弁別されたのだと思います。
しかし、耳の穴を塞ぐと聞こえなく(聞こえづらく)なることから、耳には聴覚に関する機能があるということが発見され、その後聴覚を象徴する意味でも「耳」という単語が使われるようになったのではないでしょうか。
実際のところ耳自体が持っているのは集音の機能です。
聴覚を耳で代表するのは、しっかりした機能分析がなされていなかった時代の名残りということになるのかもしれません。

便宜上の分類が先なのでしょうね。
失礼しました。
>Nzeroさん

なるほど。
便宜上の分類が先、というのは個人的には納得がいきます。
了解しました。
はじめまして。

僕はどちらかというと性的(もっと広く言うと人間関係全般)に関する記述なのかなという感じがします。

人間単体で考えると、体の温度差が言語ゲームに乗っかってくるケースとしては、たとえば自分の「足が冷たい」「耳が冷たい」「頭が熱っぽい」などなど。

しかし他人と自分との温度差となると幅がぐっと広くなる。「握手した手があたたかい」「抱きしめたときに肩が冷たい」。性的な状況としては、たとえばつま先は冷たいが徐々に手を這わせていけば脛から太ももにかけてだんだん暖かくなり……等々。

そうして相手の身体に触れている時は当然相手もこちらの体温を感じているわけで、ここにコミュニケーションが生じる。つまり相手との意識的な言語ゲームの他に、この互いの体温でコミュニケーションするという意図しない「言語ゲーム」もおこなわれている。

それを「チャーミング」と呼んだのは、そこに人間同士の「愛(およびその他の感情)」の起源を感じ取ったからなのか……?
>にあごさん

実は僕は「言語ゲーム」についてよく理解できていません。
なので的外れな質問をしてしまうかもしれませんがよろしくお願いします。
少しでも言語ゲームについて理解できたら、と思い質問させていただきます。


>人間単体で考えると、体の温度差が言語ゲームに乗っかってくるケースとしては、たとえば自分の「足が冷たい」「耳が冷たい」「頭が熱っぽい」などなど。

“体の温度差が言語ゲームに乗っかってくるケース”とありますが“言語ゲームに乗っかってこないケース”というのもあるのでしょうか?
“言語ゲームに乗っかってこない”ということは言語ゲームの外部、ということになり私達には語りえないということになるのでしょうか?


>そうして相手の身体に触れている時は当然相手もこちらの体温を感じているわけで、ここにコミュニケーションが生じる。つまり相手との意識的な言語ゲームの他に、この互いの体温でコミュニケーションするという意図しない「言語ゲーム」もおこなわれている。

「『哲学探究』を中心とする後期ヴィトゲンシュタインの思想によると、私的な感覚あるいは体験をになうのは、体験の中にある内面でなく、それを形成している振る舞いである。行為や体験を主体でなくその振る舞いの形式に差し戻すことにより、行為を取り巻く文脈を発見できる。(中略)ヴィトゲンシュタインはこの行為の振る舞いを(言語)ゲーム(Spiel)と呼んだ」矢向正人『言語ゲームとしての音楽』P.29

僕はよくわからないんで何とも言えないんですけど、“言語ゲーム”に“意識的な”という形容は可能なのでしょうか?
上の引用からだとそうは思えないんですが。
どうなんでしょうか?
こんにちは。

言語ゲームについては僕も100%正しく理解しているという自信はありませんが、およそ以下のように理解しています。

言葉をはじめ、行動、しぐさ、表情など、あらゆる振る舞いが連鎖反応をおこして人間間のコミュニケーションが成り立っている。「コップとって」と言えばコップを渡す、笑顔を向けられれば笑顔を返す(あるいはツッケンドンに知らんぷりをする)、痛がっている人がいれば助ける、「もうかりまっか」なら「ボチボチでんな」と答える。これは表面上の振る舞いだけで成り立っており、当人が心の奥で「本当は」何を感じているかはまったく関係しない。チェスをさす人がどんな思いで駒を動かしているかは、チェスというゲームの進行にはまったく影響しない。これにたとえて、人間の振る舞いの連鎖を「言語ゲーム」と呼んだ。


>“体の温度差が言語ゲームに乗っかってくるケース”とありますが“言語ゲームに乗っかってこないケース”というのもあるのでしょうか?

「頭が熱っぽい」ことの振る舞いは、そのまま「頭が熱っぽい」と言うか、頭に手をあててしんどそうな素振りをみせる、実際計ってみたら熱が40度ある、などなど。それがなければ「頭が熱っぽい」という事実は存在しないことになります(そもそも上記のような他人の振る舞いをとおして「頭が熱っぽい」という言葉を覚えたのですし)。


>僕はよくわからないんで何とも言えないんですけど、“言語ゲーム”に“意識的な”という形容は可能なのでしょうか?

これは僕の説明不足でした。「意識的な」という表現はおかしかったです。

僕が言いたかったのは、たとえばふたりの人間が言語ゲームをする。ふたりは最初に握手をした。そのとき、相手の手が死人のように冷たかったり、汗でベトベトだったりすることで、その後ふたりがくりひろげる言語ゲームが大きく変わってくる可能性があるということです。

さきほど、言語ゲームは振る舞いのみによって成り立つと書きました。では言語ゲームに影響を与えうる「手の冷たさ」「手の汗ばみ」は何なんでしょう。「振る舞い」と呼ぶには抵抗がある(意図的に汗ばんだ手をにぎらせた場合は別ですが)。言語ゲームに関わるものとして「規準」というのもありますが(ある事態が成立するための定義。先述の「熱を計ったら40度あった」というのは「頭が熱っぽい」の規準としてとらえられます)、じゃあ手の温度は「規準」なのか? しかし露骨に「君の手は冷たいねえ」と言及するわけでもない。

このへんのしっくりこない感じを、ウィトゲンシュタインは「チャーミング」と呼んだのではないか、というのが僕の憶測です。

こうした体温についての記述って他にもあるんでしょうか。
>にあごさん

わざわざ言語ゲームの説明までして下さってありがとうございます。
以前よりはわかったような気がします。


>それがなければ「頭が熱っぽい」という事実は存在しないことになります

「頭が熱っぽい」という言語ゲームに乗っかってこない場合「頭が熱っぽい」という事実は存在しない。
となると「頭が熱っぽい」という“言語ゲームに乗っかってこないケース”は存在しない、ということになるのではないでしょうか?
どうなんでしょうか?


>では言語ゲームに影響を与えうる「手の冷たさ」「手の汗ばみ」は何なんでしょう

「手の冷たさ」「手の汗ばみ」もまた一つの言語ゲームの振る舞いである、と考えることはできるのでしょうか?
例えば「緊張している」という言語ゲームの「手の冷たさ」、という考え方は可能なのでしょうか?
質問ばかりですいません。


>こうした体温についての記述って他にもあるんでしょうか

僕も知らないのでここでトピ立てをして情報を求めてみた次第です。
何か見つかったら新しく書き込むつもりです。
>キリさん

僕は手と口と性器の中では温度がチャーミングに違う、って意味だと最初思いました。
だから大丈夫です!!

ロマンチックな感じは個人的にはしっくりこないですねえ。
残念なことに。


>まめおさん

チャーミングって言葉を原文で使ってたかはわからないんですけどね。
でも、いいチャーミングな一節ですよね。
たとえ意訳だったとしても好きです。
>アメリカさん

>「頭が熱っぽい」という言語ゲームに乗っかってこない場合「頭が熱っぽい」という事実は存在しない。
となると「頭が熱っぽい」という“言語ゲームに乗っかってこないケース”は存在しない、ということになるのではないでしょうか?

まさにそのとおりです。語りすぎて罠にはまりました(汗)。


>「手の冷たさ」「手の汗ばみ」もまた一つの言語ゲームの振る舞いである、と考えることはできるのでしょうか?
例えば「緊張している」という言語ゲームの「手の冷たさ」、という考え方は可能なのでしょうか?

「手の冷たさ」は「緊張している」と言えるための「規準(定義)」のひとつと言えるでしょうね。「振る舞い」と呼ぶのはヘンな感じがします(最初に振る舞いのことを「意識的」な言語ゲームと呼んだのも、このへんを区別して考えたかったからです)。

で、「規準」は中期、「振る舞い」は後期のウィトゲンシュタインの思想です。彼の中でこのふたつをどう関連付けていたのかは知りません。でも「チャーミング」云々という言説は、彼の中期と後期とをつなぐリンクのように感じています。
>にあごさん

>「手の冷たさ」は「緊張している」と言えるための「規準(定義)」のひとつと言えるでしょうね。「振る舞い」と呼ぶのはヘンな感じがします(最初に振る舞いのことを「意識的」な言語ゲームと呼んだのも、このへんを区別して考えたかったからです)。


なるほど。
僕はまだ言語ゲームが具体的にどう当てはめればいいのか(そもそも当てはめるものなのか)よくわからないです。
まだにあごさんの言うような中期と後期を結ぶ鍵として「チャーミング」を考えられないので、この点を気にしながら勉強に励みたいと思います。
毎度丁寧なコメント、本当にありがとうございます。
>アメリカさん

いえいえ、こちらこそ勉強になります。
ぜんぜんわかりませんが
一個の宇宙を「人」
その宇宙の部位に過ぎない「個々」は
チャーミングな温度差があるという意味かもと僕は考えてみました。
「個々」とは、星であったり犬であったり、空間であったり、石であったり、木であったり。
それぞれの個々がそれぞれに全く違う感覚で存在する
感覚すら無いかも知れないモノもある
存在自体を自覚しているモノも
自らの存在すらに気が付いていないモノも。
それの事を「温度がチャーミングに違う」と表現できるかも
と思います。
*ただ「温度がチャーミングに違う」と原文から日本語に
翻訳する時、微妙に感じが違ってる場合もある可能性があるとも
思います。
>「人間のからだは部位によって温度がチャーミングに違う」
(『反哲学的断章』より)


まったくこの文章だけを読んで僕の感じたことは、それこそ、ひたいを触ったり、頬を触ったり、耳を触ったり、うなじを触ったり、手の甲を触ったり、肩を触ったり、胸を触ったり、腹を触ったり、背中を触ったり、太ももを触ったり、お尻を触ったり、性器を触ったり、足先を触ったりした時、どこもそれぞれに温度が違っていることがじかに感じられて、
これはとってもチャーミングなことだなあと感じたなまのヴィトゲンシュタインの息づかいです。

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