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台湾独立と日台両国安全保障問題コミュの米中の危険な動きーすでに始動している台湾共同管理構想

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転載:ブログ「台湾は日本の生命線!」より
   http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/

台湾研究フォーラム会長 永山英樹

戦後、台湾を中国から防衛してきたのは米国だが、李登輝氏は今年八月、その米国が中国と台湾を共同管理下に置くかも知れないと語っている。つまり「米国はまだまだイラク、イラン問題を処理しきれない状況にあるので、中国が西太平洋に進出したとき」、そうした事態は起こり得ると言うのだ。

二〇〇五年九月、米国を公式訪問した胡錦濤主席はブッシュ大統領と会見したとき、持ち出したと伝えられるのがこの「台湾(海峡)共同管理」計画だ。ブッシュはそれには回答しなかったとされるが、ホワイトハウスはそのような話し合いは一切なかったと否定している。

では米中間に台湾海峡の共同管理プランはまったく無いのか。これについて「もちろんある。ただ口に出して言えない」と言うのは、ヘリテージ財団が十月二十九日、ワシントンで開催した「米中共同危機管理」シンポジウムにおける三人のメインコメンテーターたちである。

その一人、グレイサー戦略国際問題研究センター研究員は「ブッシュが二〇〇三年十二月九日、温家宝首相に対して、台湾の指導者一方的に台湾海峡の現状の改変を意図していると批判した段階で、米中共同管理は始まった」と指摘する。

当時ブッシュ大統領が批判したのは、陳水扁総統の住民投票政策である。台湾の住民が住民投票と言うきわめて民主的な手段で、中国の対台湾ミサイル配備に対する考えを世界に示そうとしたことを、中国への刺激を恐れる同大統領が批判したのである。この米国の反対圧力は台湾に大きな衝撃を与えた。

もう一人、ヘリテージ財団のタシク研究員は、「独裁中国とともに民主台湾を管理することは米国の心象を損なうだけでなく、法律に違反だ。台湾関係法が許さない」と強調した。この指摘だけを見ても、ホワイトハウスが口をつぐむ理由がわかろうというものだ。

そしてさらにシュライバー元米国務省次官補(東アジア太平洋担当)である。彼も共同管理は「不幸なことながら実際の状態だ」と証言した。そして「台湾海峡の管理と言う重大問題に台湾の二千三百万人は参与できないでいる」とも説明した。

台湾を管理して西太平洋の安全を守ってきた米国と、台湾を奪取して西太平洋に勢力を伸張したい中国。中東の紛争で北朝鮮にまで手が回らない米国が、台湾問題で妥協し始めたシグナルが、かの二〇〇三年十二月における陳水扁批判ともされている。一方中国は米国が世界の二つの地域の紛争に関与したときを台湾攻略チャンスと狙っており、米国としては台湾有事に巻き込まれ、核ミサイルの照準を米本土に合わせる中国と衝突するより、むしろそれと妥協して、西太平洋の平和と安定を確保した方が合理的だと判断しても何の不思議もないのである。

陳水扁総統は来年三月、国連加盟の問題でふたたび住民投票を実施する構えだが、これにブッシュが胡錦濤とともに強く反対しているのも、「共同管理」の表れなのだろう。ここで米国は、台湾人の国連加盟の願望など一切考慮に入れていない。

李登輝氏は二〇〇九年頃に米中の妥協が表面化するのではないかと予測しているが、「もしそうなれば日本にとっては大変な事態。このことを日本のメディアはまじめに取り上げないが、日台は運命共同体。中国の領土的野心は台湾の次に日本を狙っていると考え、日本自体が立ち上がらなければ平和は望めない」と訴えている。 さらにわかりやすく言おう。中国の台湾海峡管理は西太平洋への進出であり、日本は必ずその影響下に置かれることになると言うことだ。

よってここで日本に残された道はただ一つ。それは東アジア、西太平洋の防衛の役割をこれまで以上に積極的に果たそうと言う姿勢を米国に示すことだ。集団的自衛権の行使容認、非核三原則の撤廃、台湾との軍事同盟関係の検討等々、「普通の国」としてやるべき諸々のことに着手し、中国覇権主義への抑制に乗り出すことである。

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