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緒方貞子 [コミュニティ]コミュのチッソと環境省の責任、不知火水俣病患者会の97%に水俣病症状あり。

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チッソと環境省の責任、不知火水俣病患者会の97%に水俣病症状あり。

 昨夜、NHKの教育テレビ、夜10時から『日本人は何を考えてきたのか?』で、明治の公害「足尾鉱毒公害」のことが取り上げられた。

 講師の一人、小松裕氏は熊本大学の教授で、私も参加する「田中正造研究会」の塾長でもあまりす。小松氏を囲む15名ほどの田中正造研究会は、20年を越えて研究を続けて来た。
 主には、小松氏の研究課題である明治・大正期の゛命の序列゛、国益(財閥)と一般国民の人権をテーマに、仲間と語り合い、現地を視察し、現地の方から意見を聞き、2月に一度集まりを持っている。研究をまとめた本も、出版している。

 5年前からは、昭和の公害「水俣病」の研究もするようになり、大企業のチッソと環境省(庁)・熊本県が、どんなことを続けて来たか、現地の視察、歴史から、人権・生命の視点から、水俣病の社会的責任の研究を始めた。

 私は、欠席の多い、不真面目塾生ですが、折々に送られて来る小松氏の本や資料には、多くの教示を受けている。

 今朝の新聞の1面に、「不知火水俣病患者会が一斉検査で、91%に水俣病症状」、と大きな見出しで記事が掲載された。昨年末から国は、今年3月末で、政治決着を着けようとしているようだが、実態を把握しているか疑問を持つ。

 私は19年前に、水俣病はチッソの廃液に含まれる有機水銀が原因である、と初めて実証した熊本大学医学部の故武内忠男博士の講演を聞いた折、武内氏は、

「私が思うに、水俣から流された工場廃液は、水俣湾だけにはとどまらない。対岸の天草や鹿児島県北部にも、患者が潜在していると思う」

と強調された。自民党は、熊本県出身の代議士を中心にした水俣病患者救済のプロジェクトチームをつくり、潜在している水俣病患者の掘り起しが始まって、その多さに驚いたのか、早く政治決着を着けようとしたように思う。

 政権が変わったが環境省も、どんどん患者申請が増えている現実を恐れてか、平成23年度内の政治決着を急いでいるように見える。当事県の熊本県は、チッソの分社化時の論争からすると、トーンダウンしているように感じる。

 小松氏は、「足尾鉱毒公害の政治決着は、戦前の最終裁判まで、80年近くかかった」と、研究会で説明された。その足尾鉱山の在った山は、今でも鉱毒被害で、植物が再生できない状態が続いている。既に、130年以上経ってもその状態です。

 アメリカで出版された、環境ホルモンを取り上げた『奪われし未来』に、アメリカ北東部の五大湖は、水は綺麗になったが、湖底には汚染物質が沈殿しているので、動植物の遺伝子に害を及ぼし続いている、と指摘している。

 同様のことが、武内氏が訴えたように、不知火海の広範囲に、希薄にはなったが沈殿しているように思います。確かに、劇症型の水俣病患者はいなくなったが、長い年月を掛けて症状が出る患者は、まだまだ発生するのではないかと危惧します。

 今日の新聞記事から、足尾鉱毒公害は、鉱山の山と渡良瀬川の範囲だったが、水俣病は海の被害であり、食物連鎖が原因であるから、足尾鉱毒公害の決着の時期よりも、遥かに長い年月を必要とするように考えます。

 チッソの責任逃れの分社化、環境省の政治決着、熊本県民の水俣病解決のトーンダウン、『奪われし未来』が警鐘を鳴らした、環境ホルモン公害「水俣病」の解決は、早々簡単には終わらないと思っています。


*武内 忠男(たけうち ただお、1915年11月22日 - 2007年5月24日)は、日本の医学者、熊本大学名誉教授。大分県出身。
経歴:水俣病の原因究明については、1950年代後半、熊本大学医学部で組織された水俣病研究班において、水俣病が有機水銀の経口摂取と体内蓄積による中毒性の症状であることを病理学的に立証し、同研究班活動の中心的な役割を果たしたが、当時の環境庁は、その成果を否定。研究班は解散。

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