[mixi]カトリックの人に対してお尋ねします - クリスチャンへの疑問質問！

[1] mixiユーザー 05月05日 06:54

カトリックではないが、お答えしましょう。

＞ローマ法王

教会のトップです。
ローマ法王の下に教会は一致し、法王は人間では最大の権威を持つとされ、不可謬（間違いを犯せない）です。

＞マリア

神の母で、最高の聖人です。ラテンアメリカ全体の守護聖人でもあります。

良く言われる比喩では、キリストは教会のかしら、マリアは教会の首、です。

神の特別な恩寵によって無原罪で母アンナの胎に宿り、イエスを産んでからも処女のままで（これはカルケドン会議の副産物なので、カルケドン会議を受容しているプロテスタントも認定している形になる）、
イエスの最初の信徒であり、教会の原型であり、肉体を持って被昇天された存在です。

ラテンアメリカの司教会議では、マリアは貧しい人々の代表であり、世界の虐げられた人はマリアである、という表現でマリアを強調しました。
マリアに対する祈祷文も讃歌もあります。

＞救い

原則は信仰義認、万人祭司なのは否定してません。
ただ、その上で司教団を教導職という形で置き（昔は教導教会と言った）、信徒（昔は聴従教会と言った）を指導します。
サクラメントは七つあり、プロテスタントと違って恵みの「しるし」という位置付けです（プロテスタントだと「恵みの手段」となります）。

信仰義認が原則であるとは言いましたが、信仰によって義化された者に注がれた愛と、その者との協力で善行為が行われる、という神人協働の功績論がベースです。
更に言えば、信仰による義化、功績の獲得、ゆるしの秘蹟によって、罪は赦されても、罪科は残ります。
従って、死後、キリストの再臨の前に行われる私的裁きによって、多くの者は煉獄に行き、その罪科の分、苦しみの内に魂は浄化されます。
セカンドチャンスという形ではないので、死後は苦しむ期間を左右することは本人には出来ません。
ただ、煉獄にいる死者に対する祈りが教会でなされ、それによって期間が短くなったり、
生前に行われた善行為によって、免償期間ないしその時点での全免償がなされたりします。
今は控えているようですが、功績の売買という形で、金銭で免償期間が増えることも否定はされてません。

ちなみに、煉獄にいる魂は必ず天国に行きます。

加えて言えば、本来は、カトリックの信徒は教理に対する解釈権を持たず、
一般信徒（昔の聴従教会）が勝手に説明したり聖書を読んであーだこーだ言うのは、好ましくは思われてません。
ただ、最近は緩やかになってはいますが。

[2] mixiユーザー 05月05日 07:09

補足として。

・ローマ法王が各地の司教を任命する形になったのは比較的近年で、元々カトリック教会は分権的な組織です。
様々な神学の学派が並存していたりしますし、二十世紀になっても神学論争があったりしました。
ちなみにその論争は「悪魔の実在性について」であり、実在派が勝利して、現代でもカトリックではエクソシストを認めてます。

・プロテスタントのペンテコステリズムと同様、カトリックでもペンテコステ運動を認めてます。
エキュメニカル云々ではなくて、1960年代のネオ・ペンテコスタルズの運動を教会を取り入れた結果です。

・聖遺物を見たり触れたりすれば、免償期間が増え、煉獄にいる期間が減ります。
聖人への執り成しの祈りも、マリアへの祈りを筆頭に普通に行われます。

・聖書の解釈権は教会にあります。また、聖伝に、聖書と同じ権威を認めてます。
ここで言う聖書（原典）とはラテン語のヴルガタ聖書であり、ヘブル語やギリシャ語の「原典」や英欽定訳やら新改訳聖書などではありません。
加えて言うなら、カトリック教会内で、聖書の一字一句を持ちだしてあーだこーだ言う人々は、
「ルター的」とか言われて嫌われるそうです。
ルターはそういう「みことば」の多用などはしてないのですが（彼は神自身と、神のことば（聖書）を区別する、「隠された神」という概念を軸とした神学を形成している）、まあ、思うのは自由ですし。

こんな所かな。

[4] mixiユーザー 05月05日 09:33

>>[3]

煉獄の概念は信じられてます。
否定する要素がありません。

信徒が全員信じているかどうかは知りません。

つーか、「煉獄や免償なんて昔の話で今はない」とか思ったら大間違いです。

[5] mixiユーザー 05月06日 15:36

> イリア・エレオスさん
「神の特別な恩寵で無原罪で母アンナの胎に宿り」
無原罪の教理は１８５４年第一ヴァティカン公会議で議決されたものなので、それに先立って分離した諸プロテスタントでは認められていないのが通常です。（カルケドン公会議で議決された「神の母」は、プロテスタントでも認められている《はず》ですが。）

[6] mixiユーザー 05月06日 17:25

>>[5]

そりゃ、カトリックの事を説明しているんですから。
プロテスタントから見れば、当たり前です。
マリア論を真面目に論じる気はないですよ。

[7] mixiユーザー 05月06日 17:44

ちなみに、カトリックによる伝承は、こう。

・エルサレムの金門で、ヨアキムとアンナがキスをしたときに、受胎した。

ついで、無原罪の宿りに対するカトリックの神学者による解釈は、こう。
・着床の瞬間、神の特別な恩寵がマリアを守って、原罪から逃れた。
（従って、カトリックでは、生命の誕生の瞬間を着床時か、伝統に基づいた、妊娠三ヶ月かで論争があった）

更に言えば、カルケドン公会議の副産物である「永遠の童貞」というのは、
・マリアはヨセフを知ることはなかったし、イエスを産んだ後も処女だし、その後男と関係を持つこともなければ出産もしなかった。
（それに対するカトリックの神学者による色々な解釈があるが省略）

従って、ヒエロニムスなどは、聖書にある「主の兄弟」というのを、「いや、当時は一族郎党を兄弟と呼ぶ習慣があった」ということで、
ヤコブらは親族という形で解釈してます。

近代になって、無原罪の宿りと肉体を持った被昇天が教理になると、
何故か各地でマリアが顕現して、「然り。我は肉体を持って被昇天した」とかいう証言が出てくるのですが、まあプロテスタントには関係ありません。
マリア顕現はカトリックの歴史に割りとあって、グアダルーベの聖母マリアは、メキシコに顕現した時に、ネイティブ・アメリカンこそ福音の使徒であるべきで、カトリックは間違いだ、というような事を言ったそうですな。
もっとも、後にバチカンがその顕現を認めて、晴れてマリアはラテン・アメリカ全体の守護聖人になってますが。

ちなみに、青はマリアの色、十二の星の冠は黙示録の記述により、聖画規定になってます。
つまり、マリアを描く時には象徴的にそういうシンボリックな記号を書く決まりがあるわけですな。
この為、中世以前の乳房を露わにした「授乳のマリア」などは書いてはいけないことが（カトリックの方で）決まった。
EUの旗は青字に星が十二個ですが、マリアとは関係と主張してますなあ。

カトリックの伝統の聖書の読み方に予型論的読み方というのがあって、旧約は新約に対応しているという解釈で、
エバがマリアの予型。
神に逆らうとエバになり、従順だとマリア、という形で解釈されました。
従って、聖画規定が宗教改革で決まるまでのマリアの絵には、エバを表すリンゴ（これも知恵の実がリンゴの実と決まっているわけではないのですけどね）が描かれたりしてます。

ついでに、聖公会とカトリックはマリア崇敬についての共同文書も出してます。

[8] mixiユーザー 05月06日 18:01

☓　＞マリアとは関係
○　＞マリアとは無関係

スペインなどには、大地母神と習合した「黒いマリア」像があって、
雅歌にある「黒いけど、私は美しい」という文字が刻まれた、独特の聖母信仰の形態がありますな。

マリア崇敬の歴史は早く、二世紀には「マリア万歳」（？）のような賛美の文字が遺跡に刻まれたりしているとか。
あと、色々あって、マリアへの崇敬は、ただの聖人への崇敬（ドゥーレイア）ではなくて、
高レベルの敬意（ヒュペール・ドゥーレイア）だそうですな。

加えて、聖遺物への崇敬も二世紀の半ばには登場していて、歴史が古い。

歴史的には、死者への祈りがユダヤやヘレニズム文化から継承されて、まず最初にあって、
アウグスティヌスの時代には示唆されただけで煉獄という概念は形になっておらず、
徐々に煉獄という概念が固まり、救いの体系に組み込まれていったのですが
（リヨン公会議など）、
伝統的カトリックだか何だかのコミュでそんな事を書いたら「偏っているので、もう書き込まないでください」とか書かれましたな。
だから、固まる前に分離した東方正教会には煉獄の概念がないんですよね。

ちなみに、中世では、煉獄への入り口は火口や鍾乳洞だとされて、
観光名所になっていた洞窟もあったとか（宗教改革後に閉鎖）。
もっとも、イギリスのカンタベリー大聖堂に、「アダムがつくられた」一握りの塵が聖遺物として置かれていた時代の話ですから、割引かないといけませんけど。

[9] mixiユーザー 05月06日 18:09

一応、カトリックが煉獄の根拠としているのは、アポクリファ（旧約聖書続編）のマカバイ記。
紀元一世紀末のヤムニア会議で、今のアポクリファが正典から除かれていたのをルターが再発見し、彼は旧約聖書からマカバイ記などを除きました。

その時の、カトリック側のトリエント公会議で、カトリックは正典として、ヒエロニムスのヴルガタ聖書を決定してます。
だから、ギリシャ語版だの七十人訳だのヘブル語のだのは、カトリックには余り関係無いんですなあ。

ヴルガタ聖書にもないエノク書などの記述が聖書に引用されている事をことさら強調する方もカトリックコミュにおられて、
「聖書信仰は間違っている」っぽい事を主張しておられましたな。
あの時はあの時でなかなか面白かったですね。

ま、そんな感じです。

[10] mixiユーザー 05月06日 22:12

あと、教皇の不可謬性についても「信仰と道徳とについて」云々の条件を満たす際に「使徒座から」公的に宣言されたものについて《のみ》不可謬だ、といろいろ条件が多くて現実にはほとんど不可謬宣言は教皇によってなされない、とは言い添えておいた方が実情に即すと思います。

[11] mixiユーザー 05月06日 23:30

>>[10]

法王不可謬を嫌って独立した、復古カトリック教会というのもありますな。
まあ、本音と建前というヤツですね。
面倒くさい話です。

[12] mixiユーザー 05月07日 00:01

で、昔はミサの聖体（ホセチア。聖餅）を手で受けるのは畏れ多いということで、
口で直接受けていました（ただし、中世以降の習慣）。
これは第二バチカン公会議前後から、半ばなし崩し的に、「手で受けても可」になったようです。

また、聖餐は、プロテスタントは二種陪餐ですが、カトリックは一種陪餐。
別にワインを飲むことも禁止されてはないのですが（こぼしたら、全部すすらないといけないので大変面倒くさいようで）、
一応、トリエント公会議で、「一種陪餐でも二種陪餐と同じ効力（？）がある」ということに決定されているので、ホセチアのみが多いようですね。

プロテスタントでは諸教派で「パンとぶどう酒」の位置付けが色々ありますが（たとえばルターは共在説を採る）、
カトリックは、司祭の設定の言葉（という形相）によって、ホセチア等（という質料）が聖変化して、
偶有は「ホセチア等」のままだが、実体は「キリストの肉等」になっているという、いわゆる実体変化の教理を採っています。
偶有というのは専門用語で、まあ、本質的でない属性というぐらいの意味です。

カトリックのミサは、この聖餐がメインで、説教はほぼ付け足しみたいなものです。

使徒継承性とかは、実はプロテスタントでも主張していたりしていなかったりする所があってややこしいので省略します。
神父などの司教団は周知の通り独身が前提ですが、終身助祭（プロテスタントで言えば執事）には結婚を認めることもあるそうです。
ちなみに、ローマ法王はローマ司教区の司教です。

修道院ですが…
（まあプロテスタントは原則無いのですが、聖公会は十九世紀に親カトリック派によって、
ルター派は二十世紀にドイツ国家の贖罪を兼ねて、カトリックと同じような修道院が復活してます）

この辺はイメージ通りでしょう。
カトリックの修道院で司祭の叙階を受けると司祭会員となり、平の修道士とは別格だったのですが、
第二バチカン以後は特に差がなくなったようですね。

ま、とりあえず、ということで。

[13] mixiユーザー 05月07日 00:16

カトリックと言っても、原則自体は押さえてます。
たとえば、信仰の発端は罪人からだという、半ペラギウス主義（とルターに言われた）ですが、
先行する恵みという考えそのものは否定してません。
この辺りは学派が分かれて論争があったりしました。

そして万人祭司も、一応それ自体は認めていて、
緊急時の洗礼などは一般信徒でも出来ます。

上に書いた信仰義認も、別にその考え自体を否定しません。
おおっと、ルーテル世界連盟とカトリックとの間で文書を交わして、「信仰義認と功績論についてはお互い批難するのは止めましょう」という取り決めをしていることは…
ま、別に隠してませんね。
2017年だかにカトリックとプロテスタント諸派との間での共同礼拝を予定しているようです。
今はまだ、カトリックの聖体拝領（聖餐）にプロテスタントは参加出来ませんが。

細かい所はこれくらいですな。

[14] mixiユーザー 05月07日 00:21

おおっと、補足として、世界メソジスト協議会も、このルーテル世界連盟とカトリックとの「義認の教理に関する共同宣言」を適応することを決めているそうです。

[15] mixiユーザー 05月09日 17:34

ちなみにカトリックでも東方教会聖省というところに属する司祭（いわゆる神父）は結婚してていいのです。（司教は結婚できない。）

[17] mixiユーザー 05月10日 09:20

>>[16]

陰府（よみ）とはシェオルという、ユダヤ教の死後の概念で、ギリシャ語のハデスと同一視されます。
旧約ではほぼ墓穴と同義ですが、ゴミ捨て場である地獄（ゲヘナ。ヒンノムの谷）とは区別されます。
しかし、実はカトリックの教父、アウグスティヌスは陰府と地獄（ゲヘナ）を区別しておらず、混同して議論してます。

現代英語でもその名残があり、たとえばヘルという英語は大抵「地獄」を意味すると理解されてますが、
元々は「ハデス」を意味する単語で、古代英語で「隠す」を意味するヘランに由来します。
地獄を表したinfernusという単語は使われなくなっていますが、「地獄のような」という形容詞infernalは現代でも現役です。

結論から言うと、
死後の私的裁きで、「地獄」に落ちれば、救済はされません。
カトリックにはセカンドチャンスはありません。

ただし、第二バチカン公会議の公会議教父、カール・ラーナーなどは、「地獄の実在性」そのものに否定的です。
今の法王フランシスコは、万人救済説を唱えてたりしますが。

＞【ＣＪＣ＝東京】教皇フランシスコが（2013年）５月２２日朝のミサで、無神論者の罪の救済に言及した。
＞世界中から大きな反響があり、バチカン（ローマ教皇庁）報道事務所は翌２３日、「罪の救済」の解釈について補足する談話を発表した。

>教皇は２２日午前、居宅で行ったミサで、善いことをするなら、無神論者でも善い人とされる、として、あらゆる宗教の人、そして宗教のない人が共に働くことを促した。
＞「主はキリストの血によって、我々すべての罪を救った。カトリック信者のみならず、すべての人を、無神論者も」と語った。

[18] mixiユーザー 05月10日 09:33

（続き）

中略

＞これらの反響にバチカン（ローマ教皇庁）報道事務所長フェデリコ・ロンバルディ神父は２３日、
「すべての男女は、いかなる状況にあっても救われることができる。
たとえキリスト教徒でなくても、この精神の救済行為に応えることはできる。生まれながらに罪深い存在であるというだけで、救済の対象にならない人物は誰もいない」と指摘、２２日の教皇の発言については、「救済の本質についての神学的論争をあおる意図ではない」と述べた。

今のカトリックは、第二バチカン公会議以前のトリエント的カトリックと違い、
カトリック的一致を殊更に強調したりしません。
現在でも、中世のスコラ哲学者、トマス・アクィナスの見解通り、洗礼を受けてもほとんどの人は救済されない、と考えるカトリック信徒もいれば、
第二バチカン以後の典礼刷新を嫌う、聖ピオ十世会というのが非公認組織として独立してます。
ここは一時破門されていますが、現在は破門が解かれてます。
（しかし、古代キリスト教からの伝統で、彼らのミサも有効。これは教会法にちゃんとある）

この聖ピオ十世会ですら全然リベラルであるとして、さらなる復古主義を掲げたグループが離脱したり、
あるいはローマ法王に同調したりしたグループもあるようですな。

ま、法王の見解がどういう形で教理に反映するかは不明としても、
聖人・福者レベルの人は死後の私的裁きで直接天国に行き、
煉獄に行く魂は浄化の後に天国に行き、
煉獄に行けなかった人は残念でした、という概念自体はまだ生き続けてるようです。

[19] mixiユーザー 05月10日 09:55

正教会でセカンド・チャンス論が生きているかのように見えるのは、
聖書にある概念である、「万物の復興」（アポカスタシス）という概念が東方の教父、ニュッサのグレゴリウスによって説かれ、否定されてないからです。

これは、東方の原罪概念である、「人にある神の似姿が歪んでいる」が、神化（プロテスタントの聖化・カトリックの就聖とほぼ同義）によって、「元のあるべき似姿に戻る」という概念の根底で、
人類の堕罪から始まった被創造世界が、あるべき楽園の姿に戻るという思想です。

アレキサンドリア学派のオリゲネスはこれを少し強調し過ぎた為に、異端ということで排斥されましたが、
グレゴリウスの主張そのものは生きてます。
つまり、東方正教会では、「終わりの時には悪魔を含む万物が救われる」という期待と希望そのものは、
否定されてないわけです
（救われる、と断言してないことに注意）。

カトリックは東方と原罪の概念が違い、
テルトゥリアヌスやアウグスティヌスが強調したように、遺伝罪としての原罪、リビドーの発動がその証左、という見解が受容されていますので、
オリゲネスが異端となった時点でセカンドチャンス論の芽はなくなってます。

旧約の聖人や未洗礼の赤子が行くとされるのは、カトリックでは元来リンボ（辺獄）で、
アウグスティヌスは、そも「苦しみ」が待ち受ける所だと考えました。
しかし、トマス・アクィナスは、天国ほどではないにせよ、喜びがある所だとしています。

旧約の聖人たちがいるリンボは、現代のカテキズムでは、キリストの陰府降下の時に救済された、とされて、概念は消滅しました。
未洗礼の幼児に関するリンボは、フィレンツェ公会議で、「原罪のみの者も地獄行き」と決定していますので、これも概念として消滅してます。
二十世紀に入り、後にベネディクト十六世となった人が、「未洗礼の幼児は救済されない」という主張をし、これがカテキズムに反映されてます。
しかし、2007年に、ベネディクト十六世の認定を受けて、「救済の希望は抱ける」という私的見解（公的な教理ではない）が法王庁から出てます。

[20] mixiユーザー 05月10日 09:58

まあ、早い話、
「教理はそうだけど、希望を抱くのは自由」ぐらいの感じですなあ…

[22] mixiユーザー 05月10日 10:07

>>[21]

公的な裁きというのは、キリストの再臨の後で、使徒信条にもあるように、死者の復活を伴う、最後の審判。
しかし、カトリックでは、再臨までの間に、死後直ちに行われる裁きという概念があって、それが私的裁き。
そこで、煉獄に行くかどうかの選定がされます。

ファティマでマリアが現れたとされた時、そのマリアから、「あなたの友人はこの世の終わりまで煉獄にいる」とか言われた人もいますな。

＞命の書

カトリックには「功績の宝庫」という概念があって、
聖人たちの善行為によって得た、救済には不要な「超過獲得された功績」という概念があります。
カトリック教会には、この功績を譲渡する権威があるとされ、それによって、他の信徒の煉獄にいる期間が一定期間免償されたります。
金銭で売買された例が、有名な贖宥状（免罪符）ですな。

しかし、煉獄に行けなかった信徒は地獄にいるので、教会でも手が出せない。
残念でした、ということです。

[23] mixiユーザー 05月10日 10:13

煉獄というのは分かりにくいですが、早い話。

洗礼によって「罪」そのものは赦されました。罪を理由に地獄の劫罰を受けることはありません。
しかし、「罪」が残した罪科（処罰）そのものは残ってます。これを浄化しないと天国には行けません。
（昔は浄化は火によって魂を焼くとされてましたが、今は明言はされてません）

この処罰期間は、生前の善行為による功績によって軽減出来ますし、
生者がミサなどで煉獄にいる魂に対するとりなしの祈りをすることで、神が軽減させてくれる、という教えです。
（地獄に行ったら、とりなしの祈りは意味を為しません）
十字軍なんかに従軍すれば、全免償（煉獄にいる期間はゼロになって、直ちに天国行き）

…まあ、分かる通り、信仰義認は原則で、実質は行為義認なのですが、カトリックの人にそれを言うと反発して来るのであまり言いません。
一応、上にも書きましたが、贖宥状で散々揉めたルーテル派とカトリックは、
義認の教理に関する共同宣言を出して、「お互い批難しないようにしましょう」という取り決めをしているので、
歴史的には終わった論争ですな。

[24] mixiユーザー 05月10日 10:25

ちなみに、善行為の中には、
「射祷（矢の祈り）」といって、短い祈りを一定期間繰り返すという祈祷も含みます。

祈りの対象は、三位一体の各位格や、執り成しの祈りとしての天使、聖家族（ヨセフとマリア）、その他の聖人たち、
そしてイエスの聖心（イエスの愛を象徴する、聖なる心臓。ハート型の意匠で有名。修道女に啓示されたのをバチカンが認定した）。

つまり、「御身の苦悶において天使によりて強められしイエズスの聖心よ、我らの苦悶において我らを強め給え」と祈ると、
祈る度に煉獄にいる期間が三百日免償されます（1920年に聖座認可）。

射祷という行為は、東方正教会のヘシュカズム（イエスの祈りを繰り返す、呼吸の祈り。典礼のキリエ・エレイソンはその名残）や、北アフリカの砂漠における修道院などから来た祈祷方法で、
一番カトリックで体系化されているのが、ロザリオの祈りです。
「聖寵みちたり、めでたしマリア…」と「主の祈り」を繰り返し、ところどころに黙想をする方法です。
ちなみに、カトリックの主の祈りは最後の頌栄部分がありません
（頌栄は、古代キリスト教の「ディダケー」には既にあり、プロテスタントが多用した英欽定訳聖書で付加されたもので、カトリックでは、あくまでも主の祈りと頌栄は別の要素です）。

まあ、良きわざを強調（推奨ではなくて）するのがカトリックですな。

[25] mixiユーザー 05月10日 10:33

ちなみに。

カトリックでは結婚は秘跡であり、またプロテスタンティズムに基づく勤勉に対する批判というのがありました。
そこで、三十年戦争（十七世紀にあった、ドイツで行われたカトリック諸国とプロテスタント諸国の戦争）での、
カトリックのスローガンは、

「離婚と勤勉の輩はぶっ殺せ！」

…でした。

いやあ、今は本当に丸くなったものです。

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