THE ORB(ジ・オーブ) UKダンス・ミュージック・シーンの黎明期から現在に至るまで、移り変わりの激しいエレクトロニック・ミュージック・シーンに於いて、常に時代の最先端で革新的な作品を送り出し続けているジ・オーブことアレックス・パターソンは、UKダンス・ミュージックの歴史そのものと言っても過言ではないだろう。代表作は『The Orb's Adventures Beyond The Ultraworld』『U.F.Orb』『Orbus Terrarum』など数知れない。「アンビエント・ハウス」というチルアウト・ミュージックのジャンルを事実上具現化したマエストロであり、その後のエレクトロニック・ミュージックに多大な影響を与えたアーティストである。近年はファースト・アルバム以来の盟友でありジャーマン・エレクトロニック・ミュージック界の重鎮トーマス・フェルマンとの共同作業が多く、2005年にはヨーロッパに於ける最優良テクノ・レーベルKOMPAKTから『Okie Dokie It's The Orb On Kompakt』、2009年にはドキュメンタリー映画「Plastic Planet」のサウンドトラック『Baghdad Batteries』を送り出している。2010年には元ピンク・フロイドの伝説的ギターリスト、デヴィッド・ギルモアをフィーチャーした『Metallic Spheres』をリリースして、新旧のファンからロック・ファンまでを驚かせた。ミニマル〜クリック以降のテクノを独自解釈しながらも、The Orb本来のサウンドスケープを継承する珠玉の作品を精力的にリリースしている。かねてより噂されていたレゲエ〜ダブのパイオニアであるリー・スクラッチ・ペリーと全面コラボ・アルバム『THE ORBSERVER in the star house』とその続編『More Tales From The Orbservatory』を2012年と2013年にリリースしている。 そして2015年、約10年振りにKOMPAKTに帰還を果たし全4曲で構成されるニュー・アルバム『Moonbuilding 2703 AD』を発表する。壮大な展開を繰り広げる楽曲群は、複雑なモザイクの如くその表情を変化させ、多彩なリズムは催眠的な時間と音の迷宮へとリスナーを誘う。エレクトロニック・ミュージックの新たな可能性を拡張させるマスターピースの誕生を祝福しようではないか。