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NHK大河ドラマ「義経」コミュの義経・弁慶・勧進帳

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 1年の最後の月12月の14日といえば、ニホン人にとって最大にして最高のロングラン、47名の浪人武士の話があります。 大河ドラマの定番でもある。
 忠臣蔵、赤穂浪士。赤穂の「義士」とまで讃えられて300年ほどか。
  耐忍んでやっとの思いで示した行動に心の輝きを見て取った江戸市民が拍手を送った。
 以来多くのニホン人の涙を搾り取って来た。
 だから、書物に、歌舞伎や浄瑠璃、浪曲講談、落語、芝居に、歌に、映画に。
 戦後の一時期、戦勝国アメリカに禁止されたのに、未だ当たり出し物として健在。
 賛否もろもろ有りましょうが、ニホン人に感動を与え続けている。
 やはり人は、ただの思い出や自慢話カネ儲け話では感動しない、出来ない。

 30歳代までならこういう話には、地味で爺臭いと嫌われる。
 ですが歳50にもなれば、どこか心にフィットするものがある。
 ニッポンの素晴らしさを「勤勉でクルマや電子機器を作れる国」としてしか見られない悲しさを感じるが、なかなかどうしてそんな乏しい精神文化の国ではないのであーる。
 もっと多様な文化面が歴史的にもあって工業産物クルマにも負けない。

 前置きが長かったが・・歌舞伎でお芝居やドラマで、忠臣蔵と並んでいやそれ以上の出し物がある。
 それは安宅の関で有名な、勧進帳。

 近年、忠臣蔵も勧進帳も、演技が下手に見えてしょうがないのが多いのでドラマ化をあまり見ない。
 見ない、のだけれど・・討ち入りと、安宅の関だけは見させてもらう。
 11/27(日)夜NHKが、義経、の山場のそのシーン。(12/3土:再放送かな)

 義経一行が、頼朝に追われ奥州に逃れる途で、安宅の関にさしかかった。
 皆が山伏姿。これから羽黒山の荒修行に行くのだと、二月の北国、海岸沿い。今の石川県か福井県の辺りなのだろうか。
 弁慶を山伏リーダーにして義経も同じ出で立ちで末尾に。

 だがすでに安宅の関には頼朝のメールが、注意せよと届いてる。
「義経一行を見つけた場合は捕らえよ」と。
 この関の責任者が、富樫氏。

 このシーンは歌舞伎でも特に有名で、いろいろな解釈が成されてるらしい。
 安宅の関所において通行の理由として、荒修行に向かう旅の途中であり、大仏殿かなにかの寄付金集め勧進もしてると、弁慶が答える。
 この段階で、この一行は義経たちだと、まあ70%くらい勘付いている関守の富樫。
 では勧進帳(寄付金台帳)を持っているだろうから、見せろと迫る。

 勧進帳というものは、寄付した皆のお心使い額が書かれてある。だからみだりに人目にさらすなど出来ないと応える。
 しからばその勧進を見ることはすまい。ならば勧める文言を読んでみよとさらに迫る。

 そこで見せ場であるところの勧進帳を読むシーンとなる。
 御大将義経を生涯の殿として、何としても平泉まで逃げおうせて、是非とも義経王国を建てなければならぬと思う弁慶が、命がけの救出策を即興アドリブで演じる。

 これが欧米のストーリーなら、もう何度ハリウッドで映画化されたろうかと思う。
 無いものを読めと迫られて窮する弁慶。
 さあ、さあさあ読んでみよ、と尻尾を掴んだかの様に迫る関守、富樫。

 うぉーむむ……。

 と、何も書かれていない一本の巻物を持っていたのに思い当たる。
 とっさの機転で、厳かにそれを取り出す。
 そしてうやうやしく読み始める、弁慶。

 後ろに居並ぶ仲間一行はと見れば、もしもバレたらこの場は武力をもってでも踏破せんと、六尺の棒を汗で握り、気を引き締める。
 それを、まああわてるな落ち着けと、弁慶が目で抑える。
 歌舞伎ではその巻物をも疑う富樫が、のぞき見ようとするシーンもある。
 そうしたものを切り抜けながら、関所役人など多くの者の前で、見事白紙勧進帳を読み切る。
 こうなると関守に疑う余地は無い、となる。

 いや疑って相済まなかった。通りゃれえ。
 早々に踏みだす、一行。

 と、その後尾の義経に、あいやしばらく待たれえ、と叫ぶ富樫氏。
 その若者、義経殿に似ている、と。
 さあ大変、大殿義経様が止められてしまった。
 何としても切り抜けなければッ。

 そこで弁慶は、やにわに義経の胸ぐらを掴み、殴り倒す。
 振り上げた6尺棒までを振り下ろす。
 お前の様な詰まらぬ小僧のお陰であらぬ疑いをかけられてしまったわい。
 急ぎ旅の皆の足手間どいよと、わが殿に向かって罵声を浴びせる。
 疑いを晴らすための苦渋のこの行為を見た一行は、弁慶は気でも狂ったかと驚く。

 西洋、欧米の影響により長幼の序とか主従関係など、伝統の意味までも喪失して今や宙ぶらりん無国籍ニッポンではこの部分はなかなか理解出来ないかもしれない。
 鎌倉の当時、武士主従関係による規範秩序を踏みにじるとか自ら破棄するなどあり得ない。
 まして命より大切な御殿を足蹴りや棒叩きに及んだなどということは狂気の沙汰以外の何者でもない。

 だがそれだけに、疑い度90%の富樫氏も弁慶の命に替えても主人を思いやって示すこの行動を目前に見ては、心が動いた。
 もうそこまでで結構でござる。
 ささ若い方よこの酒で痛みを紛らわせてくだされ、と殴られた若者(義経)に酒まで差し出した。

 心が動いた、というのは疑いが晴れたのではない。
 疑いは100%に振り切れた。
 義経一行であることを確信したことは、間違いない。
 でも通した。

 では、なぜこの場を許して通したか。
 ここにまたニホン人の心があるのですが、さて現代の労働仲間を冷酷に見捨てるニッポン人に分かるかどうか。
 元のニホン人ならこんな説明は不要なんだろなあ。

 武士の情けでござる。
 弁慶の、男気に武士の魂に、心を動かされたのありましょうなあ。
 そこまでやる弁慶と、その意味を察して耐える義経の主従関係を前にして、感動した。
 ああ、何と麗しいことか。この弁慶なれば地獄の底まで義経殿を守るつものりなのであろう。
 我も、かくなる主従関係においてこの命を捧げたくなるほどの殿に仕えてみたいものであることよ。
 歌舞伎では、ここに至って酒ほか多くを弁慶に振る舞う富樫の場があった気がしますが。
 一行が関所を去った後、義経殿ご無事で、というふうに密かに頭を垂れる富樫でした。
 観る者はこの主従を思いやるその富樫へ、弁慶に代わって感謝することになる。

 例の、弁慶が花道を去るときに見せる有名な片足スキップのシーンがこのところではなかったか。
 ふー、やったやった。さあ旅を急ごうぞ、と。

 いよっ! 日本一!
 と、大向こうから声がかかる。

 さて場面は変わって、観る者の目が潤むのがこの後にもある。
 弁慶が男泣きに泣いて、御殿義経に、非礼無礼なる振る舞いを、わびる。
 たとえ急場をしのぐためのアドリブとはいえ、主人を蹴る殴るなどもってのほか。
 この場は割腹も覚悟の思いですので何なりと、とひれ伏す。

 しかしながら義経は、いやいやそうではない。これほどに主人を思いやって示す行動がほかにあろうものか。
 わしは天下にただ一人という最高の家来をもって幸せである、といさめる。これも従者を思いやって示す行動か。そこでまた主従関係が一層確かなものになる。

 それに、戦さ上手この上無しと天下に名を馳せた源氏の総大将義経様の今の何と哀れなことよなあ、と一行皆が涙する。これもまた互いを思いやる。

 逃避行の義経一行が安宅の関を弁慶の勧進帳の空読みで越えるという、1000年にもなろう昔のエピソードを、一見綺麗なのにその実人心荒廃著しい今に生きる私などでも、充分に楽しめるその感動の正体、核はなんなのだろう。

 京の五条の橋の上〜・・


コメント(7)

上の文章だけでも感動してしまいました(笑)。

素晴らしい。
「武士の情け」なんですよ、お互いわかっているだけどね、詮議する方も任務は任務だからはたさねばならぬ、だけど何が何でも貫いてしまえばいいものじゃない、場合によっては、その「心意気」に打たれる、よって「武士の情け」がでる、この心の機微、これが日本人なんですよね☆

上の文書自分も感動しました☆教科書で採用して欲しいです!
 こんにちは

 何ともお恥ずかしいしだいです。

 それにしても・・何とも暗いニュースが続きますねえ。
 私たちが戦後目指して来た物も豊富で何不自由ない時代に来てみれば。

 義理人情みてえな古いこと言ってないで。
 慈善事業じゃあるまいし。
 まるで浪花節じゃねえか。

 私などもそういうふうにせせら笑って稼いで来たけど。
 昨日も一昨日も地獄絵の様な出来事が周囲で起きているということは・・どこで何が間違ったのでしょう。
 こうしたドラマストーリーに感動していた様な古い日本人先人たちとどこで別れてしまったのでしょう。
 親殺し子殺しは昔もあった、というけれど貧して窮してと言う動機と違った、むしゃくしゃしたとかの不可解な衝動というのには・・
楽々さん、本当に分かり易い、そしてまさに日本人の心の機微のわかるご紹介、ありがとうございました。なんとな〜く知っていたと思っていたのですが・・・。
分かっているけど、通す、その心は???というところがやはり感動のポイントですね。

日本の教科書もいいですけど、海外の教科書とかで日本人紹介として採用して欲しいぐらいですね(昔の日本人としてかな?)。
 何を長々と書いたか、などと言われたらすぐにでも消そうと思っていたのに、多々共感を呼ぶご意見、おそれいいります。

>日本人の心の機微のわかるご紹介、ありがとうございました。なんとな〜く知っていたと思っていたのですが・・・。

 そういう思いをとりまとめて、一本の大河絵巻にする義務が有料会費制のNHKのお役目なのだなあ、と、賛否議論の沸いたこの一年を振り返って、一視聴者としてあらためて思いを深くしました。
 そういう思いのかたがたがこうしていらっしゃるのですから。
 たぶんこの様な番組はNHKでなければ出来ないのではないでしょうか。
 NHKの制作の才能集団もすごいけど、思えばそういう番組を支える津々浦々の視聴者の、支援の力も大きいですよねえ。
 
 義経に話を戻すと、壇ノ浦、は平家側に立ったドラマの方が見がいがあったりしませんか。
 芳一の琵琶や、平家蟹などの話からもそういう古人の思いを思い出します。
 ということは、やはり敗者や弱者の視点が、日本人は共感することが強いのでしょうか?
 自分の感想でいうとそういうふうな気がします。
ほんと感動しました。
こないだの放送が頭にうかびます。
感動しかことばないです。
なんてすばらしい!!!!
ますます、日本がすきになりました。

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