テアトロ・レ-ジョ Teatro Regio トリノのオペラの歴史は、1611年に王宮内の宮廷劇場で上演されたディンディアのザリズーラLa Zalizuraに始まる。その後1730年カルロ・エマヌエル3世が建築家のフィリッポ・ジュヴァッラFilippo Juvarraに、新しい劇場の建設を委託した。彼の死後建築家のべネデット・アルフィエリBenedetto Alfieriが1738年に2500席ある優雅な劇場を建て、1740年12月26日にフランチェスコ・フェオFrancesco FeoのアルサーチェAlsaceで開場した。当時はグルッピ、ヨンメッリ、チマローザ、パイジェッロなどの作品が上演された。1790年から1814年ごろはテアトロ・ナツィオナーレ、テアトロ・インペリアルなど数回改名された。1895年から1898年まではトスカニーニが音楽監督に就任した。1893年プッチーニのマノン・レスコーManon Lescautが初演され、1896年にはラ・ボエームがトスカニーニの指揮で初演されている。19世紀に改築された劇場はナポリのサン・カルロ劇場をモデルにしたネオクラッシックの美しい劇場であったが、1936年に火災で焼失した。それ以来オペラの公演はヴィットリオ・エマヌエーレ劇場とモーダ劇場で行われていたが、1965年になって建築家のカルロ・モリ―ノCarlo Mollinoとマルチェロ・ザべラー二・ロッシMarcello Zavelani Rossiによって現在の現代的な無味乾燥な劇場が出来、そのこけら落としにヴェルディのシチリア島の夕べの祈りI Vespri Sicilianiが、マリア・カラスとジュゼッペ・ディ・ステーファノという黄金キャストによって上演され、話題となった。 今年の1月は、ランカトーレが出演して、ホフマン物語の上演があった。
インフォメーション Fondazione Teatro Regio di Torino Piazza Castello,215 10124 Torino Biglietteria Tel:(39) 011 8815241 8815242 8815270 Fax:011 8815214 http://www.teatroregio.torino.it E-mail:biglietteria@teatroregio.torino.it
音楽にゆかりのある見どころ
王宮 Palazzo Reale 1660年に建てられたもので1865年までサヴォイア家の王宮であった。内部には多くの部屋があり、17世紀から19世紀にかけての豪華な家具、調度品、絵画などで飾られ,一見の価値がある。時間がない時はここだけ訪れるとよい。はさみの階段Scala delle forbiciと呼ばれる玄関の大広間から階上に上がる階段はフィリッポ・ユヴァッラによる装飾が美しい。彼はまたガビネット・チネーゼGabinetto Chinese(中国風小部屋)という部屋の装飾も行っている。宮殿の背後にはフランス式王宮庭園が広がっている。王宮の前は大きな広場になっていて催し物が開催される。
サン・ロレンツォ教会 Chiesa di San Lorenzo 1668年から80年にかけて建築家のグアリー二によって建設された教会で、トリノで一番美しい教会といわれている。クーポラは個性的で美しく、王宮前の広場から優雅な姿を見る事ができる。
ドゥオーモ Duomo 内部が3廊式の1498年に建てられたルネッサンス時代の教会。内部にシンドネ礼拝堂Cappella della S.Sindone がある。中央にはベルトラ作のきらびやかな祭壇があり、その中の箱にシンドネと呼ばれる聖骸布が納められている。これは長さ4.1メートル、幅1.4メートルのエジプト産の一枚の布で、キリストの遺骸を包んだといわれ、その体の跡が布の残っているという。最近ではあまり公開されない。いつだったか日本のテレビでこの布が本当にキリストの体を包んだものなのか鑑定した番組があり、それによるとそのような痕跡は見出せなかったという。
映画博物館 Il Museo del Cinema 映画の創世記である20世紀初頭から現代に至る膨大な映画の資料が展示されている。無声映画や映画の発明者ルミエール兄弟の作った映写機など貴重な展示が多い。マリリン・モンローのコーナーには彼女の身につけていた下着まで展示している。日本の映画スターのプロマイドなどもあり、一世を風靡した名スターたちの作品に再会で来るので、映画に関心のある方には魅力ある場所である。
プッチーニの家 La casa di Puccini プッチーニはトリノとゆかりが深い。彼の最初の成功を収めた「マノン・レスコーManon Lescaut」、ボヘミアン達の生活を描いた「ラ・ボエーム」もトリノのテアトロ・レージョで初演されている。 その彼が最初にトリノを訪れ滞在した家がサン・アゴスティーノ教会の脇のVia Santa Agostino 15番地にある。そこにはプッチーニが1884年6月24日から7月6日までここに滞在した事が書かれている碑がある。プッチーニはアゴスティーノ教会でオルガンも弾いたといわれている。