[mixi]1960 Indonesia - インドネシアの音楽

[20] mixiユーザー 01月25日 00:03

Orkes Simanalagi ‎– Gaya Remadja　(1963 Indonesia 7inch)

ノリが良くてきれいな女性Voも入っていて茶目っ気もあって、とても気に入っています。
他のトピックで書いたことがあるのですが、60年代初期の重要なグループなのでここでも紹介したいと思います。
シングルリリースだけでLPは出していませんが、当時は非常に人気があったようです。
リーダーはJules Fiooleというイケメンの才人で、
女性歌手にも沢山曲を提供していますが、女性voがメインのLPや10inchは
スローテンポの歌謡が多いようです。
個人的にはGaya Remadjaみたいな、活気のある曲やアップテンポの曲の方が好みです。

画像はフォトショップで加工したわけではなく（笑）
曲や内容は皆違います。
同じタイトル、同じ写真でイエロー、オレンジ、ブルー、ピンクの4枚の作品がリリース
されていますが、最近ついに4色コンプリートしました(^^)

Gaya Remadja　Irama ‎– EP. 01 イエロー
SideA-1 TJANGKURILEUNG
https://www.youtube.com/watch?v=8yAWqhgET0M
sideB-1 Burung Kutjitja
https://www.youtube.com/watch?v=S8K3gA2UM4w

Gaya Remadja EP. 04 ブルー
SideA-1 Asmara
https://www.youtube.com/watch?v=kp39NL4B02U

Gaya Remadja　Irama ‎– EP. 05ピンク
SideB-2
https://www.youtube.com/watch?v=uzvDVRZBWs8

Jipibifikimos　Irama ‎– EP 75
SideB-2 Es Mi Ran
https://www.youtube.com/watch?v=7UyL1kyauPs

Orkes Simanalagi ‎– Na Sonang Do Hita Nadua / Letnan Hardi
Irama ‎– NP – 02
SideB
https://www.youtube.com/watch?v=n8LqpANWar0
https://www.youtube.com/watch?v=uS0EoZJWp8E（当時の映像入り、1958年？）

NP-3 Naik Delman
https://www.youtube.com/watch?v=GvCLxwtR4vM

Badju Hidjau / Kasmaran　NP - 06
SideA　 Badju Hidjau
https://www.youtube.com/watch?v=A_5RsGklNC0

Bintang Ketjil (1964) NP-01
https://www.youtube.com/watch?v=PnLh7DvhRPo

ここでSimanalagi関連のレコードが聴けます。
http://iramanusantara.org/#/artist/225

[24] mixiユーザー 01月25日 00:50

Rita Zaharah, Orkes Simanalagi　Irama - EP. 053
Simanalagiらしい、いい演奏です。
大顔面のジャケよりこのジャケが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=YrNaqGlIVU0
ここで全曲聴けます。
http://iramanusantara.org/#/record/2334

Rima Melati/Senjum
Irama - EP. 043
Simanalagiにも参加していたRima Melatiの7inch
演奏はSimanalagiではなく、Ork. Gaja Remadjaによるもの。
Senjumはスマイルという意味です。
裏ジャケに歌詞が載っていましたが、自動翻訳では上手く訳せませんでした。

https://www.youtube.com/watch?v=sH0X3KSVPN4
オールドタイミーな演奏とチャーミングなボーカルがいい感じ。　
https://www.youtube.com/watch?v=8kC7dH8etaM
しみじみとする名曲

Discogs　こんなにいいのに「ほしい」が1人というのがちょっと残念。
https://www.discogs.com/ja/Rima-Melati-Senjum/release/15178829
ここで全曲聴けます。
http://iramanusantara.org/#/record/786

[25] mixiユーザー 01月25日 19:57

>>[24]
リタはだいぶモダンですね。エスノ成分も少なくてワールドワイドに評価されそうです。

[26] mixiユーザー 01月25日 22:16

はっぴーまんさん
コメントありがとうございます！
確かにあまりエスニックではないですね。
60年代後半の音楽にはない、ある種プリミティブな感じが気に入っています。
日本ではあまり知られておらず話題にもなりませんが、
実際に聴いたら結構気に入る人もいるでしょうね。

[27] mixiユーザー 02月07日 00:07

Orkes Kenanga, Abubakar B ‎– Orkes Kenanga
Lokananta Records ‎– ARI-118
https://www.youtube.com/watch?v=pGjJMekyQNo

その時代ならではの演奏が味わい深いムラユ歌謡。
インドネシアのレコード屋さんによると、A-1のDara Kota Batikは、
バティックのケバヤを着た女性の美しさについて歌っているそうです。
（Kebayaはブラウスとワンピースを組み合わせた伝統的な女性の衣装）
ちょっとザ・ピーナッツを思わせる女性ボーカルと
タンゴの要素の入ったパーカッシブな演奏がすごくいいです。
（太鼓は東南アジアなのにタンゴ風なのが、なんとも不思議）

youtubeの動画は、針飛びだらけのレコードを祭壇みたいなところに置いているのが面白いです。
この時代のレコードは、ジャケットや盤のコンディションがまともなものがなかなか手にはいりません。持ち主にとっては針飛びがあっても大切な一枚なんでしょうね。

ここで全曲聴けました。
http://madrotter-treasure-hunt.blogspot.com/2018/09/orkes-kenanga.html

[28] mixiユーザー 02月07日 11:37

以下は、昨年8月に「インドネシア音楽」のトピックに投稿した文章を少し修正したものです。
田子内進氏の研究論文が非常に興味深い内容で、多くの方々に知っていただきたいと思い、このトピックに転載させていただきます。
　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊
1960～70年代のインドネシアのレコードを探しているとよくムラユ（melayu）と呼ばれる音楽を耳にします。ムラユって何だろう？と思って調べてみました。
詳しい定義は知りませんが、私の大まかなイメージでは、ムラユは「インド映画音楽の影響を受けた反復ビートの入ったインドネシアのポップス」で、インドネシアでは非常に人気があるようです。そして、ダンドットも人気がある音楽ジャンルですが、なんだかムラユに似ている気がします。ムラユが、ある時代からダンドットと呼ばれるようになったのでしょうか？　実のところどうなのか、確かめたいと思いました。
もう一つ知りたいと思ったのは、インドの映画音楽の要素がなぜ、いつ頃からインドネシアのポップスに入って来たかについてでした。その点に関して気になったのは、私が6年程前にスラバヤストリートで購入して以来愛聴盤になっているOrkes Kelana Riaのkafilah（カフィーラ＝隊商、1961年）というレコードです。
アラブ音楽、ラテンやムラユの要素の入った長閑でチャーミングな歌謡ポップスで、有名な女性歌手Ellya KhadamがEllya Agusの名で参加しています。Kafilahには、インド的な反復ビートの入ったダンドゥットの原型のような曲が何曲かあり、彼らの第2作 Ya Mahmud(ヤー･マフムッド,1963年)では、インド映画音楽の要素が更に強くなっています。これら作品が、後のダンドゥットとどんな関係があるのか知りたいと思いました。

ネットで調べていたら、田子内進氏によるムラユからダンドゥットへの歴史的変遷に関する、非常に内容の濃い研究論文がありました。

―模倣から創造へ、インドネシアの大衆音楽ダンドゥットの発展―
http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/data/h21/125188/125188a.pdf

ダンドゥットの成立と発展（1）　近代演劇の成立とオルケス・ムラユ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tak/35/1/35_KJ00000131979/_pdf/-char/ja

ダンドゥットの成立と発展 (Ⅱ) ―オルケス･ムラユの発展とムラユ音楽―
https://kyoto-seas.org/pdf/36/3/360304.pdf

それによると、1970年代前半にジャカルタのあるラジオ局が「インド大衆映画音楽の影響を大胆に取り入れたオルケス・ムラユの音楽をムラユ音楽と呼ぶことは出来ないと考え、代わりにダンドゥットという、新しい呼び名を普及させようとした」ことがきっかけとなって、ムラユ音楽がダンドゥットと呼ばれるようになったそうです。ムラユが1970年代にダンドットと呼ばれるようになったことがわかりました。

Orkes Kelana Riaのkafilahについては、ムラユ音楽に初めてインド音楽を大胆に取り入れた記念碑的アルバムと書かれていました。こぶしを効かせたEllya Khadamの歌唱法はそれまでのムラユ音楽には無く、当時の人々に非常に強い印象を与えたようです。また、現在のダンドゥットで重要な役割を果たすグンダン（片面太鼓）とスリン（竹笛）の両楽器を初めて使用したのがこの作品だそうです。言われてみると、スリンは、60年代以降のムラユ～ダンドゥットの重要な要素になっていますね。

Kafilahは日本ではあまり有名では無く、ひそかに愛聴していたレコードですが、現代のダンドゥットにつながる音楽の流れを作るきっかけになった作品だと知って驚きました。

Orkes Kelana Ria- Kafilah （1961）
https://www.youtube.com/watch?v=8T-C5zVgZLo
個人的にはA3 、A6 、B2 が南国風の長閑さがあって特に好きです。

↓ELLYA AGUSのボーカル
https://www.youtube.com/watch?v=dGraumo_SK0

Ya Mahmud
https://www.youtube.com/watch?v=F2iCJb19xms
パーカッションが炸裂してます^^

Ya Mahmudの中のムラユ系の曲
鉄琴の音が、インド映画音楽風味を増す要素になっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=CqhwL8gxo5U

[29] mixiユーザー 02月07日 13:00

Orkes Melaju Kenangan ‎– Kenangan
Bali Records ‎RBL-103（10inch）
https://iramanusantara.org/#/record/64

まだインド映画音楽の要素があまり入っていない、いい時代のムラユ歌謡。
個人的に60年代後期以降のインド風のムラユ～ダンドゥットはほとんど聴かないのですが、
インドが嫌いというわけではなく、以前インドに8回も旅行に行って聴きすぎたせいか、
一種のアレルギー反応が出るようになった（笑？）という事情があります。
多少個人的な好みについて書くこともありますが、どうかご容赦ください。

A1、Naik Sampanのサンパンとは、東南アジアの広い範囲で使われている人や荷物を運ぶ全長5m程度の小型船。ボートで出かけると心が晴れるという歌詞で、リズムや旋律が歌詞にぴったり。晴れやかで高揚感がある、すばらしい曲です。
インドネシアの友人Fさんが歌詞を教えてくれました。自動翻訳では上手く訳せていない部分もあるようですが、歌詞の大体の意味は伝わるようなので紹介したいと思います。
なお、サンパンの写真はwikiからの転載で、香港のものです。

Naik sampan si naik sampan, sampan nya laju terus kepulau
Naik sampan si naik sampan bikin gembira hati yang risau

Hai menaik sampan.
Sampan di dayung amboi ke semenanjung -
Janganlah lengah jangan termenung - mari mendayung mengejar untung

Naik sampan si naik sampan, sampan nya laju terus kepulau..
Naik sampan si naik sampan, bikin gembira hati yang risau..

Hai menaik sampan, sampan didayung amboi kepulau pandan..
Sambil mendayung kita berdendang - dengan lagunya melayu sebrang

Naik sampan si naik sampan, sampan nya laju terus kepulau..
Naik sampan si naik sampan, bikin gembira hati yang risau..

Hai menaik sampan, sampan didayung amboi kepulau saki..
Sambil mendayung kita menari -
Menari nari joged nan asyik..

Naik sampan si naik sampan, sampan nya laju terus kepulau..
Naik sampan si naik sampan - bikin gembira hati yang risau..

サンパンに乗って（誤訳の可能性があることをご承知ください）

サンパンに乗って、サンパンは島をスピードアップし続けます。
サンパンに乗ると、困った心が幸せになります。

こんにちは、ボートに乗ります。
半島へのアンボイパドルのカヌー-
不意を突かれないで、迷子にならないでください-利益のために漕ぎましょう。

ボートに乗って、ボート、ボートは島をスピードアップし続けます...
ボートに乗って、サンパンに乗って、あなたの心を幸せにしてください..

こんにちは、ボートに乗って、カヌーはアンボイによってパンダン島に漕ぎます...
漕ぎながら私たちは歌います。

ボートに乗って、ボート、ボートは島をスピードアップし続けます...
ボートに乗って、サンパンに乗って、あなたの心を幸せにしてください..

こんにちは、ボートに乗って、カヌーはアンボイによってサキ島に漕ぎます..
漕ぎながら踊る-
踊って踊って楽しんで..

ボートに乗って、ボート、ボートは島をスピードアップし続けます...
サンパンに乗るサンパンに乗る-心配している心を幸せにします..

[30] mixiユーザー 02月07日 14:06

Orkes Melaju Kenangan ‎（RBL-103）で一番好きなのが、B3のSaha Etaです。
インドネシアもののハードディガーとして有名な馬場正道さんもTwitterで紹介していました。
https://twitter.com/babamasamichi/status/1331912535344181248

元の歌詞はおそらくスンダ語ですが、友人のFさんがインドネシア語に訳してくれました。
Chiyoda Bun(千代田髪)は当時西ジャワで流行っていた日本風の髪型で、おそらく付け髪だということです。島田髷は有名ですが、「千代田」という髪型は日本では聞いたことがないと彼に書いたところ、1950年代にバンドゥンにあったChiyoda Storeという店で売っていた付け髪は非常にポピュラーで、Chiyodaと呼ばれていたそうです。日本とインドネシアに関する知られざる歴史の一コマを知って嬉しくなりました。余談ですが、昔Chiyoda StoreがあったというバンドゥンのAlkateriストリートは、旅行中私が泊まっていたホテルのすぐ近くにあり、私はその通りでサテ（焼き鳥）を食べたこともあります。いろいろと奇遇だなと思いました。（写真は現在のAlkateriの様子）
Saha Etaの歌詞は、聞き取りにくい部分があったということなので、正確かどうかはわかりません。自動翻訳したものを少し修正した和訳も載せておきますが、間違っている可能性があることをご承知おきください。

Original lyrics:

Saha Eta

Saha eta? Anu pakai gelung chiyoda

Rambut ikal mayang raksukan kabaya

Jalmina manis nganggo salendang itu
Dipandang ayu (?)

Itu gadis priangan anu budina sopan

Rambut ikal mayang disuntingkan kembang

Larat leretna tajam - kawas bintang film

Saha anu ningal anjeuna sok terpikat

Itu gadis priangan anu budina sopan tapi ulah naros sambarangan

Indonesian lyrics:

Siapa itu? Yang memakai gelung/sanggul chiyoda

Rambutnya ikal mayang berpakaian kebaya

Orangnya manis pakai selendang itu

Dia gadis priangan/bandung yang berbudi sopan

Rambutnya ikal mayang disuntingkan bunga

Lirikanya tajam bagaikan bintang film

Siapa pun yang melihatnya pasti akan terpikat

Dia gadis priangan/bandung yang berbudi sopan - tapi jangan sembarangan bertanya

誰ですか？千代田髪にしてるあの女性は

彼女はケバヤのドレスを着て髪をカールさせていた

甘美なその人はスカーフをまとう

彼女はバンドゥンの淑女です

彼女は髪をカールさせ、花をあしらっています

彼の視線は映画スターのように凜としていた

彼女を見た人は誰でも魅了されます

彼はバンドゥンの淑女です。不用意に話しかけないでください

[31] mixiユーザー 02月27日 07:39

Orkes Chandraleka, Husin Bawafie ‎/Irama Desaku
Bali Records ‎– RBL - 122, Bali Records ‎– ML - 10053
これも古いタイプのムラユの中で特に好きな一枚。
6年ほど前にジャカルタ、スラバヤストリートでジャケ無しの盤のみ見つけました。
ポータブルプレイヤーを担いで、60年代後期～70年代初めのガレージやサイケを探しに行ったのですが、
その時代のいいレコードはすでに掘り尽くされ、ほとんど見つかりませんでした。
数十枚試聴するうち、ガンブースやラテン歌謡など、もっと古い時代にも素晴らしい音楽があったことがわかってきました。
これは、その時に見つけた一枚です。当時はネットにも全く情報がなく謎の名盤でしたが、去年iramanusantaraに掲載されていることを知りました。
一曲目のIrama Desaku（村のリズム）はゆったりとしたテンポで、ノスタルジーに満ちた賛歌ではないかと思いました。ハンドドラムによる反復ビートの入る古いタイプのムラユで、タンゴのようなピチカートの入る曲もあり、どんな音楽的背景があるのか興味深いです。B2,B3のロマンチックでメランコリックな女性vo歌謡もすばらしいです。
Orkes Chandralekaは他にも何枚かリリースしていますがこの作品が一番好きです。

これに近い傾向の作品には、HASNAH TAHAR＆O.M. BUKIT SIGUNTANGの”VolⅠ”、Orkes Sinar Kemala ARI-107,BRI-003などがありますが、Sinar Kemalaはもう少しインド寄りではないかと思います。

ここで全曲聴けます。
https://iramanusantara.org/#/record/3366

[32] mixiユーザー 03月28日 19:21

Hasnah Tahar ‎– Volume I
Dengan Iringan Orkes Melaju"BUKIT SIGUNTANG" dbp. A. CHALIK
Irama ‎– LPI. 17504 (10inch 1958?)

古き良き時代のたおやかなムラユ歌謡。
全曲いいですが、sideA-3,4, side B-3のゆったりたゆたうような歌と演奏が絶品です。
Hasnah Taharは1950年代後期のムラユ歌謡を代表する女性歌手。当時非常に人気があり、映画にも出演したとのことですが、エルビス・プレスリー等の影響でロックンロールが大流行するとともに人気が低迷するようになってしまったそうです。

ここで聴けます。
https://www.youtube.com/watch?v=MbaggJvyEHw&t=3s
https://iramanusantara.org/#/record/836
Discogs
https://www.discogs.com/ja/Hasnah-Tahar-Volume-I/release/15314198

ダンドゥットの成立と発展 (Ⅱ) ―オルケス･ムラユの発展とムラユ音楽―
https://kyoto-seas.org/pdf/36/3/360304.pdf
p363にハスナ・タハルのことが書かれています。

Nur'ain , Hasnah Thahar , A. Chalik - Djandjiku
Bali - BER-018 (7inch)
https://iramanusantara.org/#/record/2157

[33] mixiユーザー 03月29日 10:20

Lies Embarsari/ Nina Bobo
Bali - RBL-114(10inch early'60s?)

基調は女性Vo歌謡ガレージですが、マエストロと呼ばれるIdris Sardiのヴァイオリンにより、ゆらめくような浮遊感が生まれ、ちょと他にない、ある種サイケデリックな音になっています。Lies Embarsariの「黄金の声」が素晴らしく、Zaenal Comboによる疾走感のあるビート、サーフガレージ調のギターもノリノリ、イケイケでひらめきまくり。最高に楽しい作品です。ヤシの木と赤ちゃんをあやす女の人の薄青いジャケも、南洋風かつ、淡くたなびくような音にぴったりですばらしい。
Discogsではまだ持っている人が2人で「欲しい」は0人という不遇盤ですが、一部のファンの間ではこの時代の名盤の一つとして評価され、高額で取引されています。

https://youtu.be/eZu15e3EYlM
https://youtu.be/XfEN-sQCQ7w
↓iramanusantaraで全曲聴けます。
https://iramanusantara.org/#/record/308
Discogs
https://www.discogs.com/ja/Lies-Embarsary-Zaenal-Combo-Nina-Bobo/release/15875855

[34] mixiユーザー 07月28日 13:18

Combo Ria/ Combo Ria
Lokananta - ARI-099, 1962, 10inch
ラテンjazz歌謡名盤
ムーディーで美しいフルートや女性vo、可憐なピアノの入ったチャーミングな曲、
例によって「ウーッ！」っていう掛け声が入ったパーカッシヴで愉快な曲など、
自分の中では同じLokanataからリリースされている10inchのEka djaja combo(ARI 114)
と双璧をなす名作です。
iramanusantaraで全曲聴けます。
https://iramanusantara.org/#/record/470

Mutigh Tighau
Ansambel Njanji Sechase
Lokananta - ARI-097
タイトルのMutigh Tighauは「きのこ狩り」という意味で、キノコジャケが印象的です。
南スマトラの民謡をやっているとのことですが、
Combo RiaとそのリーダーのJoesapan Koesnoenが参加しているだけあって
かなりjazzやラテンが入ってます。
https://iramanusantara.org/#/record/2577

裏ジャケの曲解説をgoogleで翻訳して少し手直ししたものを以下に載せておきます。
誤訳だらけだと思いますが、曲について知る上で少しは参考になると思います。

1.リバジアン（運命のため）。
この曲は、ジャワの風景と孤児の悲しみと心痛を描いています。
しかし、悲しみはこの運命と人生の犯罪ではありません。

2. KEBILE-BILE（PABILAKAHまたはいつでも）。
この曲は、社会で愛される人になるために良い資質を持ちたいという希望と願望を説明し、目標を達成するために、粘り強く、勤勉で、努力に満ちていることを願っています。

3. KITE BESUKE（私たちは幸せです）
この童謡は私たちを一緒に踊ったり歌ったりするように誘い、
すべての苦痛と苦難を忘れるように促します。

4. Ase Ka Dide Ka Ngulang Lagi（再び感じないでください）。
故郷を去り、二度と戻ってこないように見える誰かのことを叫び、
過去の記憶がフラッシュするとき悲しむ。

5. MUTIGH TIGHAU（きのこ狩り）。
この曲には、庭の美しさと静けさの雰囲気が描かれています。
tjendawandjantungとbumbunjaを一緒に食べることを選び、
ご飯が炊けるのを待っている間にトウモロコシを焙煎します。

6. MANTAI PETANG（SENDJA HARI）
夕暮れ時に風が美しい風景を吹き、香りのよい花が広がり、
鳥が檻に戻ります。自然の美しさを描きます。

7. KEMANE DIE（彼女はどこ？）。
昔好きだった少女が忘れられない。かつて密かに少女に恋をした青年が、愛が返ってくるのか疑問に思っている気持ちがこの曲に描かれている。

[35] mixiユーザー 07月28日 19:25

I-Lailang
Orkes Irama Daerah Kalimantan "Rindang Banua"
Lokananta - ARI-085, 10inch, early 60s?

ボルネオの南洋Jazz歌謡
すごくパーカッシヴで心地良く、かっこいい演奏。
ピアノのパーカッシブな弾き方もいい。
ひっそりとしたノクターナルな感じや
ひんやりとした感じもあり、納涼効果もあるので今の季節にぴったりです。
A1やムーディーな女性voが入るA2も傑作だと思いますが、
個人的に特に好きなのはA3、A4、B3等、沈み込むようなメランコリックな曲です。
こんな独特の暗い情感のある曲は他にあまりないし、貴重だと思います。
バンドゥン在住のレコード屋さんに歌詞の意味を聞きましたが、
インドネシア語とは全く違う言葉なのでわからないとのことでした。

全曲聴けます。
https://iramanusantara.org/#/record/2570

[36] mixiユーザー 08月01日 11:36

Nada Kentjana (RBL.107 early'60s? Indonesia 10inch)
ナダ・クンチャナもこの時代のインドネシア大衆音楽を語る上で外せない超重要なグループ。
プリアンガン（西ジャワのバンドンを中心とする高原地帯）に古くから伝わる民謡を
エレキギター、ベースなど、現代的な編成で演奏していますが、
民謡調の独特なメロディー、エスニックなハンドドラム、
ラテン、ロックンロール、ドゥーワップなどの洋楽の要素、キラキラした鉄琴などにより、
他にあまり例がない独自な音になっています。
ゆったりとした空気感、高揚感のある楽しい演奏で、
個人的には、ちょっと1970年前後の南米サイケに近いサイケ感覚もあると思います。
ちなみにRBL.107は、激レアでジャケも内容もすばらしく、one and onlyな
音だということで価格が高騰し、最近ヤフオクでもすごい値段で落札されていました。
↓全曲聴けます。
https://iramanusantara.org/#/record/174

Nada Kentjana/ Euis
Bali - RBL-101
Nada Kentjanaの最初の10inch
3人の女性歌手による歌謡Pops集で、これも名作です。
試聴ページ
https://iramanusantara.org/#/record/588

Nada Kantjana/ Nada Kantjana
Lokananta - ARI-115, 10inch
試聴ページ
https://iramanusantara.org/#/record/3853

Nada Kentjanaの作品は他に
SF映画のような異様なジャケットの”jaomal kiamat”、
Upit Sarimanah（女性vo）の1stLPなどが知られています。

[37] mixiユーザー 08月09日 11:19

Riama/ Bona Pasogit
Pusaka - LP 001
10inch 1960 Indonesia
プリミティブな高床式の家のカバーイラストが死ぬほどいい!
自分が持っているインドネシアのレコードの中で一番好きなジャケットです。
演奏もジャケット同様、素朴でチャーミングで田舎っぽく長閑な味わいがあります。
女性voも可愛くて、すごくいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=v1C4AZZxqhA
途中でボコッと入るドラムのプリミティブさが最高。
https://www.youtube.com/watch?v=AQsKanH6hns

Riama ‎/ Pakarenajja, Malala Rohangki
Irama ‎　SP. 79
イラマからリリースされたRiamaの7インチ。
Dewiのボーカルがすごく可愛いです。

Pusaka Nada/ Tudia Ma Ahu Laho
Pusaka - PNP 002
10inch early 60s Indonesia
おそらくタパヌリ（北スマトラ）のラテンポップス。
演奏も録音状態もものすごくローカルな感じで、まるでサイケの自主盤
みたいなプリミティブな風合いがたまらなく味わい深い。
そして素朴な音質に反比例するかのように、女性コーラスや楽器のアンサンブル
が高度で、すごく楽しめます。
ものすごくローカルな音なのに、ジャケットが「タパヌリから世界へ」
という思いを込めたデザイン（しかも、ものすごく凝った線画）なのも面白い。
一部の女性ボーカルやギタリストはRiamaでも演奏しています。
Pusakaレーベルの一連の作品は、ジャケットと音に独特な個性があり、
内容の充実した作品が多く、この時代のポピュラー音楽シーンの
中で重要な位置を占めていると思います。
ちなみに、Pusakaレーベルのロゴはクリオネみたいだけど何だろうと
思っていましたが、東アジア一帯で古くから神器とされている一種の剣だそうです。

↓試聴できます。
https://iramanusantara.org/#/record/70

[38] mixiユーザー 08月19日 16:36

4年以上消えたまま放置していたhpを復活させました。
このトピックと同じタイトルですが、「1960 Indonesia」というコーナーを新設しました。
このトピックにまだ書いていないレビューもいくつかあります。
よろしければご覧ください。
Blue Sky Cafe
http://aozorakissa.la.coocan.jp/index.htm

[39] mixiユーザー 08月28日 08:57

Nada Kentjanaはスンダの民謡や童謡を非常にユニークなスタイルで演奏した
すばらしいバンドですが、日本語の情報がほとんどなく、今まで詳しいことは知らずにいました。
最近、このバンドについて詳しく書かれた論文を読むことができました。
THE ART OF THE ARRANGER IN POP SUNDA, SUNDANESE
POPULAR MUSIC OF WEST JAVA, INDONESIA by Indra Ridwan 1993

まだ全部読んでいませんが、リーダーのMoh Jasinの短い伝記を紹介したいと思います。

Moh Jasin（モー・ジャシン）の簡単な伝記
ジャシンは1938年、南西ジャワ、チアミスに生まれました。
彼の父は学校の監督者でした。スンダ地方には満月の夜に子供達が
歌ったり踊ったりする伝統的な祭りがあり、彼は子供の頃、その祭りで
友人と一緒にKaulinan barudak lembur（スンダの子供の伝統的な遊戯）
の音楽を演奏しました。彼は父からもその種の音楽を数多く教わりました。
彼は子供の頃に学んだ歌が彼の音楽キャリアの本質的な部分になるとは
思っていませんでした。
バンドンの高校に進学したジャシンは、学生寮で友人からアコースティック
ギターを教わり、地元のイベントで演奏するようになりました。
ジャシンはバンドン工科大学の水工学科で工学を学びました。
22歳のとき、彼はラジオの音楽番組をよく聴いていました。
インドネシアのポピュラー音楽とカリプソ、ロックンロールなどの
西洋のポピュラー音楽スタイル、そしてルンバ、チャチャ。
彼は耳で音楽を学びました。
彼はホテルやパブなどに出入りし、ロックンロール、ジャズ、ラテンなど
西洋のポピュラー音楽のスタイルで演奏するようになりましたが、
音楽で生計を立てられるとは思っておらず、学位を取得して
エンジニアになるつもりでした。
彼は1959年に彼の兄弟とGolden Stringというバンドを結成し、
その後スカルノ大統領の意向に合わせ、バンド名をインドネシア風の
Nada Kentjanaに変えました。Nadaは音色、Kentjanaは黄金を意味します。
1960年、ライブ音楽イベントでの彼等の演奏がラジオで全国放送されたため、
彼等の人気が高まりました。Nada Kentjanaは、スンダ語の歌を
演奏する最も有名なバンドとなり、電力会社や製糖会社のお祝い、
結婚式のパーティーなど、西ジャワの多くの場所に招待され演奏しました。
彼等はエルビス・プレスリーが着用しているようなタイトなパンツの着用は避け、
白い襟のシャツ、ドレス、バティックなどのきちんとした衣装を着る
傾向がありました。ステージでは、女性ボーカルはセンターに立つよう
指示され、コンガやマラカスその他の立ち位置もジャシンが指示しました。
会場では、野蛮な行動や酔っ払いなどの失礼な行動も許可されませんでした。
同じ年、Nada Kentjanaはスカルノ大統領のイベントで演奏することを
求められました。大統領は西洋のポピュラー音楽は帝国主義的であるとして
禁止していました。ジャシンはバンドメンバーをカーテンの後ろに隠し、
女性歌手だけを聴衆に見えるようにすることを計画しましたが、心配あり
ませんでした。Nada KentjanaがToketjang（鶏の声）を演奏し始めたとき、
大統領は立ち上がって、一緒に踊る女性を探しました。
大統領は彼等の演奏を気に入り、禁止することはありませんでした。
スンダの古い歌を演奏しスンダ文化を継承することはインドネシアにとって
価値があると認められ、大統領に求められて、カンボジアのシアヌーク国王や
ギニア大統領などの国賓をもてなすイベントでも演奏しました。
1963年に彼らはバンド名をNada Kantjanaに変更しました。演奏するごとに
彼らの人気は高まっていきましたが著名なアーティストになることは
ジャシンの目標ではありませんでした。彼は大学で取得した学位に
関連する仕事を選びました。彼は学位を取得した後も後も時々バンドと
共演続けましたが、1965年後半、彼はグループと音楽のキャリアを
完全に去りました。彼は水工学の技師として働き、スマラン（中部ジャワ）
を含む国内のいくつかの場所に住んでいました。
1990年代に退職し、現在はバンドンに住んでいます。

Nada Kentjana/ Nada Kentjana
Bali - RBL-107
https://iramanusantara.org/#/record/174

[40] mixiユーザー 08月28日 23:59

Moh. Jasinの伝記について訂正です。
誤　Toketjang（鶏の声）
正　Tek Kotek Kotek（鶏の声）

すみませんでした。

[41] mixiユーザー 09月26日 11:40

Orkes "Aneka Nada"dbp. Samsudin
Irama EP. 66 (7inch 45rpm)

A1. So Ino (Song Writer. JFR. Pattirane) Vocal. Samsidin
A2. Tiada Salah (Song Writer. Alfons/Yessy) Vocal. Alfons & Yessy
B1. Manisuku - Vocal. Samsidin
B2. Kampungku - Vocal Sam & Atjil

A1はエルビス・プレスリー風のロカビリー。A2はメランコリックで
叙情的な曲で、ちょっと南米のフォルクローレが入っているかも
しれない。B1はロックンロールで初々しい男性voがいい。
B2 Kampungku(私の村)は、郷愁と自然への愛をテーマにした
曲で、静けさの中、ゆらめくような不思議な感覚がすばらしい。

Kampungku Lyric
https://carichord.com/chord-band-aneka-nada-kampungku.html

Aneka Nada,Yanti Bersaudara, Bimboについて
Aneka Nadaは1962年にバンドゥンでSamsudin Hardjakusmah
(1942- )が中心となって結成されたバンドで、メンバーには
Yessy Wenas(quitar), Samの弟Atjil (vocal, guitar), Atjilの同級生
Iwan Abdurachman等がいた。ラテンやロックンロールの要素
のあるポップソングを演奏し、1964年にLokanantaより7inch（本作）
と10inch"Aneka Nada"をリリース。Kampungkuがヒットし、
インドネシア各地で公演を行った。
1965年にAneka Nadaが解散した後、Samは新しいプロジェクトとして、
3人の妹達によるコーラスグループYanti Bersaudaraの育成に力を
注ぐ。Yanti Bersaudarは60年代後半にAbunawas,Sinbadなどの
ユニークな曲で人気を博した。1967年、Samは弟のAcil(Atjil)、Jaka
とともにTrio Bimboを結成。当初国内では音楽性が認められず、
Remacoレーベルからリリースを拒否されたが、シンガポールで
リリースした1stLPが爆発的にヒットし、インドネシア国内でも注目
されるようになった。2ndLP以降の作品には、元Yanti Bersaudara
のメンバーで妹のIinが参加し、(Remaco倒産までは) Remacoレーベルから
リリースされている。

Listen
https://archive.org/details/iramaep.66

[42] mixiユーザー 10月24日 13:11

Remadja Bahana/Remadja Bahana
Lokananta ARI-109 (1964? 10inch)
60年代初期男声コーラストリオ。
ロックンロール、スウィングジャズ、
ドゥーワップなどがミックスされたノリノリ
な演奏が楽しい。息の合ったハーモニーや
複数のギターによるアンサンブルも見事。
ハートウォーミングで夢見るような
古きよき時代のムードも最高！
これも名盤です。
Listen https://iramanusantara.org/#/record/2583

[43] mixiユーザー 10月24日 13:15

Orkes Bukit Siguntang Bersama Nick Mamahit/Sedjuta Bunga
Irama LPI. 17511 (late '50s Indonesia, 10inch)
マーガレットに囲まれた眉毛の濃い女性のジャケットは
あまり美しいと思わないが、演奏がBukit Siguntangと
Nick Mamahit、Nur'AinやHasnah Taharが歌っているのだがら、
悪いはずが無い。Hasnah Tahar/ Volume Iが好きな人
にはバッチリでしょう。Sejuta　Bungaは「百万の花」という意味。
SP時代の雰囲気を色濃く残した古めかしいムラユ歌謡で、
アラブ音楽、タンゴなどが入ったパーカッシブかつメランコリック
な歌と演奏がとても味わい深い。
Listen https://iramanusantara.org/#/record/16

[44] mixiユーザー 10月25日 00:34

>>[42]
ベーシストの名前がスーパーマン！！！
いや、どうでもいいことですが。

>>[43] pirocmaniさん
これ、本当に　late '50s　なんですか。日本の歌謡曲（演歌やムード）の５～10年先を行ってますね。

[45] mixiユーザー 10月25日 07:14

>>[44]
コメント、ありがとうございます!
スーパーマンには気づきませんでした^^
Remadja Bahanaは日本でもエルスールレコーズ等で紹介されていて、少しは知られているようです。origもDiscogs等でまだ入手可能なようですよ。

Sedjuta Bungaは、個人的には古めかしい音だと思いましたが、ある意味先進的かもしれませんね。歌詞はわかりませんが、波止場、夜行列車、別離など日本のムード歌謡にもある言葉が出てきそうです。イスラム教の国ですから、歌詞に「酒」は無いでしょうね。

[47] mixiユーザー 10月27日 05:51

Sedjuta Bungaのリリース年について
田子内進氏の「ダンドゥットの成立と発展 (Ⅱ) ―オルケス･ムラユの発展とムラユ音楽―」
によると、Orkes Melayu Bukit Siguntangの全盛期は1954～1958年頃だということです。
ハスナ・タハルは50年代のムラユ音楽を代表する女性歌手と言われていましたが、
1959年エルヴィス・プレスリー等、ロックンロールの大流行とともに、
人気が低迷するようになってしまったと言うことです。
また、Nick Mamahit/Sarinande（LPI.17507）のリリース年が1956年(iramanusantaraによる)
Papaja Mangga Pisang Djambu(LPI.17522)のリリース年が1960年（wikipediaによる）
と言われています。
これらのことから、Sedjuta Bunga(LPI.17511)のリリースは50年代後半だと推測されます。

Orkes Melayu Bukit Siguntangにおけるアラブ音楽の要素について
Sedjuta Bungaにアラブ音楽の要素を指摘したのは、もしかしたら的外れだったかも
しれません。しかしガンブースのようなアラブ音楽そのものではありませんが、
B2”Ketjewa”等にアラブ音楽の何らかの要素が入っているように感じました。
前述の田子内進氏の論文によるとOrkes Melayu Bukit Siguntangのリーダー、
ハ・アリク（1920年ジャカルタ生まれ）は少年時代からオルケス･ガンブース
（アラブ音楽の演奏楽団）に夢中になり、若いときにいくつかのガンブースの楽団に
参加していたそうです。彼がガンブースの演奏経験から得たものが
Sedjuta Bungaにも反映されているのかもしれません。

[48] mixiユーザー 04月24日 14:32

Gumarang/Lagu Gumarang Jang Terkenal
Mesra LP1(1960? Indonesia)

オルケス・グマランは西スマトラ、ミナンカバウの民謡を
ラテン音楽風のモダンなスタイルで演奏し、Teruna Ria等と
共にインドネシアンポップスの大きな潮流を生み出したバンド。
1959年に女性歌手ヌルセハが歌った”Ayam Den Lapeh”
（私の鶏が逃げた）がヒットし、全国的に知られるようになった。
この作品はMesraレーベルの記念すべき1枚目のLPで、
彼等の最高傑作にして歴史的名盤。活気のあるラテン
パーカッションに加え、エレキギターも入っており、彼等の50年代
の作品よりもアレンジが凝っていて全編すばらしい内容。
版画のような手作り感のあるジャケットも最高です。

メンバー；Asbon(leader), Biduan Nueseha,
Juni Amir, Sajaiful Nawas, Suara Bersama
https://iramanusantara.org/#/record/159

ちなみにWikipediaには'58年リリースと書かれているが、Mesraレーベルで
この後にリリースされたDiah Iskandar(LP2,1963?), Dara Puspitaの1st
（LP4,1966）等のリリース年と比較検討すると、おそらく1960年頃の
リリースであると考えられる。

[50] mixiユーザー 08月01日 11:27

Mustikarama/Mustikarama Dengan Lagu Lagu Populer
Putri ACL-15(1962 Indonesia)
https://iramanusantara.org/#/record/55

ジャケットの時代がかった美女の写真が印象的だが、
演奏の方もラテン、スイングジャズ、ドゥーワップなどが
入った、何とも言えず古めかしい音で、ものすごくノスタルジックな感覚がある。
A1,"Neng Geulis"はスンダ民謡のスタンダードナンバーで、現在でも数多くのミュージシャンに
よって演奏されている。ちなみにカントリー&ウエスタンのアレンジで
最初に演奏したのはMs DS.らしい。
スイングジャズの入ったロマンチックなA2、
ラテンパーカッションが入ったノリのいいA4、B4など全曲高水準。
レーベルは知る人ぞ知るマイナーレーベル"Putri"。メジャーではあり得ないプリミティブで
鄙びた演奏なので、メジャーの洗練された音が好きな人は拒絶反応を起こすかもしれないが、
好きな人にはたまらない魅力のある作品だと思う。

https://iramanusantara.org/#/record/1378
SP時代に録音されたMs DS.によるNeng Geulis
A1の原曲と思われる。ゆったりとした時代の空気感がいい。

https://www.youtube.com/watch?v=yPQ0g5Rgc-Q
最近のバンドによるNeng Geulis。
ファッションも洋風とインドネシア風（スンダ風？）を意識してますね。

[51] mixiユーザー 08月01日 23:20

Parade Populaiaは1960年代初めにBaliレコードからリリースされた
ヒット曲のコンピレーション。1～4までありますが、
どれもすぐれた内容。二度とかえらない時代の空気と
名曲、名演の数々を楽しめます。
当時のプレス数は少なくなかったと思いますが、
現在では結構レアで、4枚とも入手困難です。

Various/Parade Populaia4
Bali RBL-111 (early '60s Indonesia)

A1はElly SrikudusのvoとIdris Sardiのヴァイオリンによる楽しいサンバ、
B1はElly Srikudusの伸びやかなfemale Voがすばらしいチャチャチャ、
B2は、Bing Slametによるラテン風の「黒い瞳」（ロシア民謡）
B3はTitiek PuspaによるAjam Den Lapeh（私の鶏が逃げた）
B4はOrkes　Kenanganによる、木魚のようなパーカッションの入るラテンムラユ歌謡"Dakotjan"。
名曲揃いのすばらしい10inchです。

ちなみに、B4の曲名Dakotjanの意味をしらべてみたら、"ダッコちゃん"のことでした（！）
https://iramanusantara.org/#/record/2174
B4の”ダッコちゃん”を聴いてみてください。
日本でダッコちゃんが流行ったのは1960年6月～12月頃とのことですが、
インドネシアでも一時流行っていたようで、Titiek Puspaの”Si Hitam”や
Idris Sardiの童謡のレコードジャケットにもダッコちゃんが登場しています。

[52] mixiユーザー 08月20日 20:16

Various/ Parade Popularia 1
Bali RBL-102 (10inch 1961)
https://iramanusantara.org/#/record/104

当時Bali Recordsからリリースされたヒット曲のコンピレーション。
A1は抑揚をつけて語るようなボーカルが軽快でおしゃれなラテン歌謡。
Bing Slametは当時非常に有名な歌手・コメディアンとのことだが、
この曲を聴くだけですごいセンスと才能だと思ってしまう。
A2はいい感じのギターソロが入ったドゥーワップ、A4は軽快なラテンで、
どちらもElly Srikudus（female）のボーカルがいい。
A3はNada Kentjanaの名曲。こんなにユニークな音楽が
当時ヒットしていたということが面白い。
B1はメランコリックなラテン歌謡で超名曲。Titiek Puspaは60年代中盤以降
こういったラテン系の曲が少なくなってしまうのが残念。
この曲はSP時代の音源を収録したものかもしれない。
B3は、南洋ムードが楽しくて可愛らしい曲。
B4も南洋ムード満載でIvoのしっとりとしたボーカルに癒やされる。

A1 Bing Slamet/Nurlaila
A2 Elly Srikudus/Serodja
A3 Nada Kentjana/Toketjang
A4 Elly Srikudus/Buah Manggis
B1 Titiek Puspa/Esok Malam Kau Kudjelang
B2 Rachmat Kartolo/Tirtonadi
B3 Elly Kasim/Salalauak
B4 Ivo/Kisah

最近やっとParade Populaiaが1～4まで揃いました！
（Vol.3のジャケが特にボロボロ）
当時のプレス数は少なくなかったと思いますが、
現在では結構レアで、4枚とも入手困難です。

[53] mixiユーザー 08月20日 20:29

Orkaes Tropicana/Kain Sungkit

Irama LPI.17544 (1962 Indonesia)
https://iramanusantara.org/#/record/762

Indonesiaラテン歌謡名盤中の名盤
当時の本場のラテン音楽からの影響は大きいが、インドネシアにしかない独特な音。
ふんわりとしたメロディーと深くまろやかな女性voがすばらしい。
そして全体がほの暗くまどろむような甘美なムードに包まれている。
A3、B3は西アジア～南アジアの伝統的なガゼル（恋愛歌）や賛歌の
要素が感じられ、ロマンチックで美しい。
この時代のインドネシアラテン歌謡で、これほどまでに
トワイライトメロウで甘美な音楽はあまりないと思う。
http://aozorakissa.la.coocan.jp/1960indo3.htm#tropicana

[55] mixiユーザー 08月21日 10:36

ここで紹介されているインドネシア音楽をレコードで聴いてみたい方もいらっしゃると思いますが、この時代のインドネシアのレコードは年々入手困難になっており、価格も高騰しています。

例えば世界中のレコードファンが参加しているDiscogsというサイトを見てみると、Teruna Ria – Bulan Dagoan（基本中の基本かつ名盤）が何枚か売りに出されていますが、まともなコンディションだと2～3万円もします。ちなみに、「持っている」人は12人で「ほしい」は20人しかいません。
https://www.discogs.com/ja/release/11998435-Teruna-Ria-Bulan-Dagoan

もっと後の時代の音楽はリスナーの数が多いようです。例えば1967年頃のガレージ系人気盤であるDara Puspitaの2nd LPは、「持っている」が27人、「ほしい」が241人もいます。
https://www.discogs.com/ja/release/6583608-Dara-Puspita-Dara-Puspita

この比較でわかるのは、1960年前後のポピュラー音楽のリスナーはかなり少ないということ。
そして市場に出るレコードが少なく、現地でも入手難なので高騰しているということです。

Hasnah Tahar – Volume I
これも必聴の名盤ですが、Discogsでは「持っている」は2人、「ほしい」がたった7人。マイノリティーですね～ｗそしてジャケ付きジャケが"G＋"で45000円というクレージープライスですｗ
Lagu Gumarang Jang Terkenalは何と10万円以上(^^;
https://www.discogs.com/ja/sell/release/15312007?ev=rb
アコギな業者がレア盤を買い占めて、値段をつり上げているようです。Discogsはその手の業者がほとんどです。（ごくまれに例外あり）
ebay（世界的なオークションサイト、"vinyl record indonesia"で検索）
にも売りに出されていますがすが、この5年間くらいで価格が高騰し、盤も枯渇しています。

日本で比較的入手しやすいのは、ヤフオクです。出品者のconjunto_fuerteさんは、ご存じの方もいらっしゃる思いますが、インドネシアやタイのレアなレコードをかなり良心的な価格で出品していて、試聴もできるのでお勧めです。

フランスのGroovy RecordはDiscogsの悪徳業者よりは安めの値段です。試聴できます。
https://groovyrecord.ecrater.com/c/2300200/asia-gambus-ghazal-dangdut-sunda

本格的に収集したい場合は良心的な値段で売ってくれるインドネシアのsellerを探すしかないと思います。有名なハードディガーの馬場正道さんは、昔からインドネシア現地でレコードを収集しており、現地のsellerを知っているので、今でも箱単位、キロ単位でレコードを買い、送ってもらっているようです。以前はジャカルタに一ヶ月部屋を借りてレコードを探したこともあったそうです。すごいですね。ただし誰にでもできる方法ではないと思います。
私の知る一番可能性がある方法はTokopediaです。インドネシアのオンラインマーケットで、インドネシア語で書いてあるのでアクセスしにくいですが、レコードを売りに出している人に連絡を取れば、日本に発送してくれる人が見つかるかもしれません。"piringan hitam Irama" あるいは"piringan hitam lokananta"等で検索するといろいろ出てきます。piringan hitamはレコード（黒い盤）Irama, Lokanantaはレーベル名です。
https://www.tokopedia.com/

ネットでもiramanusantaraなどで聴ける作品が多いですが、この時代の音楽は、やはりレコード盤でモノ針で聴いた方がずっと楽しいです。お気に入りの一枚が見つかるといいですね。

[56] mixiユーザー 08月23日 22:17

Orkes Chandralela/Gemah Ripah (1965 Remaco RL-013)
https://iramanusantara.org/#/record/3048
（IramanusantaraではsideBは視聴できません）
インド映画音楽の要素が入った曲と、インド的な要素が入っていないムラユ音楽の両方が
収録されています。個人的には、ダンドット風のムラユは好きではないので、
全曲好きなわけではないですが、とても好きな曲が何曲かあります。

A1 Gemah Ripahは自然の恵みについて歌った曲。しみじみとした
哀感のある女性vo、メロトロンを思わせる壮重な管弦楽が見事です。
A3　Bahtera Hidup（命の方舟）は大海に浮かぶ舟になぞらえて
さすらいの人生を歌った曲。ピチカートの入ったメランコリックな曲調と、
女性歌手Komariahの深みのあるボーカルがすばらしい名曲。
B1 Kala Subuh(明け方に)は、ドラマチックなタンゴのリズム、
ゴージャスなアレンジ、メランコリックなKomariahのボーカルがすばらしいです。
個人的にこのタイプの暗くてロマンチックでドラマチックな曲が大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=s_yub4SXYkM　（11:55）

リーダーのHusin Bawafieは、50年代末から60年代のムラユ歌謡を代表する作曲家、
ミュージシャンの一人。初期にはアラブ歌謡やタンゴの要素の入ったムラユを演奏していましたが、
60年代初め頃から、インドのポピュラーミュージックの要素を導入し、後のダンドゥットに
つながる音楽的潮流を生み出しました。インド映画音楽の要素を大胆に取り入れた最初の作品
と言われるOrkes Kelana Ria/Kafilah（1961）にもソングライターとして2曲提供しています。

Orkes Chandralela/ Irama Desaku (Bali Records RBL - 122)
https://iramanusantara.org/#/record/3366
B2,B4の暗くドラマチックでロマンチックな演奏、
悲壮感のあるメランコリックな女性ボーカルが滅茶苦茶かっこいい。
ジャケット写真の女性はGemah Ripaでも歌っている名歌手Komariahです。

OrkesChandralela/Senandung Djiwa
Bali - BER-015
https://iramanusantara.org/#/record/3361
A1 Senandung Djiwaが好きです。タンゴなのにクンダン（片面太鼓）が入っています。
これもドラマチックでロマンチックでメランコリックです。
Komariahのボーカルが最高です。

[57] mixiユーザー 08月28日 22:06

Tuty, Dicky, Max/ Djandji Tiada Bertepi
Bali RBL-121('60s 10 inchi)
https://iramanusantara.org/#/record/2177

ドゥーワップ、サーフなどの入ったポップス。Tuty Ahem & Dicky.Sの
Dianc(BER-011)と同傾向の作品で、ふんわりとしたビート、淡く瑞々しい空気感がいい。
アップテンポの曲も2曲やってます。
この瑞々しさは自分の中ではFrançoise Hardyの初期（Vogue時代）
に近い気がします。量産型のありきたりな歌謡ガレージとは何かが違う。
全曲いいと思います。
Discogs
https://www.discogs.com/ja/release/24336428-Tuty-Dicky-Max-Djandji-Tiada-Bertepi
bluskycafe
http://aozorakissa.la.coocan.jp/1960indo2.htm#tutydickymax

[58] mixiユーザー 10月30日 15:08

VA/PADANG MOONRISE: THE BIRTH OF THE MODERN INDONESIAN RECORDING INDUSTRY 1955-69 (2LP+7")
遂に出ました！
このトピックで紹介して来た1960年前後のインドネシアンポップスのいい曲ばかり集めた編集盤です。タイトルのPadang Mooriseは、おそらくKelana RiaのPadang Bulan(パダンの月)へのオマージュであり、Moonriseという言葉にはこの時代のインドネシアンポップスの再評価、復権という意味合いも感じられます。
選曲がすごいです。

1.Orkes Teruna Ria - Bulan Dagoan
　https://www.youtube.com/watch?v=lN3vJTzQKJ8
2.Yanti Bersaudara - Gumbira
　https://www.youtube.com/watch?v=h2R0AEpqo64
3.Orkes Suita Rama - Tepui Tepui
4.Band Nada Kentjana - Djaleuleudja
　https://www.youtube.com/watch?v=_pwRiH6R35M
5.Orkes Lokananta - Nganggo Telek Nang Krikilan
　https://www.youtube.com/watch?v=4N0JT5Ccz7A
6.Orkes Teruna Ria - Budjang Talalai
7.Orkes Kelana Ria - Ya Mahmud
　https://www.youtube.com/watch?v=jEQFfExNQ8M
　8.Orkes Teruna Ria - Geleang Sapi
　https://www.youtube.com/watch?v=vMGj-KIMsd4
9.Zaenal Combo - Ampat Lima Dalam Djambangan
　https://archive.org/details/remacorl5/B3.mp3
10.Zaenal Combo - Seruling
　https://www.iramanusantara.org/release/914
11.Orkes Kelana Ria - Sajang
　https://www.youtube.com/watch?v=ZvHvtHZjDto
12.Mus D.S. - Neleng Neng Kung
　https://www.youtube.com/watch?v=1H--Aur6yKM
13.Orkes Gumarang - Malin Kundang
　https://www.youtube.com/watch?v=snvs5Cx9-Zw
14.Orkes Tropicana - Pantjaran Kasih
　https://www.youtube.com/watch?v=pMukyGK2aS4
15.Orkes Teruna Ria - Tak Ton Tong
　https://www.youtube.com/watch?v=lmM4H9iICxk
16.Orkes Lokananta - Tari Bali
17.Orkes Kelana Ria - Emplek Emplek Ketepu
　https://www.iramanusantara.org/release/418
18.Mus D.S. - Ahai Dara
19.Orkes Kelana Ria - Semoga
20.Zaenal Combo - Kaden Sadje
21.Orkes Irama - Gendjer Gendjer
　https://www.youtube.com/watch?v=VH8Zkg7JuZg
22.Orkes Teruna Ria - Modjang Parahyangan
23.Orkes Sendja Meraju - Bubuj Bulan
　https://www.youtube.com/watch?v=uIkeRePLuzI&t=2s
24.Mus D. S. - Tautjo Tjiandjur
25.Nada Kantjana - Nelengnengkung
26.Ivo Nilakreshna - Ka Huma
27.Zaenal Combo - Tandung Tjina

ディスクユニオンの紹介ページ
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008564331

[59] mixiユーザー 11月01日 07:40

VA/Gembira Ria
Putri ACL-05 (early 1960s Indonesia)
男女ボーカルの入った長閑でチャーミングな南洋ラテンPops
Gembira Riaが3曲 ( A2, B2-B3), Rica-Rinoが4曲(A1, A3-A4, B1), Pusaka Nada が一曲(B4)演奏しています。

Teruna Ria、Kelana Riaといった当時メジャーだったグループでさえ、現在ではかなり認知度が低いのですが、マイナーレーベルPutriのGembira Riaはさらにオブスキュアな一枚。もちろんPadang Moonriseにも収録されていません（笑）
演奏も録音状態も滅茶苦茶素朴でローカルな感じですが、人懐っこいメロディーが可愛らしく魅力的です。美術でたとえたら、アンリ・ルソーやピロスマニなどの素朴派（ナイーフアート）でしょうか。
メジャーではあり得ない別次元の素朴さなので聴く人を選びそうですが、
Cancion Respuesta II Festival (スペイン)、Maher Sharal Hash Baz、Bridges などの素朴でキュートなフォーク/ポップスが好きな音楽ファンは気に入るかもしれません。
好きな人にとっては、たまらなく魅力的な一枚だと思います。
https://www.iramanusantara.org/release/618

ログインすると、残り25件のコメントが見れるよ