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お金のない社会コミュの少年が世界平和とお金のない世界を目指す(6)

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小説の下書きです(39)


次の特別活動の授業では先生があらかじめプリントを生徒全員の机に配っていた。そのプリントには生徒たちに考えて欲しい内容が書かれていた。

「このあいだ、みんなの意見を聞いてとても参考になりました。ありがとう。きょうは先生とみんなが一緒に考えて欲しいことを書いてプリントにしました。これはみんなの意見と稔君からもらった提案書を参考に書いたものです。一度先生が読むから一緒に目を通してください」


〜〜〜〜〜〜〜


世界平和はなぜ実現しないのか?
それは大きな錯覚から来ているのかもしれない。


自愛や愛国心。
自分が第一 自国が第一
それは
自分さえ良ければ良い
自国さえ良ければ良い


愛の勘違いだったのかもしれない。
愛はすべてを大切にする心。


自分を大切にしたいのなら周りの人を大切にすること。
周りの人を大切にすると周りの人は自分を大切にしてくれる。


自国を大切にしたいのなら他国を大切にすること。
他国を大切にすると他国は自国を大切にしてくれる。


お金の要る経済活動は自分や自国を最優先に考えてしまう。
自分が幸せにならないと周りの人を幸せにしてあげることが出来ない。
できれば世界中が一緒に幸せになったほうが良いんじゃないか。


〜〜〜〜〜〜〜


「ざっと読んだけどわからないところはありますか?」
「大きな錯覚って何ですか?」「たとえば自愛と愛国心で言うと・・・ところで『愛』ってわかるよね?」「え〜っと、好きってことですか?」「それもあるけど、大切にする心なんだよ」「へ〜」「続けるよ、自愛は自分を大切にする、愛国心は自分の住んでいる国を大切にする。ここまでわかるね?」「はい」


「自分を大切にするために他人を犠牲にしたり自分が住んでいる国を大切にするために他国を利用して自分の国の利益ばかりを追求する。ここまでわかりますか?」「はい、なんとなくわかります。このあいだテレビでTPPのニュースを見ていたとき父さんが『日本が損をしないように交渉してるのか?』って言ってました」「これも愛国心からくるんだろうね」


「これのどこが大きな錯覚なんですか?」「では、続きを読むよ。自分さえ良ければ良い、自国さえ良ければ良いという所です」「自分さえって考えている人は少ないと思いますよ」「では、貯金を考えてみるよ。みんなは貯金をしていますか?」「お年玉はまだ少し残ってます」彼の言葉で大爆笑を誘った。


「世界中に貧困や飢餓があるのは知っているよね」「はい。授業で習いました」「貧困や飢餓の人たちから見たらどうだろう?」「でも、貯金していないと困ることになるよってお母さんに言われたよ」「そうだよね。これは当たり前のことだよね。自分さえ良ければ良いって思っていないのにお金が無くて生きることさえ出来ない人たちから見たら?」「貯金するお金があるなら分けてくださいって言うでしょうね」


「そこなんだよ。提案書を読んでみてみんなにも考えて欲しかったことなんだよ」「自分が良くなるために誰かを犠牲にしてはいけないってことですか?」「そうなんだよ」


小説の下書きです(40)


先生は生徒たちに言いたかったことはまだあったようです。
「君たちにもう一つこれから連想してもらいたいことがあるんだ。それはね、いじめの問題なんだ」「いじめの問題と関係あるんですか?」「この文章を考えて欲しいんだよ『自分を大切にしたいのなら周りの人を大切にすること。周りの人を大切にすると周りの人は自分を大切にしてくれる』」


「いじめることは人を大切にしないからですか?」「そうだね、さっき『愛』の話があったよね。嫌いな人は愛せないって。愛は大切にする心とも言ったけど。『敵を作らない』ということを言いたかったんです。これは稔君の意見を参考にしました」


「敵を作らないほうが良いって、どういうことですか?」「それはね、敵を作るとやっつけたくなるんだよ」「味方は大切にするけど敵は大切にしないってことですよね」「そうなんだよ。きらいな人でも敵ではなかったらいじめたりすることはないんだよ」「そっか〜!」「世界でも敵がいなかったら戦争だって起きないだろ?」


生徒たちは世界平和の話からいじめの話に納得がいった。


「稔君はインターネットで大人の人たちとほかにどんな話をしたんだい?」「世界平和は戦争をしないことだけど、敵を作らないためには家族のように必要としあう関係が良いって言うことでした。人様に迷惑をかけてはいけないことも大切だけど人が喜ぶことをしようというのも大切だって」


「稔君が言ったように学校では人に迷惑をかけてはいけないって教えるけど人が喜ぶことをしようと積極的に教えなかった気もするよ。これは教育委員会にも提言しようと思う。そこでみんなに提案なんだけどね、稔君を国連へ行かせようと思うんだ」
「え〜!」生徒全員がビックリして驚きの声をあげた。この世界平和の提案書は稔君の大人の友だちが作ってくれたものだけどね、稔君が国連で発表するために作ったそうなんだ」


またまた生徒たちは驚いた。
子供が国連へ行くなんて、誰も思ってもいないことだったからである。


「君たちの未来のためにも世界平和を実現したいし、僕たちの仲間が国連で演説をする姿を見たいじゃないか」「はい!賛成で〜す」教室は歓声と拍手で満たされた。


小説の下書きです(41)


「そこで、みんなにお願いがあるんだ。インターネットを使って世界平和の提案書を拡散してもらいたいんだよ」「どうすれば良いんですか?」「スマホでもパソコンでも良いから提案書を見てもらえるように働きかけるんだよ。そして『僕たちの仲間が国連で演説できるように協力してください』ってね」「なんか難しいことでもするんじゃないかって思っていたけど、こんなことなら簡単だから誰もが出来ると思います」


教室の仲間たちは稔の提案に賛同して協力をしてくれることになった。
稔は帰宅するとさっそくインターネットを開いて仲間に報告文章を書き込んだ。


「みなさん、学校でクラス全員がインターネットで世界平和の提案書を拡散してくれることになりました」書き込んだあとしばらく待っていたが誰も書き込みが無かったので電源を切って宿題を済ませることにした。


数時間後インターネットでは素子と美佐枝が会話を始めていた。


「稔君ご苦労様。朗報をありがとう」「稔君が学校で活躍しているみたいですね」「そうね、提案書の拡散は私たちもやっているけど学校の仲間たちも参加してくれれば広がりは早いですね」


そして幸夫も栄治も会話に加わった。


「稔君やったじゃないか」「提案書の内容も良かったんじゃないですか?」「そうかな〜?」「そうですとも、あの内容だったら私も取り上げてもらえると思いましたよ」「ところで、稔君はどうしているんだろうね」「勉強もあるし大変でしょうね」「私たちも拡散以外に何か出来ることは無いかしら?」「幸夫さんが以前いろんな所に提案したことがあるって言われましたよね」「循環型システムの提案とか各政党やテレビ局に出したけどね」


「世界平和の提案書も出したらどうでしょう?」「みんなで出したら取り上げてもらえるかもしれませんね」「それぞれ分担して提案書を出しましょうよ」「そうですね、テレビ局と各政党、それに国連関係や世界平和を訴えている団体とかのホームページを探して一覧表にしてみましょうか?」「まずそれからですね」「こんにちは」「あら、稔さんこんにちは」


稔が参加した。
「次の作戦会議ですか?」「そうだよ、稔君が学校で頑張ってるから僕たち大人も頑張らなくっちゃね」「ありがとうございます。学校では先生が教育委員会へ提案するとかクラス全員がインターネットで拡散しようということになりました」「すごい成果だよね。だからこそ僕たちも頑張らないといけないよね」


世界平和の提案書が拡散され、政治家やテレビ局などに提案投稿されることになりました。



小説の下書きです(42)


翌日、幸夫が各政党とテレビ局のブログを探し出し一覧表を作って提示した。
「幸夫さんご苦労様です。ありがとうございます」「稔君、こんにちは。各政党とテレビ局への提案投稿は僕と栄治君と素子さんと美佐枝さんの4人でやるから稔君はこの一覧表にない所を探してくれないか?」「はい、わかりました」


その日はこれからの行動を確認しあった。
いまの政治家が興味を持ってくれるのか?
政治家は理想を語るが理想を実現する気はない。
それは立候補するときの政見がいつまでも実現しないことで実証されているからである。
それは参加者みんなが理解していることではあったが、やれることは何でもやってみることに異論は無かった。


テレビ局へ提案投稿するとブログのアクセス数が異常に増えていることがあった。あきらかに関係者が訪問して確認していることがわかった。
各政党への提案投稿は相変わらず「ご提案ありがとうございます。参考にさせていただきます」などお決まりの返事で対処していた。


「皆さん、その後の反応はどうですか?」素子がコメントを入れた。
しばらくして栄治が「応援していますよってけっこうコメントがありましたよ」「それは良かったですね。私のブログでも応援メッセージがありましたよ。ほかの人たちのところも支援者が多いといいですね」「楽しみです」


しばらくして稔が「学校でこんな話がありました。それは友達のお父さんがテレビ局で働いているんですけどね、テレビ局で話題になって僕を取材したいって言うことになりました。どうしたらいいですか?」栄治がビックリして「それはまたとないチャンスじゃないか」素子は「稔君、良い話だけどご両親に相談してから返事したほうがいいですよ」と返事を書いた。


「やっぱりそうですよね。お父さんとお母さんに言ってから決めます」
稔は父親が単身赴任で県外にいるのでいつも相談事はメールでやり取りをしていた。
さっそく事態の経緯を書いてメール送信して返事を待った。


しばらくして父親から返事が届いた。
「元気そうで何よりです。大体のことはわかったよ。お父さんは稔君がこんなに真剣に取り組んでいることが嬉しいよ。お父さんは大賛成だよ。お母さんにも了解をもらわなきゃいけないよ。取材する人が家に来るかもしれないからね。それから『お父さんは大賛成』と言っておいてね」
稔は「ありがとう」と返事メールを送った。


母親にも了解をもらってから稔はインターネットの仲間たちに報告した。
「みなさん、お父さんとお母さんに了解をもらいました。明日学校で友達にOKの返事をします」


ローカルのテレビ番組とはいえ、多くの人に知ってもらえるきっかけになる可能性が出てきた。


小説の下書きです(43)


稔は学校へ行くとさっそく友達に取材OKの話をした。そして担任の先生にも報告すると「良かったな〜、頑張れよ。応援してるからな」と言ってくれた。


翌日テレビ局から稔の自宅へ電話がかかった。
「テレビ局のものですが、希望さんのお宅ですか?」「はい」「稔君のお母さんですか?」「はい、そうです」「取材の承諾をしていただいてありがとうございます。3日後の夕方7時から二時間伺いたいのですがご都合はよろしいでしょうか?」「はい、いいですよ」「でわ、よろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いします」テレビ局の取材日時が決まった。


その日の夕方学校から帰った稔はお母さんから「テレビ局の人から電話があって、3日後の夕方7時から二時間取材に来るってよ。部屋の掃除をしておいてね」と言われ「うん。わかった」と自分の部屋に行った。


稔は部屋に入ったとたんパソコンの電源を入れた。
「どうしよう。どうしよう」とつぶやきながら。
いつもの掲示板を開いて「みなさん、ついに取材の日にちが決まりました。3日後の夜です。何を話していいのかわかりませんあせってます」と書き込んだが誰もコメントを書いてくれなかった。


その夜パソコンを覗いてみるとみんながコメントを入れていた。


「稔君よかったね、あせらなくても大丈夫だよ」「ついにやってきたね。思っていること話せば良いよ」「大丈夫よ。ここで話すように話せば良いのよ」「カメラに向かって話しちゃダメよ。質問した人の目を見ながら話してね」「みなさん、ありがとうございます」


そして3日後その日が来た。
「こんばんは。テレビ局のものですが」「は〜い」
稔のお母さんが玄関に迎えに出た。お母さんは昼間のうちに美容院で髪のセットとメイクをしっかりしていた。


「こんばんは。きょうはよろしくお願いします」男性カメラマンと女性レポーターの二人が玄関の前に立っていた。
「こちらこそよろしく、どうぞこちらへ」と二階の稔の部屋に案内した。


「稔君こんばんは」「あ!はい、こんばんは」「よろしくお願いしますね」「はい、お願いします」稔は緊張して深呼吸をした。
「稔君は星が好きなの?」「はい」レポーターは稔の緊張をとぎほぐすように部屋の写真を見て言った。


「僕は宇宙が好きで天体写真なんか飾るのが好きなんです」「そう、いいわね〜」「これがプレアデス星団でこちらがアンドロメダ星雲です。そしてこっちがオリオン大星雲です」「まあ、きれいな色ね」


レポーターはカメラの準備が済み、稔の緊張もほぐれたところで稔の前にマイクを差し出して「ちょっとテストするからお話してくれる?」「はい」「マイクの音量を確かめないとね。きょうは二人だけだから大変なの」と笑って穏やかな雰囲気になった。


「それでは稔君に質問しますね」「はい」
取材が始まった。

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