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うえのりゅうじコミュの『流』

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 川にうかんで

 海まで流れていって

 人の死を見て

 人の愛を見て

 自分を映して

 地球と同化して

 ナイフを胸から抜いて

 空を見て

 星を見て

 月を見て

 流れてゆく雲を見て

 歩いて

 止まって

 最後に自分の手を見る

(96.9/2)

コメント(11)

解説。
最初はどうしてもこの作品にしたかった。
高2の時、自分の詩作のターニングポイントになった作品です。
もとはB5ノートに手書きで縦書き。行間の味、手書きの味がかなりポイントになってる作品なんで、PC再現するのに苦労しました(まだ若干納得いってない)。
閑話休題。
当時付き合ってたコと別れた夜に、enyaの『Storms in Africa』って曲を聴きながら、半ばトランスした状態で書いた詩です。
後日それを見直して、僕はその出来に驚き、そしてヘコみます。
何故ヘコんだか。
それは何にも考えずに書いたから。
当時の僕は、こだわりにこだわった文章を書いていました。
1文字1文字考えて、ひねり出して、推敲して推敲して。
そうして積み重ねてきたものは、しかし無意識下から生まれたこの詩の足元にも及ばなかったのです。
それは大きなショックでした。
僕はこの作品で一度、作家になることを諦めています。
しかしそれでも書き続けました。
いつかこの詩を書いた時の感覚を自在に操れるようになる為に。
たっぷり5年はかかって、僕はようやくこの感覚をモノにしました。
アタマと筆を完全に一体にして、思いつくままただ書く感覚。
そこには果てしない開放感がありました。
今の作風のきっかけになった作品です。
おかげで計算した文章は全然ダメになっちゃったんだけどね。
そんな感じです。
ちなみに当時の原題は『無題』。
僕はどうしてもこの作品にタイトルを付けられませんでした。
『流』と付けたのは確か一昨年あたり。それだけ思い入れの深い作品です。
ちなみにメロディも付けました(笑)。全編ファルセットで歌われる気持ち悪いメロディですが、こいつぁ聞かせられねぇや。
若干納得いってなかったので、いっそアタマを揃えてすっきりさせてみました。
 この詩を見せられたとき、なにかとんでもないほどのさびしいエネルギーを感じました。
 流れていってどこまで流れていくのか判らない流れをたどって、それは絶望であったり、夢であったりするのだけれど、
 はるかどうしようもない力への服従だったりもするし、
 田舎から東京へ出てきた人間の期待と挫折でもあるだろうし、
 少年の「汚い大人になんかなりたくねえ」という叫びが、実はその言葉さえ大人が作ったものだと気づく前に大人になってしまうようなものかもしれないわけだけど、
 身も心もすべてが使い古されたあと、ふと立ち止まり、黙って手を見つめる。
 この体しか結局はない。
 この詩に、僕は、流れというよりも、その行き着く先の淀みにも似た印象を抱くのです。唯一という自己の呼称と、ほぼ同じ意味を持っているような、その淀みこそが自分の存在を表しているような、そんな気がするのです。

 すみません。変なこと言っていますね。仕事中なので、仕事のせいにします。
>禁酒
感想ありがとう。フラれた夜の作品だし、きっと寂しさエネルギーがこもりまくってたんだろうね(笑)。

でも僕は逆にこの詩にあったかさを感じます。
水のあったかさ
愛のあったかさ
地球のあったかさ
自分の血のあったかさ
みたいな。

>この体しか結局はない
ってことは裏を返せば『この体がある』ってことで、色々あったけれどもやっぱり僕は歩いていくよ。みたいな、後ろを気にしつつおずおずと前向きな印象があります。
僕にとって自分の手を見るという行為は自分の確認で、自分を見極めた上で自分の精一杯を生きるという、あくまで前向きなものと捉えています。

なんかとりとめもない感じになっちゃった。ま、いいや。
>こうちゃんさん
感想ありがとうございます。自分でも思い入れの深いこの作品。何かが伝わったんだなーと思うととても嬉しいです。

>人であることから離れて、
 突き抜けた温かさで世界を見てる。
 そして最後に人であるところへ戻ってくる。

名文ですね。全くその通り!同じ感覚です!作者自身も言葉に出来なかったのに。やるなぁ(笑)。

ナイフ〜の一行は確かに異質ですよね。青い世界にここだけ赤い。こうちゃんさんの言葉を早速借りるなら、ここが人に戻ってくるきっかけになってる気がします。
美しい言葉の羅列にしたくなかったんでしょうね。風そよぐ草原は美しいけれど、草いきれの匂いは強烈なんです。美しさを描くならそこにも言及しなきゃいけない。そーゆーことです。

タイトルは・・・僕の一生の課題でしょうね。ちなみに『流』と付けたときの第二候補は『る』。漢字にするか平仮名にするかで相当迷いました。
こうちゃんさんのおっしゃる通り、「て」で繋いだのもいい所だと思うんですけど、僕としては「見る」で終わるのがなんか好きなんですよ。で、その「見る」の「る」と流れの「流」をかけて付けたんですが・・・の時点でなんか技巧に走ってるもんなー。むぅぅ。

とりあえず5年後10年後の自分に託すことにします。でも考えれば考えるほどダメな気がする。むしろ10年前の自分のケツを叩いてやりたいなぁ。
僕も小学校の頃とか駄洒落ばっかり言ってました。
詩の語感はそこから鍛えられてゆくのかも知れんですね。

シンプル。そうっスよねー。だけどそれが難しい。今パッと浮かんだのは『流れる』。うーんシンプル。でも少し違う感じもある。思い入れも深いだけにシンプル化もなかなか・・・。

あとついでに。
こないだ夜中にぼんやり考えてて、
『ナイフを胸から抜いて』
は、生きる意志なのかなとか思いました。
そこで「やっぱ生きよう」となる。
前後であったかさが変わるのはそこの前向きさかな。と。

自分の詩を分析するのってなんか変な感じ。
人としては死んでしまう
人としては、ってのがいいスね。

説明しきれないものに限って、いいんですよね。
2行目からずっと、最後が『て』で終わっていて、そして最後に『手』が出てくる。

計算したわけじゃないんだけど、そーゆーところもこの詩のリズムを産んでいる一因なんだろうな、とふと思ったりしました。

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