ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

うえのりゅうじコミュの小噺『どこにでもあるカレンダーのどこにでもあるベタな話』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
(友人のイラストカレンダー発売記念イベントで演らせていただいたたものを加筆修正しました)

(前置きがちょろっとあって)今日はカレンダー発売記念ということで、ちょっとカレンダーにまつわるお話をさせてもらおうかな、とこう思ったわけです。まあ別にどこにでもあるカレンダーの、どこにでもあるベタな話なんで、みなさんどうかゆるっとお聞きください。

カレンダーというものはもう皆さんご存知だと思うんですけど、まあ色んなのがありますよね。なんかのどかな風景の絵だとか写真だとかのやつとか、ディズニーのキャラクターのやつとか、グラビアアイドルが季節に関係なく水着になってるやつとか、あとはまあ、可愛いイラストのやつとか、ね。
でもまあそんなに色々ある割に、書いてある内容はというとまあだいたいどれも似たようなお話なんですよね。登場人物なんかもうどれ読んでも一緒!1月から12月までが出てくる。いやいやもうワンパターンにも程がある。毎年毎年一緒なんですからね。

で、まあモノにもよりますけどこう1ページ目をめくってみるとですね、だいたい1月と2月のキョウダイがこう、同じページに同居したりしてるわけですよ。兄の1月、妹の2月。それで・・・

あ、

ちなみに月の男女の見分け方って知ってますか?そう。月にも毎月男と女があるんですよ。
人間だったらまあ顔見りゃだいたい分かりますけど、月の場合はそうもいかない。顔見てみてもまあせいぜい1日が日曜日か月曜日かぐらいのもんで、パッと見ほとんど一緒ですからね。
じゃあどうするか。
ちょっと下世話なハナシになって申し訳ないんですけど、おしりの辺りを見るんです。で、おしりのあたりにちょっと余計なものがぶら下がってるのが、男の子なんですよ。と、1月と2月を見比べてみる。1月のほうにはちゃんと立派な「31日」がぶら下がってるでしょ?だから1月は男の子なんです。2月は女の子。それも他の子に比べてちょっとおしりのちっちゃい女の子ですね。

・・・いやいやすいませんちょっと話がそれました。1月と2月のキョウダイの話でしたね。
でまあ、こーゆー話に出てくる男女のキョウダイってのは、だいたい血が繋がってなかったりするもんですが・・・残念ながら1月と2月も血が繋がってないんですね。そしてさらに残念なことに、二人はお互いに淡い恋心を抱いたりしてるわけなんです。いやあ実に面倒くさい!
着替えてるところにうっかり入ってしまったり、両親の旅行で二人っきりで留守番することになったり、保健室でついついキスしてしまったりみたいなベタなイベントを一通りこなしてしまうとですね、いよいよ第一のクライマックス、告白の日が来るわけですよ。

「お兄ちゃん!あたし、お兄ちゃんのことが・・・」
「やめろ2月それ以上言うんじゃない。俺たちはキョウダイなんだぞ」
「そんなの関係ないよ!」
・・・いやぁ突然すいません。ちょっと落語っぽくしたかったんですよ。で、落語と言えば一人二役とかやるじゃないですか?でね、僕の一人二役の引き出しを開けてみたら、なんかこんなのしか入ってなかったんです。ちょっとウザいですけどまあもうちょっと辛抱してお付き合いください。
「どうしてダメなの?あたしがブサイクだから?」
「そんなことない。2月はとても魅力的だよ」
「嘘だ。お兄ちゃんはいいよね。元日とか成人式とか、華やかで人気もあってさ」
「2月にだってちゃんと祝日はあるじゃないか」
「だって、あたしなんか建国記念日だよ!?全然地味じゃん!」
「そんなことはない。いいか、もう一度だけ言うぞ?お前はとても魅力的だよ」
「1月お兄ちゃん・・・」
「に、2月・・・」
「・・・」
「・・・ゴクリ」
「んーー(とキスをせがむ)」
「・・・んー・・・はっ!!3月!!」
さあこれから!というところで、隣に住んでる3月に目撃されてしまうんですね。

1月と2月の隣には、3月と4月が、同じようにキョウダイで住んでいました。兄の3月と妹の4月。
でまあ、こーゆー話に出てくる男女のキョウダイってのは、だいたい血が繋がってなかったりするもんですが・・・残念ながら3月と4月も血が繋がってないんですね。そしてさらに残念なことに、二人はお互いに淡い恋心を・・・抱いたりしてくれてればまだ良かったんですけど、3月と4月は1月と2月のことが好きだったから大変なんです。
古くはシェイクスピアの時代から、男女を二組用意してちょっと恋の矢印を絡ませてあげるだけで、悲劇なり喜劇なりが出来上がるわけですが、さあ彼らはどうなってしまうんでしょう。

3月は年度末ということもあってとてもナイーブでした。1月と2月のラブラブシーンを見てしまったショックで寝込んでしまいます。4月はというとまあ4月バカというくらいであまり細かいことは気にしない性質なんで、案外平気でした。
1月と3月はそれまでは親友だったのですが、二人の友情も崩壊です。1月もこう、どっからどこまでが正月休みなんだみたいなところがありまして、やっぱりとても繊細だったので、3月との友情と2月との恋の狭間で思い悩みます。
何組もの結婚式を見守ってきた6月おばさんに相談したりもしたのですが、結局どうしていいかは分からずじまい。ちなみに5月おじさんにも相談したんですけど、5月おじさんは五月病でなんの役にも立ちませんでした。
そんなわけで1月は一人で悩みぬいた末、2月を置いて、一人自分探しの旅に出ることにしました。

夏の王国も越えてはるか遠くへ。2月が追ってきても正体がバレないようにと丸い仮面をつけて、1月は10月と名を偽って祖母の9月、通称セプテンばあさんのもとへ身を寄せました。
穏やかな秋の日々に、1月、いえ10月の心は少しずつ癒されてゆきました。しかし心が平穏を取り戻されるにつれ、やはり思い出されるのはあのおしりのちっちゃい2月への恋心でした。彼はどうしても2月を忘れることは出来ませんでした。しかし10月となってしまった今、もう2月のところへ戻る術はありません。時間は戻すことが出来ないのです。彼は悩みました。そして、セプテンばあさんが止めるのも聞かず、時間を戻す秘法が眠ると言われる禁断の冬の国へ旅立って行ったのです。

ようやく辿り着いた冬の国の入り口は、一面真っ白な猛吹雪でした。1月はずっと自分を偽ってきた「0」の仮面を脱ぎ捨てました。すると目の前に、1月と全く同じ姿をしたもう一人の1月が現れたのです。
猛吹雪の中、もう一人の1月は1月の気持ちを試すようにじっと黙って1月の前に立ち尽くしました。それはほんの一瞬だったのか、一時間だったのか、或いは一ヶ月だったかもしれません。とにかく1月にとっては長い長い時間が過ぎました。
吹雪の寒さに朦朧とした1月がついに一瞬意識を失い、はっと意識を取り戻した次の瞬間、さっきまでの吹雪は嘘のようにぴたりと止み、さっきまで目の前にいたはずのもう一人の1月は跡形もなく消え去っていました。そしてそのかわりにそこには、あのおしりのちっちゃい2月が立っていたのです。

二人はようやく一つになれました。
1月と2月はもう二度と離れないようにきつく抱き合い、そして12月になりました。やがて12月には両親そっくりの男女の双子が生まれ、彼らがまた新しい一年の物語の主役になるんですが・・・、
まあちょっと長くなってしまうんでそれはまた次の機会ということにさせていただいて、
ここからは、唯一の男子の兄弟、7月と8月による夏の王国の跡継ぎ争いのお話を・・・あ、これもちょっと長くなりそうですね。これもまた次の機会ということにさせてもらいましょうか。

どこにでもあるカレンダーの、どこにでもあるベタなお話でした。

コメント(5)

あさかちゃんからの「なんかやって」という驚愕のオファーを受けて実現した企画でしたが、とてもたのしかったです。

一週間という準備期間の短さが逆に良くて、久しぶりに作品作りという行為に真剣に没頭しました。

1と2が12になるのとか、男女の見分け方とか、セプテンばあさんとか、面白いアイデアがどんどん出てきたしね。

練習不足で本番の出来が個人的には60点ぐらいだったのが、まあ悔いの残ったところ。。。
>室さま
いぇーい!ありがとう!

皆様の褒め言葉が、私の創作の糧でございます。。。
ちなみに「そんなの関係ない」のところで流行りのネタを挟むという案もあったんだけど、やめておきました。おっぱっぴー。
そう言えば、1月の目の前にもう一人の1月が現れるところは、エンデの『はてしない物語』からのオマージュです。

1月の前に1月が現れて11月になってるんだけど、ちょっと聞いただけだと分かりにくいかもだね、とか思ったり。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

うえのりゅうじ 更新情報

うえのりゅうじのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。