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うえのりゅうじコミュのアウトプット

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なんかどこかにアウトプットしといた方がいいのかなーとふと思ったので、長くなりそうだけど書き残しておこう。たぶん様々なことをまとめられないままにアウトプットすることになるので読みづらいだろうけど、そこもまあ気にすまい。

ここ5年くらいずっと舞台をやってきたんだけど、ちょっと距離を置くことにしました。

まあ理由はいろいろあるんだけど、一番きっかけになったのは去年関わった二つの舞台。一つは春にやった自作『もののふたり』。自宅でネタ作りをするお笑い芸人二人、という二人芝居。もう一つは夏に演出助手として関わったrorian55?という団体の『えっとおいらは誰だっけ?』。

今まで役者やら演出家やらをやってきて、僕はずっと小さな違和感を感じ続けていた。それは『どうやったら自分の面白さを出せるだろう?』ということ。

演じるということは、自分とは違う人になりきる行為なわけで、その中で自分の魅力を出すということは、実は矛盾する行為であると言える。演じようとすればするほど、自分とはかけ離れてゆくし、逆に自分の良さを出そうとすればするほど、役とはかけ離れた自分に成り下がってしまう。まあそこは折り合いをつけながらベストな所を探していく面白みが演技の醍醐味だといえるんだろうけれど、僕はその違和感を拭うことができなかった。

自作で僕は、植野龍二という自分自身を演じた。それは、演じることを追求してきた結果、演じないことに辿り着いた僕の一つの結論で、その心地よさと解放感は今まで感じたことのないものであった。確かに演じながら、同時に自分を出し切ったという満足感。それは今までの演劇体験では一度も味わったことのないものであった。

作品を作るという行為は自分と向き合う行為であるといえる。自分と向き合い続けた自作の製作過程の中で、僕は僕の一番の持ち味に気がついた。それは『言葉』。自分の言葉のセンス、それが僕の一番の武器だと思った。そしてそれが一番の悲劇であった。

舞台には台詞というものがある。しかし、自分の一番の武器が自分の言葉だと気がついてしまった僕は、『他人の言葉を自分の言葉であるように上手に喋る』ということに意味を見出せなくなってしまったのだ。それは演じるという行為そのものを否定することだった。

そこに気がついて、しかしその気持ちの整理がつかないまま臨んだrorian55?の舞台は、終始苦痛そのものであった。稽古場では何度も代役で入っのだが、そのたび毎回死にたくなった。僕はもう他人の言葉を上手に喋ることの出来ない体になってしまっていたのだ。数々の賞を受賞した有名な戯曲だったのだが、それも全く面白いとは思えず、しかし立場上誰にもそんなことは言えず、今さら降りることも出来ず、頑張ろうだとか絶対面白くなるからだとか、嘘ばっかり言ってる自分がどんどん嫌いになっていった。奇しくも戯曲は、嘘が嘘を呼んでゆくドタバタコメディー。しかし劇中の誰よりも嘘を付いていたのは僕だった。こんな喜劇があるだろうか?

本番の舞台裏でお客さんの笑い声を聞きながら、僕には何の感情も湧いてこなかった。本当に、何も。僕があの作品の中に残したものは決して小さなものではなかったけれど、あれは僕の作品ではなかった。少なくとも僕はそうは思えなかった。そしてそれが全てであった。表現者としてまったく何も得るもののないまま、僕の夏は終わったのだ。その喪失感と虚脱感。それは半年経った今も僕を苦しめている。

しかし、僕にとってはもはや苦痛でしかない『演じること』が『解放』になっている人もたくさんいる。『えっとおいらは誰だっけ?』のキャストたち、とりわけ女優陣はみんなそういった類の人たちだった。演じている時が一番輝いている。迷いながら惑いながらも、魅力的に演じる彼女たちを見て、『演じる』ではこの人たちに敵わないなと思った。嬉々と演じる彼女たちの魅力的な笑顔を見て、僕ははっきりと、もう舞台は辞めようと思ったのだ。

そんなこんなを経て、今僕は新しいことをはじめようと目論んでいる。それはとても困難な道だけれど、やってみようと思っているし、やれるとも思っている。

表現者として前に進む前に、今の想いを書き残しておくべきだとふと思ったので、長々と書き残してみました。・・・なんか後から読んで自分で後悔しそうな文章だけれど、まあいいや。

(09.1.12の自ブログより転載)

コメント(3)

この想いだけは決して忘れてはならないと思ってブログに書き残したもの。

半年間考え続けてきたことのありのままを、無造作に、飾りっ気なしに吐き出すことの出来た文章だと思っている。

これからも、時々見返して、時々思い返そうと思う。
久しぶりに読み返した。『演じること』に対する想いは、また少し変化しているけれど、またときどき読み返してみようと思う。
久々に読み返してみた。

なんや俺偉そうなこと書いてるなーと思った(笑)

あれから1年ちょい。元気にやってます。

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