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折口信夫コミュの釋超空の歌の感想と珍想と迷想 その2

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2.きずつけずあれ・・・

そもそも、私が知っている歌人は釋超空だけ。

それも、私がこの人を知ったのは、大学受験雑誌「蛍雪時代」に、この人の詩が
たまたま掲載されており偶然にそれを眼にしたからだった。

それは私が大学受験に失敗し一年間浪人していたときだった。

その年は、あのキューバ危機があった年だったのでよく憶えている。

これで我が歳がハレた! それにしても現在も「蛍雪時代」という雑誌はあるのだろうか。

この受験雑誌に掲載されていた奇妙な名前の人の詩に私は妙に惹かれたのだった。

私はそのとき工学を目指して受験勉強していたから、この奇妙な名前の人については
全く知らなかったし、その人が折口信夫という高名な民俗学者だと知ったのは随分後
になってからだった。

大学に入学してからも、この詩は私の頭の片隅から消えることはなかった。

そういうこともあって、たまたま、本屋でこの人の詩集を見つけて買ったのが、
新潮社の日本詩人全集「釋超空・会津八一」(昭和43年初版)だった。 


今から思うと随分「老人じみた」詩に我が青春時に惹かれたものだと苦笑ものだが、
やはり気に入っているのか今ではほとんど暗誦できる。

その詩は以下の「きずつけずあれ」だった。
***
 わが為は 墓もつくらじ−。
 然れども 亡き後(あと)なれば、
  すべもなし。ひとのまにまに−

   かそかに ただ ひそかにあれ

  生ける時さびしかりければ、
  若し 然(しか)あらば、
  よき一族(ひとぞう)の 遠びとの葬(はふ)り処(ど)近く−。 

  そのほどの暫しは、
  村びとも知りて、見過ごし、
 やがて其(そ)も 風吹く日々に
 沙(すな)山の沙もてかくし
 あともなく なりなんさまに−。

  かくしこそ−
  わが心 しずかにあらむ−。



 わが心 きずつけずあれ
 

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