背景 ハワイ先住民渡来のルーツを探るべく始まったホクレア号の航海の目的は、30年の年月と7回の航海を経て、「子供たちによりよい世界を残すこと」へと進化しました。ホクレア号を運行するポリネシア航海協会(PVS)は、教育をその活動の最優先事項とし、これまで多くの教育プログラムを、主にハワイ諸島で実践しています。今回のミクロネシア・日本への歴史的航海では、 “One Ocean, One People---A Celebration of Pacific Voyaging, Cultures and Islands” 、すなわち海はひとつ、そしてすべての人間も同じひとつの存在としてとらえ、さまざまな文化の多様性を称えることをテーマとして設定しました。同時に、異なる文化を結ぶ共通の価値観を見出し、持続可能な社会へのヒントをともに考えようとしています。日本側でも、この歴史的なホクレア号の来航を一過性のイベントとするのではなく、そのスピリットが今後に生き続け種を残してゆくような形で迎えたいという機運が、広がっています。私たち海洋人類学や天文学の研究者、また海洋文化に広く関心を持ちあるいは教育に携わる者も、このホクレア号来航に高い教育的・科学的・文化的意義を見出し、それを最大限に活かす形でホクレア号を迎えることに、来航の本当の意義があると考えます。