ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

中 勘助コミュの中勘助さんの著作権がきれましたね。

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
『鳥の物語』から「ひばりの話」中 勘助

「昔日本になにがしの大臣という人がありました」
とひばりが語りだした。彼は体も小さいし、雉子や鴛鴦鳥みたいに綺麗な羽もつけず、鶴や白鳥みたいに立派な姿ももたなかったけれど、歌いての多い鳥の仲間での歌いて、囀り上手のなかの囀りてなのでさすがにその話は銀盤に玉をまろばすようにみごとにすらすらと進んでいった。
「大臣には中将姫という姫君がありました。それはよく物語に出てくる花のように美しく月のように清らかな方ではありませんでしたが姿かたち尋常で、なにより嬉しいのは気もちがとてもすなおに情深いことでありました。それはちょうど錦の袋にいれた貴いたきものの薫りのようにおのずから目ざしにも言葉のはしにもあらわれて人の心をひかずにはおきませんでした。もとより御殿の奥深く住んで誰彼と言葉をかわされることもないのですけれど評判はいつとなく人の口から口へと伝わって世間で知らない者はありませんでした。そのうえ姫君はたいそう信心ぶかい方で、さるお寺へあげるためにマンダラを織るのを日日のつとめにしていました。― マンダラにもいろいろあるそうでございますが姫君のは浄土マンダラとか申して極楽とやらの有様をうつしたものだときいております。― 御殿のまえを通る人たちはいつももれてくる機の音をきいてゆかしがり、誰が作ったともしれずこんな歌が街でうたわれました。

おとどの殿に
機の音きこゆ
織るはマンダラ
極楽のすがた
きり はたり ちょう
きのうは菩薩
きょうはみほとけ
楼閣 宝池
天人舞楽
きり はたり ちょう
われもきかん
みな人もきけ
おとどの殿に
姫が織る機の音
きり はたり ちょう


ところがここに私どもにはとんと腑におちませんことが起こりました。それは姫君があまり善い方で皆に慕われなつかれるためひとの讒言をうけ父大臣の怒りにふれて命を失なわねばならぬような仕儀になりましたので、どう考えても腑におちかねまして話のききまちがいではないかと思うくらいでございます。私ども鳥の仲間では善い者は誰にも好かれるにきまったもので、善いがために忌み嫌われるということはついぞきいたことがございません。 ― さてそういうわけで姫君はあわれにも父大臣の太刀の錆となることになりましたが、いよいよこれが最後という時に手を合わせ涙にくれて申すには 身には覚えのないことながら私のふつつかからかようなことになり父上の御手にかかって落す命をさらさら惜しみはいたしませぬが、みほとけに誓いをかけて織りはじめましたマンダラがもう幾日かの後には残りなく織りあげられて満願になります。それを果たさずにあの世へゆくのがただ一つの心残りでございます。どうぞお情けにそれまでこの命をお助けくださいませ と誰を恨むけしきもなくただひたすらに頼みました。讒言に心のくらんだ大臣もさすがにわが子のいまはの願いをあわれと思ったかその場は赦して満願の日までの食べ物をあたえ、姫君を人里はなれた山の奥にすてることにしました。
中将姫は無実の罪をきせられたままある夜ひそかに輿にのせられて都を出て、里をこえ、川をこえ、野をこえ、岡をこえ、森をこえ、林をこえて、山の奥のそのまた奥の人も知らないひとつの山にすてられました。夜のしらしらと明けそめるころ人びとは輿をおろし、暫くのあいだ雨露をしのぐばかりの小屋を造り、僅に残る親の情けのしるしともいうべき機とマンダラの織りさし、それから幾日分かの食べ物をおいて帰ってしまいました。そこは草がまばらに生えた日あたりのいい砂地で、清水も湧いて流れており、ひばりの住みかにはあつらえむきの所でしたので私どもの仲間が沢山集まっておりました。彼らはちょうど目のさめかけたところをおどろかされびっくり仰天してこそりともせずちぢこまっていましたが、人影も見えなくなったところでてんでに寄ってきて胸を波うたせながら語りあいました。
「おい見たかい。お姫さまをおいてっちまったぞ」
「かわいそうに。どうしたってんだろう」
「わたしらならすぐにも飛んで帰るけど人間はこういう時には不自由だな」
「だからお蔭でわたしらにはすてるもすてられるもありゃしない」
「どうだい、みんなでそうっと行ってみようじゃないか」
「うん、お姫さまなら怖いこたない」
「いってみよう」
「いってみよう」
ここでちょっとおことわりしておきますが私どもの仲間はもとは翼が弱くて高くは飛べず、また歌うことも囀ることも知らず、ただ チャッ チャッ と鳴くばかりのまことにやくざな鳥で、このお話のじぶんにもやはりそうでございました。― さてそこで彼らは我れがちにぴょんぴょん跳ねて小屋をまえに集まりました。姫君はそれには気がつかず袖を顔にあてそのまま消えてもしまいそうに泣きくずれています。で、どう言葉をかけていいかわからず互いに目くばせをしあってるうち終にもの馴れた一羽が口を切りました。
「チャッ チャッ お姫さまどうかしましたか」
思いがけぬ声に中将姫は袖をはなし涙にぬれた目であたりを見まわしました。そして小屋のまえにずらりと並んで自分を見上げてる彼らを見出しました。
「心配するこたあありませんよ、ここへは誰もきやしませんから」
そういわれて姫君はまたひとしきり泣きつづけました。彼らはうっかり相手を自分たちと同じように思い慰めるつもりでそういったのですが姫君のほうではその誰もこない所へおいてゆかれたのが悲しいのでした。
「人間ばかりか鷲も鷹もこないし、夜だって梟やみみずくなんぞ出やしませんよ」
「だからわたしらもこうして安気にくらしてるんですよ。日あたりはいいし、砂地だから巣をつくるにはいいし、こんないいとこはありませんよ」
「ありがとうよ」
姫君はそばにある袋からひとつかみの米をとり出して彼らのまえにまこうとしました。
「お米なんぞよござんすよ。食べ物に不自由はありません。御覧なさい 地べたにもそこらぢゅうに転がってるし、空にだっていくらも虫が飛んでますよ」
そういわれて姫君はきょろきょろ見まわしましたが何も見えませんでした。
「いったいどうしたってんです、よる夜なかこんな所へつれてこられて。これから始終誰かくるんですか」
彼らには人間がくるのが何より迷惑なのでした。姫君はひと目見ただけでも信用できましたが
「人間のなかには物好きといおうか骨を折って鷹なぞを馴らし罪もない鳥をとらせたりするたちのよくないのがあります……」
うっかり口をすべらせてはっと気がついた語りてのひばりは チャッ とひとつ咳ばらいにまぎらせてなにげなく話をつづけた。
そこで姫君はもう一度涙にむせびながら事の次第を語ってきかせました。彼らの胸は同情で一杯になりました。
「ひどい話じゃないか」
「とんでもないひが事だ」
と彼らは口ぐちに憤りました。― この讒言と申すのは嘘をついてありもせぬ罪をひとにきせることだそうで、私どもの仲間にはついぞないことでどうもよく呑み込めません。それにその讒言をされたからといって親が子を憎んで命をとるなぞとはなんともはや私どもの親子の情愛とはよほどちがったもののように存じます。それにまずこの鳥に譬えて申せばひよっ子同然の姫君を山へすてるとは翼のきかない雛を巣から追いだすようなもので非道ともなんとも申しようがございません」
と語りてのひばりはいつか自分の話にひきこまれて我事のように嘴を尖らせた。
「それから中将姫は日日誓願のマンダラを織りつづけましたけれどさすがに思いは糸のように乱れて機の音もとかく絶えがちでありました。―まったくこの機と申すものは不思議なもので、こればかりは私どももとても人間にかないません。それは私どもが枯草や細い根なぞを編んで巣を造るのと似よってはおりますものの、いろいろ美しい糸が行きつ戻りつするうちに水の底から魚が浮いてくるようにいつとはなしに物の形があらわれてくるところは鳥のなかでの器用者といわれるみそさざいでさえかなうものではございません。―で、彼らは餌をひろい水をあびるひま暇に姫君の機のまわりをとりまいて見とれていました。ところが困ったことには仕事がはかどらないうちに食べ物が乏しくなってきました。姫君は夜の目も寝ずに織りつづけます。そうして見るもいたわしく痩せてゆきます。けれども細い糸をひとすじずつ組み合わせてゆく機織りの仕事はなかなか目にみえるほどには進みません。そのちすじの糸のひとすじごとに貴い心がこめられ、また命がかけられているのでした。もどかしい夜が日に続いてゆきます。ひばりも気が気でなく草原に集まって相談しましたがとんといい智慧も出ません。
「手つだえることならどんなにでもするんだがなあ」
と一羽のひばりが嘆息しました。
「機のほうはだめでも食べ物のほうをなんとかならないものかな」
「わたしらの嘴で運ぶんじゃひょっ子の餌がせい一杯だよ」
「二、三日うちにはなくなりそうだよ、さっきちらりと見(み)たんだが」
といって一羽が溜め息をつきました。
「だが人間の世の中てもなむずかしいものらしいな。鷲の羽までぬいてなにかにするてくらい悪智慧がありながらわたしらの考えもつかない面倒があるらしい」
「悪智慧があるから面倒になるのさ」
と頭のいいのがいいました。
「いやだ いやだ。わたしら翼のかわりに手が生えないで仕合わせだった。おや日がくれてきたぞ。暗くなれば寝るよりほかない。よる夜なかうろつく奴にゃろくなのはない。みんな罰あたりだ」
そこでめいめい塒へ帰って眠りました。あとにはしんかんとした山なかに力ない機の音だけがつづいていました。
明る朝彼らはまた嘴をつきあわせて相談を始めましたけれどどうにも智慧が出ません。といってこのままにしておけば姫君はやがて飢え死にしてしまう。どうしたものかと皆が当惑してる時に気のきいた一羽がいいました。
「いいことがあるぞ。お姫さまがたいそう力にしてるあみださまとかに頼もうじゃないか」
「こりゃうまいとこへ気がついた。それがいちばんだ」
「だがあみださまどこにいるんだ」
「極楽さ」
「極楽ってどこだ」
「そりゃお姫さまにきけばわかる」
「ところがお姫さまもよくは知らないんだ」
「それじゃ雲をつかむみたいな話じゃないか」
「そう そう その雲にのってくるっていってたぞ、あみださまは。してみりゃ天にちがいないよ、天に」
「なるほど天にちがいない。じゃひとつみんなでそのあみださまに頼んでみようじゃないか」
翼が弱いとはいいながらどうにか空が飛べますので早速相談がまとまり、朝の餌ひろいをすませ元気一杯になったところで天へ飛んでゆくことになりました。そこでまず気の早い一羽が身がまえをしました。
「しっかり頼むよ」
「よしきた。みんな見ててくれ」
チャッ チャッ とかけ声をする拍子に地を蹴ってぱっと飛び立ち ばらばら ばらばら と羽ばたいて向かい風にのりながら一所懸命に昇ってゆきましたが、昇っても昇ってもなかなか天どころではなく、いちばん低くそうな雲ですらまだずっと高いところにあります。息がはずむ、目がくらむ、こりゃいけないとせい一杯の声をはりあげて叫びました。
「あみださまー お姫さまを助けてくださいよー」
とたんにがっくり肩骨の力がぬけ木の葉のちるように落ちてきて砂のうえにのめってしまいました。
「どうした どうした」
「しっかりしろ しっかりしろ」
「いけない。天は高いぞう」
と落ちたひばりは息をきりながらいいました。
「意気地がないなあ。ここから見てりゃまだほんのそこいらだったぜ。よし、わたしがひとつやってみよう」
と翼自慢のがいって チャッ チャッ それっ ばらばら ばらばら と風を切って昇ってゆきます。さすが翼自慢だけあって先のよりはずっと高いところまでゆきました。もうひといきだと勢いこんでゆくうちに頭がぼうっとしてあたりがうす暗くなってきました。これゃいけない。で、彼は声をかぎりに叫びました。
「お姫さまを助けてくださいよー あみださまー」
とたんに力がつきてつぶてのように落ちてきました。
「困ったなあ。鳶のほうがよっぽど上にいたぞ」
彼らは自分たちの翼の弱さ、心臓の弱さを嘆きました。しかし姫君を助けたい一心でくる日もくる日も倦まずたゆまずつづけるうちいつとはなしに翼が丈夫になり、息もつづくようになってきました。
「不思議なもんだな。はじめとは大変なちがいだ」
「だがくやしいなあ、まだあの雲まで行けないとは」
「よーし、今度はわたしがやる」
「お、お、うまい。見えなくなるまで昇った」
澄みきった青空の風にみがかれたみたいによくとおるようになった呼び声だけが聞こえてきましす。くる日もくる日も朝から晩まで翼のかぎり声のかぎり救いを求めましたけれどあいにく天は昇れば昇るほど高く、あみださまは影さえみえず、ただ雲ばかりがひょうひょうと漂ってゆきます。そうこうするうちに姫君の食べ物はいよいよ尽きました。が、それでもマンダラを織ることをやめません。とはいえ貴い機の音は次第に低くなり、とだえがちになって、終にばったりやんでしまいました。
「骨折りがいもなかったなあ」
彼らは小屋のまえに集まって途方にくれました。中将姫は霜に打たれた草の花のように萎れて織りかけの機のうえにうつぶし、藻がくれに游ぶ魚のように往き来した梭は美しい手から辷って足もとに落ちています。
「骨折りがいもなかったなあ」
彼らはひとつことをくりかえすよりほかはありませんでした。その時向こうの山陰からひとりの爺さんが現れてよちよちと近づいてきました。心もち腰がかがんで白鷺みたいな頭をしています。
「いけない いけない。人間が来ちゃ事が面倒になる」
「でも苦しい時の人頼みてこともあるさ。あみださまもきいてくれなきゃ人間にでも相談するよりしようがない」
「見かけない爺さんだが悪そうでないぜ。嘴の曲がったつかみ屋もつれていないし飛道具も持っていない。おい、ちょいと言葉をかけてごらんよ」
「お爺さん、どこから来たんだい」
「里からきたよ」
「なにしにきたんだい」
「草刈りにきたよ」
なるほど鎌を持っている。
「お爺さんは善い人かい」
彼らのまえに足をとめた爺さんはほくそえんで
「うん、ええ人だよ」
「善い人ならお願いがあるんだよ。あのお姫さまを助けてあげとくれよ。食べ物がなくなって倒れちまったんだよ」
彼らは口ぐちに事のあらましを語ってきかせました。
「気の毒なことだ。助けてあげよう」
爺さんは姫君のそばへ歩みより、腰にさげた竹筒をとり、栓をぬいて血のけのうせた唇のあいだへとくとくと水をたらしました。ひばりたちは
「お姫さまー」
「お姫さまー」
と、見るみる中将姫は息をふきかえして青白い貝殻みたいに閉じてた瞼をぱっちりあけました。と、見るみる瞳が玉のように輝いて唇が花びらみたいに美しくなりました。そして不審そうに爺さんの顔を眺めました。
「おお、気がついたかの。もうええ もうええ もうええ。これからわしは毎日草刈りにくるでの 食べる物をもってきてあげよう。精出して機を織りなさい」
姫君が生き返ったのでひばりたちは一遍にはしゃぎだしました。
「ほら お爺さん マンダラってこんなもんだよ。このまん中のがあみださまってんだとさ。立派な家もあるよ。こら 綺麗な池もあるよ。鳥も飛んでる、わたしらも知らない鳥だけど」
彼らは機のうえに飛びあがり得意になって説明しました。
「ほほう、えろう上手に織れたの。もう少しだで精出しなさい」
爺さんは弁当の包みを開き蓮の実を少しばかり物のうえにおきながら
「ひもじい時にはこれをたべるがええ」
といいすてて小屋を出てゆく後ろ姿をただ茫然としてものもいえない中将姫は涙にぬれて伏し拝みました。
爺さんのお蔭で食べ物の事は一応かたづきましたけれどまだそれから先の事があります。で、ひばりたちは外へ出てまたもやあみださまを呼びはじめました。
「おお おお 高うあがるの」
爺さんは空を見あげてにこにこ笑いながらもとの山陰へかくれてゆきました。次の日から爺さんはかかさず蓮の実をもってやってきてやや暫く機のそばに立ちマンダラの織れるのを眺めてゆきます。機の音は前にもまして高らかに響き、梭は往きかえる蜻蛉のように勢いよく投げられます。
そのようにして幾日かののちいよいよ姫君の命をかけた誓願が成就しマンダラが出来上がった時に、喜びに溢れた中将姫は西に向かって手を合わせあみださまに心からの御礼を申上げました。おりしもこんじきに輝く一朶の雲がおりてきていとも妙なる天楽の調べが響きわたるとおもうまにそこにいた草刈りの翁は忽然と光りをはなちマンダラに織りだされたあみださまそのままの姿になって
「やよ 中将姫よ、汝の誓願の功徳によって無実の罪はすすがれたるぞ。また汝ら小鳥らよ、汝らの善き行いの報いによって汝らは鳥のなかのいみじき歌いてとならん。今より歌舞の菩薩の音楽の調べを学んで汝らの歌を青空高く響かせよや」
というかとみればかの雲にすっとのって西の空はるかに飛び去りました。その時大勢の人声がきこえ大臣の家来たちが輿をかいて中将姫をお迎いにきました。あらたかな夢のお告げによって姫君の罪のないことがわかったのでした。そうしてその時から私どもは今のような空の歌いてになりました」

昭和二十年九月九日

コメント(10)

御殿谷教子さま

 五十年という歳月が、改めて深く感じさせられる「著作権切れ」の
お知らせでした。ありがとうございます。

 『銀の匙』という題名の漫画があるのを知ったのが去年のこと。
いよいよ漫画にもなったのか、と思ってよく見たら、全く関係のない
内容のものと知ったので、「なんと紛らわしい、天下の名作の題名を
そっくり盗むとは!」と許せない思いでした。

 少し経って、もしかして中勘助没後50年を意識して、著作権切れの
期限を待ち構えて、題名イタダキに及んだのかな? と思い返したら、
なんだか気持ちが緩んだものです。

 でも、この漫画は50年を待たずに出されたようだし、途中でなぜか
途切れたらしいし。
 漫画の内容も見たことはないし、途切れが再開されたかどうかも
知らないけれど、折に触れては 著作権と作品の題名との関わりを
思っていました。

 仲勘助と全く関係のない文ですみません。言いたくてたまらなかった
ので、こぼしちゃいました。

追伸 訂正

 真夜中、というか明けがた前の妙な時間帯のせいで、
寝ぼけたのか、寝不足のせいか、いや元来の粗忽者の
せいか、大切な「中」という文字を「仲」にしてしまいました。

 なんという失敗、申し訳ございません。
しこめさま
『銀の匙』という題名の漫画への憤りのくだり。私もその漫画、本屋さんでチラっと見てモヤモヤしました。が、しこめさまのストレートな憤り。読みながら、しこめさまらしい〜!しこめさま、かわいらしい〜(笑)。←コラコラ、人生の大先輩や、っちゅーねん。モヤモヤ吐き出して下さいませ〜^^
おはようございます。

「銀の匙」になかで、中国人への罵倒を批判しているところがあったのを思い出します。極めて日本的な繊細な感覚から、無神経な政治的日本主義を批判しているところです。
>>[4]に頼り、女の子に振り回されがちだった脆弱さの中に、激しさを
見出す場面ですね。

 「大東亜戦争」と言っていた今回の戦争中でも、鬼畜米英、人間の面を
かぶった鬼、国民歌謡に「いざ来いニミッツ・ンマッカーサー、出てくりゃ
地獄へ逆落し」と騒がしい中で、少しでも違う思いを述べれば、すかさず
警察が来ました。

 そんな時代、私は満洲国奉天市(現・中国瀋陽市)で育ち、小5で敗戦、
翌小6で日本への引揚者となりました。
 シナ人、マン人と言って何かと虐める警察官を始終目にしていましたが、
民間の日本人はきわめて近隣の中国人と親しく付き合い、敗戦と同時に
起こった暴動や、南下してきたロシア兵の強盗からも守って貰いました。
 引き揚げで家を出る時には、近所総出で餃子と涙で送ってくれました。

 5歳から12歳までの少女時代を過ごした懐かしい街だし、個人的には
中日友好を通してはいたけれど、警官の中国人に対するあまりにもの
ひどい虐待は忘れられず、今なお一日本人として、申しわけなく、何と
罵られても返す言葉はありません。

 国交回復後、何度も瀋陽に行きました。初めは、街並みも、通っていた
学校も、住んでいた家もそのままだったのが、訪問のたびに様相をかえ、
今ははすっかり現代建築となりましたが、その昔、日本が侵略して造った
フランスに倣った放射状の大街路や洋風ビルはそのまま残り(丸の内の
三菱村みたいな)、現地の方々に便利に使われて、安らぎを覚えます。



>>[3] 御殿谷教子さま

 かわいらしい だか こわいらしい だか分からないけれど、
思いもよらず長生きしてしまっているのは、きっと、つむじ曲がり、
へそ曲がり、意地っ張り、強情っ張りを通してきたせいかも? 

 でも、併せて、手抜き、息抜き、そっぽ向き精神も少なからず
持っているので、少しは「かわいらしい」のかなあ?

 実生活は、老人施設でお世話になっている夫に手を焼きながら、
孫どもの成長が何より楽しみな巷のオバアチャンです。

 若い時からの老後の理想は「かわいいおばあちゃまになる」
ことでした。今後も努力しますね。応援してください。

 さっきは、空っぽメールをしてしまいました。済みません。
>>[4]の大人(権力を振りかざす者)に対する激しさが表出した場面、その後の中さんに貫く真っ直ぐな激しさの場面ですね。
>>[7]にお返しされたエピソード。
目にされてこられたものの重さ、、、自分と同じ日本人の警察、、、。
小さな女の子には担うに荷い切れない重さですね、、、。
>>[9] 御殿谷教子さま

 空っぽメール送信の失敗を、いち早く証拠隠滅してくださって
ありがとうございます。お蔭様ですっきりいたしました。

 瀋陽の話・・・ 町並みの急激な変化発展を目の当たりにして、
ただ昔のことに心を痛めたり郷愁を覚えたりすることだけでは
いけない、という気はしますが、一時は友好活動のはしくれに
入っていたものの、現在は「もうトシだから」と甘えています。

 勘助作品に関しても、『中勘助の恋』の中で、“勘助教信者”に
対して盲信からの目覚めを促すように感じる文がありましたが、
ここも、著者には勘弁して頂いて、深く考えず、甘やかさの中に
浸らせていただいてしまいます。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

中 勘助 更新情報

中 勘助のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング