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VACCOS(読書会)コミュの井伏鱒二著「さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記」の感想を書こう!!!

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本日、恒例の読書会が行われ、「さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記」について、メンバー6人が勝手なことを言い合いました。
じつは一冊の本に三つの短編が入っていて、それぞれの作品について、いろいろ意見がでました。
「さざなみ軍記」については、読みにくい、登場人物が多い、言葉が難しいなど、時代設定のせいもあって、批判的な人が多かった。
「ジョン万次郎漂流記」は逆に読みやすい、気持ちがよい、サバイバルが面白いなど、肯定的な人が多かった。
「二つの話」は失敗作だとまで極論する人もいて、評価はさんざんでした。
そんなやこんなで、感想をなんでもカキコして下さい。

コメント(3)

さざなみ軍記は読みにくく大変でした。
それにしても、お父さんのだめぶりに驚かされました。

ジョン万は、さざなみ軍記の後に読んだせいか読みやすくて、ジョン万のバイタリティにただただ驚かされるばかり。

二つの話は正直だなぁと。
途中で、つじつまが合わなくなるとやめてしまうって、凄いなぁと。
『さざなみ軍記』は平安末期、木曽義仲の上洛によって都落ちした平家一門が源氏の追手と戦いながら瀬戸内を逃れてゆく様を、若き公達(きんだち)の日記を通して描いています。

『平家物語』にあまりなじみのないわたしは作品世界に入り込めなくて、なかなか読み進められませんでした。難しかった!

強く印象に残ったのは・・・
P.20「今日は七月二十八日であるかもしれない。私は正確な月日を失念した。しかし私は、僚友に質問するのを我慢しよう。相手を悲しませるだけである。日附というのは、希望を抱いている人にとってだけ必要であろう」

今、ふと日附が分からなくなったとしても、スマホやパソコン、カレンダーを見ればすぐに今日が何月何日であるか分かります。
だけど、突然確かめようがなくなってしまったとしたら・・・?
正気ではいられなくなってしまうのではないでしょうか。

この作品の底流にあるのは栄耀栄華を求めることの儚さ、戦争の虚しさ。
主人公の少年が本心では戦を嫌っていて、「脱走したい」という胸の内を明かさせています。
発表当時、軍国主義へと向かう日本に警鐘を鳴らそうとする著者の意図があったように思います。

『ジョン万次郎漂流記』は3篇の中でいちばんおもしろかった!
万次郎は15歳のときに土佐沖で遭難し、他の漁師仲間とともに無人島に流されます。
この無人島生活の場面で印象に残ったのは・・・
P.162「今日この島についたが最後、この島で朽ちはてるよりほかはないだろう。しかし考えようによっては、今日この島に着いたのが天地初発とも考えられぬでもない。みんな気を大きくして、そういうことにしたらどんなものだろう?

無人島に漂着した万次郎たちはそう考えて、当日をもって無人島紀元元年の第一日と定めます。
『さざなみ軍記』と違って、彼らには生きる希望があるのです。

いわば、この作品はサクセスストーリー。
ジョン万次郎の生き抜く力、清々しく感じました。

『二つの話』は、戦時中、疎開先の甲府で著者が東京から児童疎開していた少年二人に出会い、彼らのためにプロペラの原理から発想したタイムスリップ物の童話を作ろうとするお話。

タイムスリップした先のエピソードはおもしろいのだけど、おもしろくなってきたところでプツンと途切れてしまいます。つじつまが合わなくなって。
書けなかったお話をこうして作品に仕上げちゃうところが凄いです。

どう読めばいいのか、ちょっと困る作品ではあったのだけど、なんとなく著者の温かな人柄が伝ってくる感じがしました。

読書会ではみなさんから時間が足りなくなるほど感想が飛び出して、楽しかったです。
「さざなみ軍記」は史実と違うところが、どうもひっかかった。書きたいことはわかる気がするのだけれど。
「ジョン万次郎漂流記」は井伏鱒二らしい作品。英雄的でもないし、はみだし野郎でもない、こういう普通の人が好きなんだろうね。

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