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SFシネクラシックスコミュの『消える死体』(『The Corpse Vanishes』 1942年)

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『消える死体』(『The Corpse Vanishes』 1942年)、ベラ・ルゴシが結
婚式会場から花嫁さんを矢鱈に攫うというお話。ベラ・ルゴシ主演ですから
攫ってきた花嫁さんを使ってハーレムを作り、夜毎繰り広げられる性の饗宴、
あ、ヘアが見えた!なんて展開には絶対なりませんので無用の期待はなさらな
いほうがよろしい。分かりましたか?

 パンパーカパーン、パンパーカパーン、冒頭執り行われる華やかなる結婚
式。牧師さまが新郎新婦に向かって「健やかなる時もそうでない時もお互いを
夫婦として慈しみあうべし」なんて言っておりますな。ところがいきなり花
嫁、「はああん」とうめいて昏倒します。騒然となる親族一同。「救急車を呼
べ」と誰かが叫びますが、牧師さんは首を振って「そんな必要はない。彼女は
死んでしまった」可哀相な花嫁さん!さらに花嫁さんの死体が怪しい男、ベ
ラ・ルゴシに奪われてしまうのであります。車ですたこら走り去るベラ・ルゴ
シ。なかなかいい雰囲気のオープニングです。

 この花嫁、死体消失事件は実に4件目。警察や、本編のヒロイン、新聞記者
のパトリシア・ハンター(ルアナ・ウオルターズ)はやっきになって事件を解
決しようとするのですが、手がかりまるでなし。パトリシア(パット)は編集
長のキーナン(ケネス・ハ−ラン)に「だいたい君はもっと事件に食いつかな
きゃならないんだ、すっぽんのパットぐらいに言われるようにならないと一人
前じゃないんだよ」と説教食らってしまいます。

 さて、こんなおりに結婚式を挙げようという娘さんがおりまして、名前をア
リス・ウエントワース(ジョアン・バークレィ)と申します。彼女は母親と二
人で地方検事のオフィスに押しかけてこれじゃ私は、私の娘は結婚できない
わ、このままだと私は、私の娘は行かず後家になっちまうわ、どうしてくれる
のとまくし立てるのでした。辟易した検事さん、「わかりました、アリスさん
の結婚式には警官隊を動員して十分な警護をつけますから」パット、この結婚
式のことを嗅ぎつけてカメラマンとともに出席することとなります。

 再びパンパーカパン、パンパーカパン、アリスの結婚式当日です。ウェディ
ングドレスを着て夢心地のアリス、結婚式場で油断なく目を光らせるパット、
そして黒い車で待機している怪しい男ベラ・ルゴシとその手下のマイク
(ジョージ・エルダリッジ)。警官隊によって十重二十重に警護されておりま
すが、こんな状況で何も起らぬわけがない(笑)。その予感どおりアリスの控
え室にランの花が届けられます。アリスがついてきた手紙を読むと新郎のドゥ
エインからで「これを胸のところにつけてね、ダーリン」何がダーリンか
(笑)。喜んだアリス、手紙のとおりにランの花をつけて、さあ、結婚式だ。
そして、警官隊の警護もむなしく祭壇で倒れ息を引き取ってしまうとい
う・・・。泣き崩れる新郎のドゥエイン「初夜もまだなのに、楽しみにしてい
たのに、これはあんまりだ」ここでパットに同行していたカメラマン、あのラ
ンの花を見つけてパットに手渡すのであります。

 教会から運び出されるアリスの遺体。白バイ警官が二人がっちりガードして
いるのですが、いきなり路上で燃えている車に行き当たるのですなあ。警官は
霊柩車のドライバーに「ちょっと待ってろ」燃えている車を調べ始めます。
「んー、運転手いない、ナンバープレートもついていない、はっ、これはおと
りだ」はい、その通りです。この隙にベラ・ルゴシとマイク、まんまとアリス
の遺体を盗んでしまったのです。しかし警察の対処も素早い。「22歳のブル
ネット美人の死体を捜せ」たちまち非常線が張られてベラ・ルゴシの車が止め
られます。警官、霊柩車に乗せられていた棺桶を開けてみると、なんと中にい
たのがベラ・ルゴシ(大爆笑)。勿論、アリスの遺体はルゴシの下になってい
た訳。こうしてまんまと検問を突破したルゴシたちは怪しい屋敷に無事到着し
たのです。

 その頃キーナン編集長に事件の経緯を説明するパット。彼女はカメラマンが
見つけたランの花を取り出して、「これまで誘拐された花嫁はみーんなこのラ
ンの花の飾りをつけていたのです。これは大きな手がかりですわ」しかし、編
集長は「そんな花なんかどうでもいい、早く犯人を突き止めたまえ。わしにも
丁度適齢期の娘がいるから不安で仕方ないのだ!」そんな個人的事情はどうで
もいいわと思うパットでありました。

 さて、屋敷にたどり着いたルゴシ達、屋敷には召使のファガ(ミネルバ・ウ
レカル)、彼女の二人の息子、小人のトビ−(アンジェロ・ロシット)、奇形
の大男エンジェル(フランク・モーラン)の奇怪な仲間たち。ルゴシ、ああ、
もうここらで彼を本当の名前で呼びましょう、ランの栽培家として知る人ぞ、
知る、知らない人はまったく知らない(笑)ロレンツ博士であります。博士は
アリスの死体を実験室に運び込みます。あ、アリス動いているぞ、そうか、彼
女は死んだのではない、あの花のせいで仮死状態にされていたのだ!博士はア
リスの首筋から注射器を使って“若さのエキス”(よく分かりません、血液か
もしれませんが)を取り出し、「うわあ、うわあ」と喚くロレンツ伯爵夫人
(エリザベス・ラッセル)に注射します。するとどうでしょう、60〜70歳のは
ずの夫人がみるみる若返ってどうみても30代(大笑い)。花嫁を攫ってたのは
要するにこういうことをするためだったのですな。ここでファガの醜い息子エ
ンジェルがぐったりしているアリスにちょっかいをかけようとします。ロレン
ツ博士は鞭を取り出して凄い形相で彼を打ち据えるのでした。ファガは「何を
するのですか、先生、うちの息子に」「いつか、こいつを殲滅してくれる
わ!」この仲たがいが重要な伏線になっているという・・・。

 でも花嫁仮死状態にしたって肝心の拉致にはあんまり関係ないんじゃないか
という気もします(笑)。そんな面倒なことするよりも町中で若い娘さんを狙
えばって言いたくなりますね。

 一方パット、あのランの花について専門家の話を聞いております。「これは
とても珍しい種類のランで、そう、国内でこれを繁殖させているのはロレンツ
博士ぐらいでしょうか」あ、もう犯人の目星ついちゃった(笑)。パットは張
り切るまいことか、さっそく当のロレンツ博士に話を聞きに行こうとするので
す。列車に乗って博士の屋敷の最寄駅を目指すのでした。ここで博士当ての荷
物、棺桶について作業員二人が次のような感想を述べるシーンが挿入されます
「ああ、こりゃ、棺桶でねえか、気味悪ぅ」「あのキチガイ博士か、仕方ねえ
なあ」

 さて、駅に到着したパット、タクシーに「ロレンツ博士の屋敷に行って頂
戴」というなり「ガス欠っす、ほかを当ってください」ロレンツ博士、嫌われ
ておりますな(笑)。でも他のタクシーなんかありゃしない。丁度棺桶を引き
取りにきていたマイクのトラックを見つけて無理やり乗り込むのでした。けれ
ども途中で見つかり降ろされてしまうパット。おまけにあのランをいれてきた
バックをトラックに忘れちゃった。山道をとぼとぼ歩いておりますと上手くし
たもので車が通りかかります。車を運転していたのはロレンツ伯爵夫人の治療
に当っているというフォスター博士(トリストラム・コフィン)、彼は屋敷に
乗せていって欲しいというパットの頼みを快諾、二人で屋敷に向かうのであり
ました。

 しかし屋敷についたところでヒドイ雷雨となります。おまけにその年齢にし
ては妙に若々しい伯爵夫人は来客を嫌っているらしくいきなりパットに平手打
ち、「お前みたいな腐れ淫売は出て行きなさい!」彼女に比べるとロレンツ博
士は幾分かましで伯爵夫人をしかりつけると「それでどんな用でこんなところ
にまでいらしたのです」パットはようやくほっとして「あの、私、あなたが新
種のランを栽培していると聞きまして、取材させてもらえないかと、それでで
きればランのサンプルを頂ければ・・・」断られてしまいました(笑)。

 それでもなんとか屋敷に泊めてもらうことになったのですが、これまたおか
しなことばかり。彼女を部屋に案内した小人のトビ−は部屋を出て行く際に
「とーってもよっく眠れると思いますよ、へっへっへ」と気味が悪いことをい
うし、その後も突然部屋の中に伯爵夫人が現れてパットの顔をなでつつ、「つ
やつやのすべすべだわねえ、若いっていいわねえ」、そしてパットが目を離し
た隙にこつぜんと消えてしまうという・・・。おまけにさっき返してもらって
いたバックからあのランがなくなっているではありませんか。極めつけは真夜
中、あのエンジェルが戸棚の隠し通路を通ってパットの部屋に現れたのであり
ます。ぎゃっと驚いて飛び起きるパット!エンジェルの姿は消えていましたが
恐怖に怯えきった彼女はフォスターの姿を捜して彷徨います。この時偶然、ロ
レンツ夫妻の寝室を覗いてしまってまたもギャ−ッ!なんと二人は棺桶に寝て
いるではありませんか(大爆笑)。やっと見つけたフォスターにも君は夢をみ
ていたのではないのかねと言われて憤然とします。

 収まらぬパット、いろいろ調べるうちにあの戸棚の隠し通路を見つけて中に
入り込みます。その彼女に気づいて鶏肉齧りながら(笑)後をおっかけるエン
ジェル。ここでパット、エンジェルをやり過ごして逆に後をつける形となりま
す。そうとは知らぬエンジェル、実験室に入り込み、驚いて目を見張るパット
の前で次々と仮死状態の花嫁たちを棚から引きずりだしたではありませんか。
さらにロレンツ博士が現れて「お前はまったくなんということをするのだ、も
う許せん!」とうとうエンジェルを絞め殺してしまうのです。あまりの光景に
ふらふらと失神するパット。何時の間にかベッドに寝ております。そしてなぜ
か枕元に転がっていたなくしたはずのランの花。はて、これはエンジェルが
もってきた奴ですかね。

 そして朝何事もなかったかのようにパットとフォスターを送り出すロレンツ
夫妻。ファガは息子が博士に殺されたのを知っている筈ですが、今のところは
知らん顔。そうして駅についたパットとフォスター、「私ゆうべとんでもない
ものをみたわ、化け物、花嫁の死体・・・」「なんてことだ、君はあの花嫁連
続死体失踪事件で博士を疑っているのか」「ええ、そうよ」パットはあのラン
の花を見せます。「奪われた花嫁はみんなこの花の飾りを身につけていた、そ
れと同じ花が私のベッドのそばに転がっていたのよ」お互いに分かったことが
あれば連絡をとろうと約束して二人は別れますな。

 意気揚々と新聞社に飛び込むパット。キーナン編集長に自分の奇妙な体験を
話し、犯人はロレンツ博士だと指摘するのですが、信じてもらえません。「あ
あ、もう、いやになるわ」パットがかっとなったところで現れたのがフォス
ター。「いやあ、パットと別れた後駅で聞いてみたら、博士宛ての荷物、棺桶
があったんです。それに詰め込まれていたのがこのコケなので」キーナンは渋
い顔で「そんなのどこのホームセンターでも売っているでしょう」「ところが
ぎっちょんちょん」インテリらしからぬ言葉づかいになるフォスター。「この
コケはね、特殊なラン、オズモンドを育てるのに使われるのですよ。このラン
には人を仮死状態にさせる作用があって」ここから一気にロレンツ博士は花嫁
を仮死状態にして攫い、その若さのエキス(相変わらずなんだかよく分かりま
せんが)を今は70歳過ぎたばあさんの夫人に使って若返らせたのだという結論
に達します(笑)。

 よっしゃ、これだ、スクープになるぞということでロレンツ博士に対して罠
が仕掛けられます。架空の結婚式を企画して博士を誘き寄せ様というのです。
その花嫁に選ばれたのが女優志望で酒場でタバコ売りのバイトをしているペ
ギー(グゥエン・ケニョン)。ペギーは最初あたし、いやだー、そんなの、き
もーいと嫌がるのですが、パットが「これが成功したらあなた有名人よ、ブ
ロードウェイや、ハリウッドから引く手あまたよ」と口からでまかせいって丸
め込んでしまいました(笑)。ひでぇ女。自分がおとりになればいいのに。さ
て、偽結婚式当日です。フォスターも駆けつけてパットと共に式の進行を見守
ります。「うーん、本当の結婚式みたいね、上手く行っているわ」「僕達の結
婚式じゃないのが残念だけど」パット、ちょっと笑って「あら、それはプロ
ポーズかしら」何言ってんだか(笑)。そんな暢気なこと言ってっからペギー
じゃなくってパットが誘拐されちゃったじゃないか(笑)。

 ロレンツ博士、もがくパットの下っ腹にパンチをどすっ、こういう場合、す
ぐにうっとうめいて失神するのが定石です。決してお腹を抑えて「いったー
い、何すんのー」と蹲ったりしません(笑)。博士、トビーに手伝わせてパッ
トを背負うと一目散に逃げ出します。止めてあった車に乗り込もうとした瞬
間、二人を発見した警官が拳銃を発射。「ギャ−ッ」撃たれるトビー。トビー
は弱々しく「博士、博士、わっしを置いていかねえでください」というのです
が博士は情け容赦なく彼をげしとけリ飛ばして車で逃げちゃいました。

 猛スピードで車を飛ばして屋敷に戻るロレンツ博士。急ぐあまりに「私のも
う一人の息子はどうなったのです」とすがりついてくるファガ−を「あいつは
死んだ、話せ、こら」またげしとけリ飛ばしてしまいました。怒りに顔をゆが
めるファガ−。「よくも息子達を・・・」ロレンツ博士、パットを実験室に運
び込み、彼女から若さのエキス(まだなんだかよく分かりませんが)を抜き取
ろうとしたのですが、背後からファガ−がナイフを振り上げてザクッ!「び
わー」ぶったおれる博士。博士はファガ−の首を締めようとしますが、力尽き
てしまいます。そしてファガ−は次に注射を待っていた夫人をグサッ!「び
わー」絶命する夫人。ここにフォスター、キーナン、警官隊が飛び込んでき
て、ようやくこの恐ろしい事件は解決したのでありました。

 ラストはパットとフォスターの結婚式。そして撮影しようとしたカメラマン
がランの花を渡されてうーんと失神するギャグでエンドクレジット。

 うん、意外と面白かった。でもやっぱりパットをあのまま返してしまうロレ
ンツ博士はヘンですな。屋敷にも泊めずにとっとと追い返してしまえばこうも
簡単に犯行が露見することはなかっただろうに。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質は『幽霊の館』よりは幾分か
マシ。台詞は聞きやすかったです。『幽霊の館』(『Invisible Ghost』)と
のダブルフィーチャー。インスパイアコーポレーションのDVD。

            JZT07733 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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