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SFシネクラシックスコミュの『ガリバーの大冒険』(『The 3 Worlds of Gulliver』  1960)

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 『ガリバーの大冒険』(『The 3 Worlds of Gulliver』  1960)

 レイ・ハリーハウゼン特撮作品ですが、モデルアニメーションが使われているのはリスとワニの場面くらい。映画の出来はいいのですが、いつものハリーハウゼン特撮を期待しているとちょっとがっかりします。

時は1699年、ところはイギリスのウォッピング。この町にはガリバー先生(カーウィン・マシュー)というお医者様がおりまして大変熱心に町民の治療に当たっております。しかし、彼の懐はいつもからっぽ、年がら年中ぴーぴーしています。なぜなら患者さんが治療代を払ってくれないからであります(笑)。たまに払ってくれたと思ったら生きた鶏一匹とかキャベツ一個とかの現物だったりするのです。

 そんなガリバー先生にはエリザベス(ジューン・ソロボーン)という若く美しい婚約者がいます。2人とも一刻も早く結婚したいと願っているのですが、貧しすぎる経済状況がそれを許しません。結婚生活のために借りようとした家があまりにもぼろぼろだったのについに“切れて”しまったガリバー先生 「よし、前々から誘われていたプリチャード船長(ノエル・パーセル)の船に乗ろう。船医として働くんだ。そして外国の珍しい薬を売って大もうけだ!」びっくりしたエリザベス、涙ながらに行かないでとかきくどくのですがガリバー先生の決意は変わりません。エリザベス、大いに怒って「じゃあ、これでお別れね」と出て行っちゃいましたとさ。

 それにもめげず船に乗り込むガリバー先生。しかし嵐の夜に事件が起こります。密航していたエリザベスが発見されたのです。ガリバー先生は彼女を波が打ち寄せる上甲板に連れていき「カナリア諸島でおりてイギリスへ帰るのだ」と説得するのですが、彼女はもちろん、「そんなの絶対いや、超拒否!」と叫ぶばかり。困り果てるガリバー先生。この時、悲劇が起こりました。大波が彼を襲ったのです。ひとたまりもなく海へ投げ出されてしまうガリバー先生。エリザベスは悲鳴を上げて彼の姿を海上に捜し求めるのですが、見つかりません。

 さあ、えらいことになった。

 そのガリバーが流れ着いたのはお馴染みリリパットの国。小人国ですよ。小人老い易く学なり難しって奴ですよって違うだろ(笑)。現在、このリリパットはとある理由で隣国ブレフスキュと戦争の真っ最中。これであおりを食ったのがブレフスキュに同情的だったグゥエンドリン(ジョー・モロウ)とその父親。二人は反逆罪でリリパット追放を申し渡されたのであります。このグゥエンドリンの恋人が次期首相候補の一人レルドサル(リー・パターソン)で彼はブレフスキュへ脱出するというグゥエンドリンをなんとか引き止めようとしていたのであります。

 3人が砂浜で「だから、ちょっと待ってって」「わたし、ブレフスキュへ行くわ」「こら、そこな若造、娘に手を出すな」と騒いでいるところに巨人ガリバーが登場。「たすけてくれええ」と言うなり地響きを立てて砂浜に倒れこむのでした。これで3人はびっくり仰天。さらにグゥエンドリンを追ってきたもう一人の次期首相候補フリムナップ(マーティン・ベンソン)も悲鳴を上げて逃げ出してしまうのでした。

 しかし、この巨人を放って置く訳にもいきません。暴れられたらえらいことになるからです。そこでリリパット人は軍隊を繰り出してガリバーの周囲に杭をうち、ロープでがんじがらめに拘束してしまったのでありました。と、ここでやってきたのがリリパットの皇帝陛下(バジル・シドニー)。ガリバーは彼の前で雨を降らせ始めた雨雲を息で吹き飛ばしてみせるのでした。この荒業に大いに感心した皇帝は彼を自由にしろと命令します。

 さて、自由になったら腹が減る。ガリバーの下へどんどん食料が運び込まれます。ガリバーの体重はリリパット人の1728人分ありますので、食べる量も1728人前!具体的に言うと牛6頭に羊30頭、さらにパンを10個あっさりと平らげてしまうのです。これに驚いたフリムナップは皇帝に「こんな大食らい、いつまでも置いておけません。わが国の食料を食い尽くしてしまいます。いっそ毒殺してしまいましょう」これを聞いたガリバー、「食料がなくなるですって、私がどんどん作って差し上げましょう」彼は立ち上がると森の木をどんどん引っこ抜いて開拓し、あっという間に広い畑にしてしまったのです。そして次に海へ行くと帽子で海水を一掬い、大量の魚を捕獲します。

 皇帝は大喜びして「彼に誓いをさせてリリパット人に加えるのだ」この誓いのポーズというのがもうまるでイヤミのシェーにそっくり(大笑い)。これで晴れてリリパット人の仲間入りをしたガリバーでしたが、皇帝はこの後思わぬことを言い出します。「明日、次期首相を決めてからブレフスキュに総攻撃をかけるのだ。そなたは先頭にたって大津波を起こし奴らを一人残らず溺死せしめよ!」ガリバーはびっくりして拒否するのですがすると皇帝は「だったら船もやらないもんねー、君、リリパットから出られなくなっちゃうもんねー」はやく船を作ってエリザベスを探しに行きたいガリバーは困ってしまいました。

 その彼に「私がなんとかしてやろう」と同情してくれたのがレルドサルであります。ただし、明日、次期首相に決定したらのことなのですが。

 さて、翌日、からりと晴れ渡りましたリリパット国。いよいよ首相選考会が催されます。特別ゲストとしてガリバーも呼ばれておりまして、城壁を一跨ぎにしてやってまいりました。初めてみる彼の威容にコーフンする皇后様(マリアン・スペンサー)。この後皇帝が何故戦争になったかを説明するのですが、それが「卵の割り方」だったという・・・。皇帝は卵の細い方を割って見せて「どうじゃ、美しいやり方であろう、ところが奴らはこともあろうに反対側、太い方を割るのだ」 卵の割り方で戦争っすかと呆れるガリバー、しかも実はブレフスキュの王様は皇帝のいとこだそうで、朝食の席で言い争いになっていらいの戦争なのだとか。

 首相選考会、平たく言えば綱渡り(笑)。もちろんただ渡るだけじゃ芸がない、綱の上でいろいろ芸をやらなければならないのです。まずはフリップナップ、彼はいきなりジャグリングを始めます。皇帝は彼の妙技に「見事、見事じゃぞ」しかしレルドサルも負けてはいません。彼は綱の上でジャンプ、宙返りをしたり逆立ちをしたりというアクロバットな技を披露するのでした。この時フリップナップの部下たちが縄を揺らして妨害しようとしたのですがガリバー、わざとくしゃみして彼らを吹き飛ばしてしまうのが愉快。

 そしてついにレルドサルが首相に選ばれるのです。しかしフリップナップが最後の反撃。「皇帝陛下、こやつは反逆者のグゥエンドリンと恋仲ですぞ。だからこいつも反逆者ですぞ」哀れ投獄されてしまうレルドサル。これでガリバーが怒ったね。彼は牢の鉄格子を破壊してレルドサルを救出し、皇帝に向って次のような条件を突きつけたのです。「私がブレフスキュに行って戦争を終わらせましょう。その代わり、船を下さい。そしてレルドサルとグゥエンドリンとその父親をお許しになってください」

 ガリバーは海に飛び込みます。そして抜き手を切って泳ぎあっという間にブレフスキュに到着。「わああ、巨人が出た!」とみんなが驚いているうちにブレフスキュ自慢の無敵艦隊をみんな、ロープで引っ張って持っていっちゃった。「あー、艦隊持ってかれたら戦争負けじゃん!」と呆然とするブレフスキュの人々であります。

 狂喜した皇帝はガリバーにリリパット勲章を授けます、レルドサルたちも許されました。後は船を貰ってエリザベスを探しに行くだけと思ったら皇帝、「やっぱブレフスキュの奴らを皆殺しにせよ」なんて言い出したのです。ガリバーは拒否します。この命令拒否に動揺した皇帝は会議を開いてひそひそ相談。みんなで「毒殺しよう」とか「ブレフスキュに送って殺して貰おう」とか、意外と野蛮な奴ら。ちょっとむかつきますね(笑)。しかし、これに大反対したのが皇后様。「いくら命令に従わないからといって彼を殺したりしたら承知しませんよ!」

 ガリバーはこの会議のことを知ってか知らずか、歌を歌いだします。この声が巨人に似合わぬ美声でリリパットの人々はうっとりと聞きほれたのでありました。

ガリバーの美声に聞きほれるリリパットの人々、と、あんまり聞きほれすぎて注意力が散漫になったのかある男がたいまつを積んであるわらの上に落としてしまったのです。たちまち燃え上がるわら。これが城に燃え移りそうになったので皇帝と皇后は大慌てですよ。「わあ、早く火を消せ、大変だ」これに答えたのがガリバー、彼はワインを口に含み、火に吹き付けたのです。彼のパワーであっという間に鎮火したのですが、皇帝と皇后はワインをかぶってびしょぬれ。こうなると今までガリバー贔屓だった皇后もがらりと変わって「ひい、せっかくのドレスが台無しざます、あの野蛮な巨人をやっつけるざます」

 レルドサルのとりなしももものかわ、皇帝は軍隊を召集して「あの巨人めをやっつけよ」 ガリバーはこらたまらん、こんな国にいつまでも付き合っておれんということでボートで海へ逃げ出したのでした。

 ふらふらと海上を漂ううちにどこぞの島に漂着します。ガリバーは砂浜に二人の人影を見て「おーい、助けてくれえ」と駆け寄るのですが、それはなんと人形であったという・・・。愕然として立ち尽くすガリバーの目の前に現れたのが巨大少女だったのです。「小人の国から逃げてきたのに、今度は巨人かよ」と逃げ出すガリバー。彼はボートの中に隠れるのですが、巨大少女にそんな姑息な手が通用するわけもなし、ボートごと攫われてしまいましたとさ。

 少女、名前をグリムダルグリッチ(シェリー・アルバローニ)はガリバーをこの国、ブロンディナグの王の城へ連れて行きます。ガリバーはそこで先に保護されていたエリザベスを見つけて大喜び。王様(グレゴリー・アスラン)も小さな人間が増えたというのでこれも大喜び。この王様は馬や牛などのミニ動物収集家だったのです。彼のコレクションの中にはワニもいまして、これがハリーハウゼンならではのモデルアニメで動いております。

 王様はグリムダルグリッチからガリバーを買い取ろうとするのですが彼女はうんと言いません。「あの人間は私のです。見つけたら知らせろと言われていたから連れてきただけです」困った王様は思案の果てに彼女をガリバーとエリザベスの世話係りとして雇うことにしたのです。ちょっと話が違いますが(笑)、そこはそれ、子供のことですからあっさり騙されてしまって大喜びであります。

 さて、城のおもちゃを与えられてようやく二人きりになれたガリバーとエリザベス。ガリバーはさっそく彼女にキスをして「ええやろ、させんかい!」しかしエリザベスは「私たち、まだ結婚してないからその先は駄目よ」と身を交わして隣室に逃げ込んでしまいましたとさ。もう辛抱たまらんごとなったガリバー、真夜中なのにグリムダルグリッチをたたき起こして「王様を呼んできてくれ、今から僕達は結婚するから」

 その後も平穏な生活が続きます。特にエリザベスは女性です。女性というものはいついかなるときもやおいじゃなかった安定を求めるもの。満足げに「あー、こんな綺麗な家に住めてシアワセだわ、ローンもないし」なんて言っております。しかし、ガリバーは物足りないと見えて、ある日チェスをやっている王様と宮廷付魔法使いのマコバン(チャールス・ロイドパック)についつい「あ、それ動かすとナイトにやられちゃいますよ」なんて口を出しちゃった。これで興味を覚えた王様が「君の国でもチェスをやるのかね、よし一勝負だ」

 ここでガリバーが上手く負けてやって「いよ、王様、さすがだね、チェス名人もびっくりのコマ裁きだね、いよ、大統領!」「わしゃ大統領じゃないよ、王様じゃよ」なんておだてれば良かったのですが、あいにく生真面目な性質なものですから、王様に勝っちゃった。王様、とたんに不機嫌になります。

 と、ここで王妃様(メアリー・エリス)が俄の腹痛に襲われます。マコバンは魔法医でもありますから、「ふむ、ここはホメオパシーの出番ですな、アーセニカムのレメディを飲めばすぐに治りますぞ」ガリバー、やっぱり黙っておられず「故郷で僕は医者をやってました。ホメオパシーなんてオカルトです、インチキです、そんなの効きません。私に診察させて下さい」ガリバーはベッドの上に上がって王妃様を診察し、「これは単なる胃の痛みです。私の作ったアヘンチンキ液を飲めば大丈夫です」

 これで本当に王妃様が治っちゃったからさあ大変。王様に続きマコバンの面目も丸つぶれです。二人は密かに「あれは魔物に違いない。証拠を掴んで火あぶりにしてしまおう」と話し合っております。

 実はマコバン、魔物認定というのが大の得意技で、これで何人も政敵を葬ってきたらしい(笑)。そのやり方というのが二つの樽の水に浸かって青くなれば魔物だというものであります。ガリバーはこれは酸とアルカリの反応を利用したトリックだと気がついてあらかじめアルカリ性の水を硫黄で酸性に変えちゃった。だからガリバーは青くならず赤くなったという・・・。でもマコバンは「うわあ、青でも赤でも魔物だア」 この試験、まったく意味がなかったりします。

 捕らえられたガリバー、王様とマコバンの前で「赤くなったのは魔法ではない、化学だ。ついでに言うとホメオパシーは役立たずだし、水にありがとうという言葉が理解できる訳でもない。911はアメリカの自作自演ではないし、アポロ陰謀論なんて馬鹿馬鹿しいにもほどがある」 マコバンと王様は仰天します。「ウワー、こいつ、と学会だ」「と学会は魔物だ、やっぱり火あぶりだ」ここで王様は「いやいや、そんな残酷なことはやめておこう」この言葉を聞いてほっとするガリバーとエリザベスでしたが「火あぶりはやめて、うちのクロコダイルに齧らせてしまおう」ってヒデー(大笑い)。

 さっそくガリバーの前にクロコダイルの檻が運ばれまして蓋をぱかっ。出てきたクロコダイルはしゃーっと吼え彼に襲い掛かったのです。はらはらしながら見ていた王妃様、「ガリバー先生、これを使って」とペンダントを投げ与えます。これをたて代わりにしてワニの攻撃を交わすガリバー、そして彼は針箱にあった針を見つけ、これをワニにぐさぐさっ!死闘の末、ついにワニを倒してしまったのです。自慢のミニクロコダイルを殺された王様はさらに激怒して「絶対火あぶりだ!」

 さすがにこの愚かな大人たちの振る舞いに嫌気がさしたグリムダルグリッチ、隙をみてガリバーとエリザベスの二人をバスケットに入れて逃亡します。「こら、待て」と追いかける王様、マコバン、兵隊たち。グリムダルグリッチ、二人の入ったバスケットを川に投げ込んだのであります。そのまま海へ流れていくバスケット。

 二人はいつの間にか砂浜に流れ着いていました。二人は不思議そうに見つめあいます。あのブロンディナグで作ってもらった彼らの服が元に戻っていたからです。「これは夢かしら」と呟くエリザベス。ガリバーは「いや、現実さ、あの小人の国と巨人の国は我々の心の中にある争いを好むものだ。それは我々人間に過ちを起こさせるのだよ」「そんな、どうしたらいいの」と不安そうなエリザベスを抱きしめて「愛があれば大丈夫」って結論はそれかい(笑)。

 グリムダルグリッチのことはどうなのかというと、ガリバーによれば彼女は今度生まれてくるであろう二人の子供の象徴なんだそうで、どうもマコバンと言っていることが変わらなくなってきたようです。

 その後通りがかった男に「ここはイギリス、ウォーピングだ」と聞かされ「私たちの町だわ」と喜ぶガリバーとエリザベスの姿で映画は終わります。

 カラー、スクイーズワイド。モノラル音声。全体的に品位の高い画質ですが時々解像度ががくりと落ちるシーンがあるのが残念。モノラル音声に不満なし。小さなヴォリュームでも問題なく会話が聞き取れます。日本語字幕つき。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの国内版DVD。

 エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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