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SFシネクラシックスコミュの『火星人ウェルカム』(『Midnight Movie Massacre』 1988)

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 『火星人ウェルカム』(『Midnight Movie Massacre』 1988)

 1950年代のアメリカの映画館。ここでSF映画上映している間にエイリアンが侵略してきて、世にも馬鹿馬鹿しい大騒動の末に撃退されるという映画。一応、コメディ仕立てなのですがクスッとも笑えないのでどうぞごらんになる方は覚悟の程をヨロシクお願い致します。

カリフォルニアのパロマ天文台が日夜宇宙の神秘を探るべく調査を続けている。どんな生命体がいるのか、その生命体は知的で友好的なのか、それとも邪悪で悪魔のような凶悪宇宙人なのか、それはまったく分からない。この大仰なオープニングナレーションがウレシイですな。そして火星がぱっと映りまして、この火星の表面にはわずかな大気があるのみで水もない、まったく死の土地である。しかし、その地下には凶悪なる侵略宇宙人が生息していたのだ。形の定かではない宇宙船がぴゃーっと飛び出してきます。そしてタイトルが出て映画の始まり、始まり。

 夜の町、1956年のグラナダ劇場が舞台となります。この映画館で上映されているのが『スペース・パトロール』 これを見にいかにもなオタク二人、大食いでデブの女房と小男の旦那のノミの夫婦。アル中、やたらにオッパイがデカイ女の子とフツーの男の子のカップル、小さな男の子を連れた夫婦、やたらにクシャミをするクシャミ女、リーゼントでGジャン姿の若者三人、こういうボンクラたちが続々と集まってくるのであります。みんな思い思いにポップコーンを買い溶かしバターを流し込んでコーラのでっかいカップと一緒に客席へ持ち込みます。ばりばりごくごくむしゃむしゃちゅーちゅーやっている中で幕が開いてまずは映画鑑賞についての注意・警告。「迷惑行為は禁止です。警察を呼びます、法的措置、つまり訴訟することもありえます」この警告を尻目に暴れまくるGジャンの若者三人。前の椅子の背もたれを引っぺがして投げたりもうやりたい放題。一応ギャグらしいのですが、あまり面白くないので放っておきましょう(笑)。

 これが済んだら次は映画の予告編。これで出てくる映画が『月のキャットウーマン』と『火星からのデビルガール』なのだから、もうこの映画がどんなものかよーく分かりましたね。

 ようやく『スペース・パトロール』本編の開始です。サブタイトルが『バック・フロム・フューチャー』、もちろん、このロゴはあの映画そっくりですよ。まず登場人物の紹介。この辺、40〜50年代のSFシリアルを意識しているのでしょうか。カーライル大佐(ロバート・クラーク)、テラステーションの指揮官、一番偉い人。シルビア、タイムマシーンを発明したエライ人。バカルティ博士、こっちもタイムマシーンの開発に尽力したけど、何かを企んでいる悪い人、コーリー司令官、我らが主人公、ハッピー・ミート、血気盛んな士官候補生、キャロル・カーライル、チームの紅一点お色気担当、ソニー・ウィルソン、少年ながらコーリーたちを助けて大活躍!

 あんまり面白い映画ではなさそうです(笑)。

 時は2086年、宇宙に進出した人類は木星・土製・天王星への探検を目論むほどに発達した科学技術を誇っております。今宵、また歴史に残る偉大な科学的発明がなされたのです。お祝いのパーティに集まったカーライル大佐、シルビア、コーリー、ハッピー・ミート、キャロルは「タイムマシンが完成したことをお祝いしましょう。これで我々は生きた恐竜にあうことができるようになったのです。かんぱーい」わーい、ぱちぱちオメデトーということになったのですが、この席に肝心のバカルティ博士がいません。

 彼は何をしていたのかというと、警備員を殴り倒してタイムマシーン宇宙船TD-1(タイムディスク)の操縦用人工知能を強奪、TD-1にセットして飛んでいってしまったのであります。その後TD-1は自動操縦で戻ってきたのですがバカルティ博士の姿はありません。どうやら彼は過去の地球に身を潜めたようなのであります。カーライル大佐たちは人工知能のナビゲートログを解析、彼が訪れた時代、場所を特定しようとします。その際に出てきた言葉は踊り子のトンガ。何だか良く分かりませんがこの言葉をヒントに過去の地球へ博士を探しにいくことになるのです。

 その命令をうけたコーリー、キャロル、ハッピー・ミートはカッコいい宇宙服に着替えて勇躍TD-1で出発するのでした。TD-1、大宇宙を飛びます、飛びます、延々飛んでおります、いつもより余計に飛んでおります。これを見てコーフンしたオタクたちが「うわあ、すげえ特撮だ!」

 この時異変が起こりました。劇場上空に謎の宇宙船が現れたのです。まず路地でゴミ箱漁っていた浮浪者を瞬殺!そしてこの宇宙船から出てきた怪物がモギリのオネーさんを殺害します。やたらに血が飛び散ってチケットブースが真っ赤になる大げささがオカシイ。

 そんなことが起こっているとは夢にも思わないボンクラ観客たち。Gジャンの若者三人はオッパイのでかい女の背後に忍び寄って胸をもみもみ。アル中はなぜか釣り竿持ち出してきて、前の女の服に針を引っ掛けて喜んでおります。デブ女は際限なくポップコーンを食い続け夫に「アータ、まだまだ足りないわよ、どんどん買ってきなさい!」クシャミ女はクシャミをし続けております。

 映画はその間にも進んでおりまして、過去の地球に降り立つTD-1 車でデートしていたカップル、それを覗いていたおじさん(笑)から正体を隠すために服を借りて(奪って)、さらにカップルの女の子の方から車の運転の仕方を習います。一応、分かったところで3人を置き去りにして町へゴー。そしてTD-1が着陸するのを自室の窓から見ていたソニー・ウィルソン少年、そっと家を抜け出しパパの車を運転して!TD-1を目指します。

いかに大らかな40〜50年代SFシリアルを意識しているとはいえこれはマズイのではないですかねえ。

 場面はぱっと変わって部屋でくつろぐ劇場の支配人。ここに例の怪物が侵入してきて、ひゅど、しゅびらばどす、目ん玉抉り出されるわ、手首切り落とされるわ、もうえらいことになるのでした。えー、もうお忘れになったかも知れませんが、この劇場には小さな男の子を連れた夫婦がいました。この男の子が映画に退屈して場内を歩き回った挙句、この惨劇が起きた部屋を見つけます。男の子、ひいいと叫ぶかと思いきやにやにやしはじめて、目玉を拾って何かの袋に入れたりしております。心配して探しにきた夫婦、男の子を見つけて「なんだ、こんなところにいたの」「こんなつまらない映画は初めてだ。帰ろう」と支配人の死体に気付かぬまま劇場を出て行くのです。

 映画に戻りましてソニー・ウィルソン少年、TD-1を発見。これに乗り込みます。すると人工知能何を考えたか、この少年にコーリーたちを探してくれと頼むのでありました。はあっ?そのコーリーたち、映画館に行って「トンガって踊り子を知らないか」と訪ねております。聞かれた係員、「ここじゃ商売違いだよ、ペリーQっていうバーに行ってみな」

 さて、服を盗まれた挙句置き去りにされた地球人三人は公衆電話で空軍へ電話します。電話を受けた空軍の将校、「やかましい、空飛ぶ円盤なんぞ存在せんわ、馬鹿なこと言ってないで帰れ!」これで服を盗まれた三人の出番はオシマイ。

 さて、パパの車を駆って町へやってきたソニー少年。人工知能から教えられた青のパッカードが止まっているのを見て、モギリのおばさんに「ねえ、この車で来た人たち、映画見ているの」「違うわ、彼らはペリーQへ行ったわよ」そのペリーQではダンスレビューショーの開幕。立派な舞台でダンサー達が踊りまわる立派なものでせいぜい場末のバーでヌードダンサーが踊っているだろうくらいに思っていた私はびっくり仰天。コーリー、チアリーダー姿のキャロル、ハッピーは劇場を調べ始めるのですが、キャロル、コーリーの順番で黒ずくめの人物に拉致されて車のトランクに押し込められてしまいます。残されたハッピー、そんなこととは夢にも思わずトンガの楽屋に向います。そこでトンガの露骨な色仕掛けにコロっとマイっちまってキスなんかされたりしております。こういう接触に慣れていない未来人のハッピー、頭がぼんやりとしまして、「んじゃあ、バカルティ博士に会わせてあげるわ」という彼女の怪しい誘いに疑問をもつことなく車に乗せられてしまうのです。

 この車を追うソニー少年、逃げるトンガ。スピード感のまったくないカーチェイス!あんまりのたのたしているので、私なんか「ああ、これはカーチェイスやっているのだ」と気付くまでに随分と時間が掛かってしまったですよ。

 トンガの車、洞窟の中へ。ここがバカルティの基地らしい。この直後飛び込んできたソニー少年の車、彼はピストルを持って飛び出しトンガにつきつけて、「やい!トランクを開けるのだ」トンガが彼の指示に従いますとハッピー、「あ、コーリーとキャロル、てめー、良くもやったな」しかし、ここでバカルティ博士が登場。ソニー少年殴り倒して3人を捕らえてしまったのです。気絶した少年を残して3人を基地へ運び込みます。

 さて、映画館では売店のおばさんが背後から異様な呼吸音が聞こえるのに気がついてぱっと振り向きます。当然そこにいたのはあのモンスター、やられた!と思ったのですが、これはあのデブ女で、またポップコーンを買いに来たというギャグ。もっともこの直後、本当にモンスターが現れおばさんやられてしまうのですが。

 また、Gジャンの三人に胸を揉まれて喘いでいたデカパイ女、三人が服を脱がしに掛かったのでさすがに仰天、逃げ出します。にやにやしながら後を追うGジャンズ。彼らはこのままフェードアウトでこの先の展開には一切関係ありませんのであしからずご了承下さい。

 バカルティとトンガ、3人を基地の椅子に拘束して大得意。「わはははは、この三人の脳味噌を頂くのだ」しかし、ここでバカルティ、何を考えたか、「いかん、あのガキを捕まえろ」あのガキってソニー少年のこと?さっき気絶していたんだから一緒に連れてくれば良かったのに。「脳波戦士たちよ、あのガキを捕らえて連れてくるのだ!」この脳波戦士というのがブリキの円筒に手足をつけたようなクラシックなといえば聞こえが良いけれども、ようするにチャチなロボット(笑)。これがぞろぞろ現れてソニー少年を追っかけるのです。この場面を見たオタク、大はしゃぎで「うわあ、凄い迫力だ」

 しかし、こんな映画に出てくるロボットですから、そんな真面目なものである筈がありません。少年追っかけるのに飽きたらしいロボットが五体ほど、ソニー少年の車を弄ってラジオを鳴らし踊りだすのでした。まったくもってつまらないことこの上ないギャグですが、もう少しで映画が終わるので我慢してください。

 ロボットに追われたソニー少年、逆に基地へ突入します。同時にロボットもなだれ込んできたので大混乱となり、この隙にコーリー達は逃げ出すことができたのでした。ソニー少年、また逃げ出してん、頭上から下がっているロープをよじ登り始めたぞ。これは地上に繋がっているということかな。一方、コーリー達は踊っているロボットたちをすり抜けてソニー少年の車に飛び込み、こちらも逃げ出します。

 さて、映画館では映写技師が犠牲になります。怪物に頭をもぎとられて痙攣する映写技師。

 一方、カウボーイハットの男、連れの女とさんざんキスしたり、彼女の胸を揉んだりしてコーフンしたのか、「はあはあ、外へ行って続きやろう」女は首を振って「駄目よ、あたし、生理だから」これでカウボーイハット怒ったね。「いつもいつも生理で誤魔化しやがって、一年中生理か、血塗れか、もういい、俺は他の女を捜す」しかし、カウボーイハット劇場の外に出るなりモンスターにやられて自分が血まみれとなるという・・・。

 ソニー少年、地上へ出て町へ逃げ込みます。しかし押し寄せてきたロボットに挟み撃ちされて取り囲まれてしまいました。ここでバカルティ、トンガが現れソニー少年に迫ります。二人は剣をすらりと抜き放っていまにも切りかかってきそう。ソニー少年大ピンチかと思われたのですが、ご安心ください、コーリーたちもやってきました。彼らはバカルティ、トンガと同じく剣をすらりと抜き放ちます。これで戦うのかと思いきや、バカルティ・トンガと共にソニー少年に飛び掛ってさんざんに切り刻んでしまったのです。何だ、これ、意味わからん。

 これで映画が終わって、ナレーションが「ソニー少年はどうなったのか、バカルティはキャロルを嫁にできるのか(これも意味不明)、全ての謎は次回の『天王星へ突入せよ』で明らかにされる!」いやもう、明らかにしなくっていいから。

 観客たちがぞろぞろと帰っていきます。あの生理女も帰ろうとしたのですが、はい、モンスターが現れました。生理女、触手に絡みつかれながらも椅子の下に落ちていたビンを叩き割ってモンスターに突き刺します。これでモンスターがひるんだところで逃げ出すのですが、またモンスターに捕まった。今度こそやられると思われたのですが、唐突にあのデブ女がモンスターの前に立ちはだかります。彼女は傍らの夫に「アータ、フォーク頂戴」これでモンスターぐさぐさ、「アータ、ナイフ頂戴」これでモンスターざくざく。怪物やっつけたのかと思ったらデブ女、フォークとナイフで怪物を切り刻んで食い始めたのです。夫も、生理女もウェー。デブ女、ついに怪物を食らいつくしてしまいます。

 ゆうゆうと立ち去るデブ女と夫。残された生理女が呆然としておりますとオタクの一人が現れて「どうしたの」「美女が野獣をやっつけたのよ」オタクは彼女を抱き上げ静かに退場。

 ナレーション、かくして火星からの侵略者は一人の女性に敗れ去った。女性の偉大なる食欲が地球を救ったのだ!ってふざけんな、コノヤロー。またエンドクレジットが長いの、こんな映画なのに12分もあるの。

 コメディ映画であることは分かっているけれども、それでもムチャクチャに腹がたつ(笑)。こんな映画を作った奴らは地獄へ行け、そして繰り返し、繰り返し、お前らの作ったこの映画を見せられる刑罰を受けるが良いわ!

 本当に辛くて、退屈な80分でした。

カラー・スタンダード。モノラル音声 レンタル落ちVHSソフトなので画質・音質とも評価外。日本語字幕付。

 エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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