Erehwonコミュの"GENOCIDE ORGAN"を直視せよ！

帝都殲滅 !!!!! いよいよ明日、
詳細は下記イベントを参照ください。
http://mixi.jp/view_event.pl?id=19879757&comm_id=755372

ドイツのインダストリアル・ノイズの大御所"GENOCIDE ORGAN"の来日公演。"GENOCIDE ORGAN"とは大変な名前、不謹慎な名前だと思う方も多いと思う。しかし、私たちには見なければ見えないものがたくさんある。ジェノサイドを直視することそのものが非人道的だなどとは誰も言えないのである。

ジャンルとしての「インダストリアル」は、現在では思慮のないビジュアル系のロックの代名詞ともなりつつあり言葉としては形骸化しているが、もともとは人間や社会の病理や本質を暴くために活動していたインダストリアル・レコードのアーティスト、TGやSPK、キャバレーヴォルテール、テストデプトなどに対して使われていた呼称だ。80年代初期のノイエ・ドイッチェ・ヴェレの代表格アインシュトゥルゼンテ・ノイバウテン、ユーゴスラビア出身で政治的なシンボルを多用することで知られるライバッハなどをここに加えてもいいだろう。

彼等は当初から音とビジュアルを駆使し、様々なシンボルや心理的な影響力のあるノイズを再構成したようなパフォーマンスを行なっていた。わざと機械の雑音を聴かせたり、工業廃棄物をステージに持ち込みメタル・パーカッションと称して叩きはじめたのも彼等だ。ナチスに代表されるような人間の社会的病理にも照準をあてていた。自分達の音楽を「Musick」と呼び、日々消費材として産業的に量産される音楽である「Music」と区別した。日常的には聴こえてこない音、日常的には見えないものの重要性を彼等は知っていたのだ。常にコントロールされた情報だけを見ていたのでは、人間や社会の本質的な構造は決して見えてこないのである。そうした真のインダストリアルの血統にある"GENOCIDE ORGAN"のネーミングは全く必然的だ。

今回の企画タイトルの「殲滅」という言葉も魅力的だ。何故それが魅力的に感じてしまうのか、そして世界のいたる場所で起こりうるジェノサイドの本質（それは人間や国家の本質的な属性かもしれないと私は思っている）を見極めるためには、時には「人道主義的な尺度」が邪魔になることがある。不謹慎と批判されても俗悪だと避難されても、それを見なければならない時がある。コントロールされた情報は、幻想しか私達に与えない。そして常に幻想が人を殺してきた。

今日の画像は、「帝都殲滅」というタイトルから思い出した私の作品『Flashpoints ◇ 世界紛争Ｔシャツ・プロジェクト』の中のデザインのひとつ、「チベット動乱」から。以下の解説は、展示していたCD-ROMからの抜粋。

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事件名　　チベット動乱
国　名　　中国
年月日　　1959年3月

数字は、チベットと中国人民解放軍との衝突による死者数である。膨大な数である。しかし、誰もが9.11での死者数3234人の方が、重大な数と感じるのではないだろうか？　つまり、情報の扱われ方によって命の重さも決定されるのである。（石川雷太）

チベットでは1951年5月の平和協定以後、57年のテュシ・ガントゥックの反乱(人民解放軍が反乱軍5500人を殲滅して終息。58年の青海反乱（人民解放軍が反乱軍16万6000人を殲滅して鎮圧。）、同年の循化県反乱（チベット人人口1万1000の町で2500人が逮捕され鎮圧。）に続き、59には3万人のデモが行われ人民会議でチベット独立宣言が採択された。以後、チベット支配層はダライ・ラマを擁して反中国暴動を起こし、テュシ・ガントゥックなどの義勇軍も組織され、遊撃行動がとられた。人民解放軍が投入され、9万3000人が殲滅され、4月に平定された。ダライ・ラマはインドへ亡命し、中国の行動を国際世論に訴え続けた。1965年9月、チベット自治区が成立した。
（浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』三省堂（2000年）より抜粋）

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2004 [フュージョンアーキテクスチャー＋デザイン
　　　イン・ジャパン」、イスラエル美術館
http://www.imj.org.il/eng/exhibitions/2004/fusion/index.html
http://www.imj.org.il/eng/exhibitions/2004/fusion/ishikawa/index.html