|
|
|
|
コメント(7)
多喜二が「小説作法」という短い文章の終わりのほうで、次のようなことを書いているのに出会いました。とても感銘を受けたので、ご紹介します。
最後に、私が「オルグ」をどのように書こうとしたか、その技巧的な方面に触れてみよう。私が北海道から東京へ出てきて、−−東京の働いている人達が、殆んど電車の中でばかり本を読んでいるのに気付いた。田舎の人のように、時間的に云って、ゆっくり机の上で本を読むなどということが出来ない。私は机の上でなければ、読んでも分らないような小説は書いてはならぬと考えた。それで、雑踏している電車の中で読んでも、そのまゝ頭にくるような小説を書きたいと思った。それは然し少しも仕事を雑パクにするということではない。−−私は何より「オルグ」に於ては、そういう点に形式的な努力を払った。
この文章に、私は、まさに電車の中で立って読んでいて出会いました。それだけに共感もひとしおでした。
最後に、私が「オルグ」をどのように書こうとしたか、その技巧的な方面に触れてみよう。私が北海道から東京へ出てきて、−−東京の働いている人達が、殆んど電車の中でばかり本を読んでいるのに気付いた。田舎の人のように、時間的に云って、ゆっくり机の上で本を読むなどということが出来ない。私は机の上でなければ、読んでも分らないような小説は書いてはならぬと考えた。それで、雑踏している電車の中で読んでも、そのまゝ頭にくるような小説を書きたいと思った。それは然し少しも仕事を雑パクにするということではない。−−私は何より「オルグ」に於ては、そういう点に形式的な努力を払った。
この文章に、私は、まさに電車の中で立って読んでいて出会いました。それだけに共感もひとしおでした。
- mixiユーザー
- ログインしてコメントしよう！
|
|
|
|
小林多喜二 更新情報
-
最新のアンケート
-
まだ何もありません
-
