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VIVA★NZコミュの商社マン イチローの出会いと別れ

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とにかくインドは遠い。関空からバンコクまで4時間、
バンコクでの乗り継ぎ待ちが4時間、さらにニューデリーまで4時間かかる。大阪から直行便など無い。さっきから
バンコク空港内をうろうろしていたがもうあきた。喫茶店で
コーヒーを飲み、売店で買うあてもなくみやげものを見ても、待ち時間の4時間は長すぎる。あきらめて、搭乗口付近まで
行って椅子に掛けて待つことにした。今回のインド出張は会社が契約しているデザイナーと二人でインド綿で作るクッションカバーやラグの企画の打合せだ。
「すみません。日本人、ですよね。」いきなり声を掛けられて振り返ると20歳くらいの細身の女性がいた。あまりにも急な展開である。急にとりこみ中になったので手短かに自己紹介すると俺の名前はイチロー。38歳の商社マンでインテリア部門で働いている。海外出張が多く、妻とはすっかり疎遠でもう1年も口を聞いていない。幸いかどうか子供はいない。プライベートは気が向いたらおいおい話す。
「私、佐賀の大学生でこれからインドに旅行に行きます。日本を出る時に日本人を見たら誰でもいいから声をかけろって友達に言われたので。」「一人で旅行?」「はい。」
「いや〜それは危ないよ。地球の歩き方にもインドは相当怖い国って書いてあるよ。」
「そうなんです、不安なんです。それに着いた夜から泊まるとこも決めていないんです。日本で安い宿を探して何度も電話したんですが取れなかったんです。」
「それはダメだ。ご両親は今回の旅行のこと知っているの?」「言ってません。言うと
反対されるかもしれないから。」「いよいよ危ない。これから私らは仕事だけど、あなたの
ことが心配で仕事どころでなくなるかもしれない。何がそうまでしてあなたをインドに行かせるの?」「どうしてもインドの遺跡を廻ってみたい。」「はあ〜。」「今夜は私たちが予約しているホテルに行きますか?」「1泊いくらですか。」「1泊1万円くらいかな。」「無理です。1日3千円の予算しかない。」
お金も無く、英語もままならず、ましてや不安いっぱい、それでもインドに行く?
海外で若い日本人女性が殺されているニュースはよく見る。なかにはこんな無謀な旅行者もいるのかと頭をかすめる。
と思ったところに目の前にもう一人の日本人女性が現れた。
大きなリュックを背負って浅黒く、こちらは元気いっぱいの感じである。「ちょっと。日本人ですよね。」私が声をかけた。「そうですよ。」「これからインドですよね。一人ですか?」「はい。南アフリカに行ってまして、バンコクで3日ほど過ごして、これからインドです。」
「へえ〜。ずっと一人で?」「そうですよ。アルバイトしてお金たまったら旅行に出てるんです。今回は南アフリカ。それからインドにも行きたくなったので決めた。」「出身はどこ?」「京都です。」ほんと、世の中にはいろんな方がおられますわ。
「この人も一人でインドに旅行なんです。どこに行ってどうするか決めずに出発してるみたい。悪いけど一人より二人。二人で行動してくれない?」「別にいいけど。」「あなた英語はしゃべれるよね?」「生きていくためには。」なんのこっちゃ。
いつのまにか韓国人の女の子が混じって合計3人組みとなった。珍道中といってかたづけていいのか私は考えたくない。商社マンにつきものは出会いと別れ。ニューデリーの空港に着くと3人を空港に残して我々はタクシーに乗り込んだ。3人は空港のロビーの椅子で最初のインドの夜を過ごすらしい。とにかく生きて日本に戻ってくれと祈る。

コメント(3)

1人旅って憧れますけど、さすがにインドは‥
イチローさん中国やらインドやら大変ですね〜
おもしろいですね!
私も旅に出たくなります!
というか、
この3人の続きは分からないんですか??
なんだか、「つづく!」って感じの文章ですけど、
明らかにここで終わりですよね!?
最初に出会った女の子と運命の再会をして
結婚☆とか、そうゆう展開はないんですか??
私もあきと同じ展開を期待しちゃいました(^^)そーゆー出会いっていいですねぇ〜☆偶然じゃなく必然ですね(笑)

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