スイス出身の作家2人による日本で初めての個展です。ゲルダとユルグは、有機物と無機物とを組み合わせて作るインスタレーションや独特の色彩を放つオブジェや写真などを中心に、世界各地で作品を発表してきました。これまで2人が手掛けてきたサイトスペシフィックな作品は、生きてるものとそうじゃないもの、遊びとシリアスネス、幻想と現実、のように一見相反するように見えるけれど共存しているあらゆる素材やテーマで展開されます。自然と人工物の間には境目がないと考える二人ならではの作品です。
今回アルティアムでつくられるインスタレーション"Night Moths in the whale belly(クジラの腹中の蛾々)"は、小さな光の周囲にさまざまな蛾たちが舞う、暗闇から降り注ぎ揺れる庭園です。大きなクジラの内部に横たわり、ゆったりと寝そべって作品を見上げてみてください。樹木や草花が頭上から降りそそぎ、また周囲で揺らぐその陰は、静寂のなか不思議な空想を誘います。中央にみえるのは、増殖中のクリスタルで、ここではクジラの血と呼ばれています。鍾乳洞の柱のように会期中少しづつ形を変え、水滴の音は耳を涼めてくれます。