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高齢者情報コミュの社説:認知症と医療 入院ゼロを目指すなら

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 認知症というと徘徊(はいかい)したり、妄想や幻覚で他人に迷惑をかけたりするイメージが強いかもしれないが、それは一部の周辺的な症状である。適切な治療を受ければ短期間で改善されるケースが多い。ところが、精神科入院病棟には認知症のお年寄りが続々と収容され、症状が治まってもそのまま入院し続ける人が多い。その数は現在5万人を超える。

 厚生労働省研究班の調査では、居住先や介護の支援が地域にあっても退院させられないという人が約4割を占める。医療スタッフが挙げる理由の半数は「セルフケア能力の問題」だ。つまり身の回りのことが自分でできないと、地域に介護の受け皿があっても退院させられないというのだ。そんなわけはない。もしそうならば、介護を受けて地域で暮らしている人のほとんどを病院に収容しなければいけなくなる。

 認知症の周辺症状があっても地域で暮らしている人はたくさんいる。もちろん訪問医療・看護、介護などがあってこそだが、入院病棟の医療スタッフの「認知症観」は、地域生活の現実感が抜け落ちているのではないかと思えてくる。

 日本の精神医療はベッド数が多く入院日数も長いことが知られている。批判を受け、現在は国を挙げて入院患者の減少に努めているが、患者が減っても病院経営は困らない。空いたベッドを認知症の高齢者が埋めるからである。このままでは15年後には認知症の入院患者は9万人を超えると予測されている。

 地域での介護の受け皿やサービスが足りず、疲れ果てている家族の窮状はよく分かる。だが、病院は治療の場であって生活の場ではない。介護施設やグループホームとは異なる。狭くて劣悪な入院病棟の片隅で人生の最晩年を送るよりも、やはり介護のある生活の場でお年寄りたちに暮らしてもらいたい。

 厚労省は入院する認知症患者の半数を2カ月以内に退院させるという目標値を検討したが、医療や介護の関係者から「入院期間の目標設定だけでは、むしろ短期で退院できる患者の囲い込み、病院間のたらい回しになりかねない」として入院患者数を制限する目標値設定を求める声が高まっている。

 いずれにせよ、入院に頼らず安心して地域で暮らし続けられるための環境整備を急がなければならない。それをせずに入院期間や数を制限すれば、家族の不安や入院医療関係者の反感を募らせるだけになりかねない。

 それでも入院患者数の目標値を設定するというのであれば、それは「ゼロ」だ。そうした理想に近づくためにこそ地域医療と介護の充実という現実に照準を定めるべきである。

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毎日新聞 2011年10月25日 東京朝刊

コメント(2)

精神科で認知症の方を入院させることに問題がありますよねぇ。

介護で対応すれば
より人間らしく、生活できるのにねぇ。。

ああでも
まだすべての介護サービスが人間らしい生活とはいえないかなぁ。

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