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高齢者情報コミュの【日本人解剖】機能・体質 老化・寿命 伝統食の再認識で抗加齢

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 分子・遺伝子レベルの医学や生物学の進歩は、ヒトの老化メカニズムをも明らかにしつつある。その成果は、高齢化社会で関心の高まっている「アンチエイジング(抗加齢)」にさまざまな形で応用され始めてもいる。食事や栄養面で、日本人に適した「長寿」実現法を探った。(小島新一)

 ≪老化メカニズム≫ 

 ヒトの体を老化させる原因物質として最も有力視されているのが、エネルギー代謝器官のミトコンドリアが呼吸で取り入れた酸素を使って水素を燃やし、エネルギーを製造する過程で発生する「活性酸素」。毒性が強く、タンパク質や生体膜、細胞核の中のDNA(デオキシリボ核酸)を傷つけて遺伝情報を誤らせ、細胞の機能を低下させる。遺伝子の損傷が蓄積すると、臓器機能が低下して不全状態に陥ったり、動脈硬化、心筋梗塞(こうそく)、糖尿病といった生活習慣病を引き起こしたりし、がん細胞の発生原因とも考えられている。

 体内には活性酸素を防御する抗酸化システムも備わっているが、加齢で機能が衰えたり、処理能力以上の活性酸素が発生したりすると活性酸素による細胞の機能の低下がさらに進む。喫煙や飲酒、不規則な生活や日常的なストレス、食品添加物、農薬などの化学物質の摂取、車の排ガスや工場の有毒ガス、紫外線、激しい運動は、活性酸素を過剰に発生させる「酸化ストレス」とされ、老化やそれに伴う疾病に大きく影響している。

 ≪抗酸化≫

 東京都老人総合研究所の白澤卓二・老化ゲノムバイオマーカー研究部長によれば、寿命を決めるファクターのうち遺伝的要因は20〜30%に過ぎず、体質的問題もバランスのとれた栄養摂取や適度な運動を取り入れた生活スタイルによって挽回(ばんかい)できるという。その食事・栄養面で、活性酸素を中和する「抗酸化」作用を持つと考えられているのが、ブドウや赤ワインに含まれる「レスベラトロール」をはじめとするポリフェノール類と、カロリー制限だ。両者は酵母レベルでの実験では、「長寿タンパク質」をコードする「長寿遺伝子」として注目されている「Sir2(ほ乳類での名前はSirt1)」を活性化させ、寿命が延びることが確認され、世界中の研究者が関心を寄せている。

 白澤部長は、特にカロリー制限が糖尿病になりやすい日本人の「長寿」にとって大切だという。血糖値をコントロールするインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のβ細胞の生物学的特性が、欧米人らと大きく異なっているためだ。「日本人をはじめとするアジア系の人たちのβ細胞のインスリン分泌能力は低く、栄養負荷がかかると太る以前に糖尿病を発症します。そして加齢に対する抵抗性も弱い」

 糖尿病が長寿の大敵であることは、国民の20%近い1600万人が糖尿病患者・予備軍であるにもかかわらず、100歳以上の糖尿病患者がほとんどいないことで明らかだという。「糖尿病と、その合併症の動脈硬化や心疾患によって、長生きできないということです」

 ≪野菜と免疫≫ 

 免疫も寿命を左右する要因だ。免疫機能は主に胸腺と腸管に由来するが、加齢に伴う免疫低下の一因は胸腺の萎縮であることが最近の研究で分かってきた。胸腺は成長期に発達を終えて加齢とともに萎縮する。萎縮は女性よりも男性で早い年齢から始まるため男女間で免疫力に差があり、世界中のどの地域でも女性が男性より長生きする理由のひとつとも言われている。

 高齢者の「命綱」となる腸管由来の免疫機能について、国立健康・栄養研究所栄養教育プログラムの饗場直美・主任研究員は「免疫機能の維持に欠かせないのが実は大腸菌。そのためにも整腸作用のある食物繊維や乳酸菌、納豆菌を含む発酵食品を適量に摂取することが大切です」という。しかし戦後は、イモ類や玄米など精米前の米食が大幅に減ったことで、日本人の食物繊維摂取量は不足しがちだ。

 野菜や豆類(納豆や豆腐)、緑茶、魚を多くとる日本食には、ポリフェノールをはじめ抗酸化・生活習慣病防止作用を持つ成分を含む食材が多く、日本人の長寿を支えていることは多くの研究者が指摘している。

 「『何を』『どれだけ』食べればバランスよく栄養摂取できるかについて、日本食を中心に分かりやすく示した『食事バランスガイド』を農林水産省と厚生労働省が共同で作成しているので参考にしてほしい。良くかんで、楽しく食事をすること。そして何より食べすぎないことが大切」と饗場研究員。

 だが、伝統的な日本の食文化にも落とし穴があると白澤部長はいう。例えば、米へのこだわり。高齢者の世代は「ご飯粒を食べ残すと、お百姓さんに申し訳ない」と教育され、おかずは残してもご飯は残さない。「米のような炭水化物はインスリンを刺激するため糖尿病のリスク要因となります。日本人は昔から米を食べてきて長寿になったと考える人もいるかもしれませんが、これまでは平均年齢が短くβ細胞の老化を考えないで済んだだけ。血糖値の急激な上昇を下げるためにも、ご飯と一緒に主菜、副菜をバランスよく食べるよう心がけてほしい」

   産経新聞  2007年6月18日
http://www.sankei.co.jp/culture/kagaku/070618/kgk070618001.htm

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