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チェダゼミナールコミュのケインズ 伊藤光晴著 岩波書店 1962年 ゼミのレジュメ 

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04EE769 与田 光将 ケインズ 新しい経済学の誕生 岩波書店 
? 知性主義 ? 新しい経済学の誕生 1新しい現実 古い理論 P47〜95

?知性主義 P47〜74
19世紀のはじめ以来、イギリスを支配していた思想はベンタムの功利主義哲学であった。それはすべての行動を、快楽と苦痛とにわけ、それを加えたり引いたりすることによって善意の判断を下すものであった。

一方ケンブリッジのソサエティーの一員であるG・E・ムーアはベンタムの意見に反対し、直観と知性を重視した。

ムーアと共にソサエティーの一員であったケインズもムーアの影響を受ける。彼を一生支えていた思想は知性主義である。知性主義とは人間の知性に信頼を置くもので、ケインズ自身も、自分の知性と直感を信じて行動する人間になった。

ケインズが属していたグループの1つとして「真夜中の会」が挙げられる。ソサエティーが哲学中心であるとすれば、真夜中の会の中心は芸術であった。もう少し言えば、人間の価値を、芸術を創造することの中に見出すという考え方であり、美が彼らの中心であった。

一方ケインズの経歴を見てみると、イートンからキングス・カレッジという、イギリスで選ばれたもののみが進むことの出来る道を辿った。彼の父は教師、母は物書き、後にケンブリッジの市長になった人であって、家庭は知性に満ちていた。

ケインズの考え方のひとつとしてビジネスデモクラシーというものがある。平たく言えば、能力さえあれば、資本を借りて企業家になれる社会のことをいう。つまり能力も知性もないのに、親からの財産によって豊かな生活をし、社会の指導者になっている人達に対する批判論でもある。能力がなくとも、知性がなくとも、財産があり家柄がよければ社会の指導者となりえるような社会は滅びる。反対に能力があり、知性がある人間が社会の上層に指導者として進みうる社会は発展する。資本主義を発展させるために世襲制度を取り除こうと彼は考えたのである。

ただし、ケインズの生活のかなりの部分が不労所得によって支えられていたという事実も見逃せない。さらに彼は無類のギャンブラーとしても知られている。賭博場で有名なモンテ・カルロに行ったり、時の首相チャーチルと賭けをしたり、商品投機に手を出したりしている。ここで重要なのは彼は「投資」をしたのではなく「投機」をしていたということである。投資は多額の資金を長く運用さえすれば利子を得ることができるが、投機は人間の能力と叡知を必要とする活動であり、彼が批判する、能力も知性もなく座して食う非活動階級とは別物である。彼を投機に向かわせた原因のひとつに、彼の収入が十分でなかったことも挙げられるのだが…
? 新しい経済学の誕生 1新しい現実 古い理論 P75〜P95

世界恐慌後のイギリス政府の対応
? 伝統的な均衡財政政策⇒収入と支出のバランスをとる
? 保護貿易⇒ブロック経済へ
? 賃金切り下げ⇒賃金が高止まりしていることが失業者を生み出す根源とされていたため

これらの考え方はマーシャル流の需要・供給・価格決定論に起因する。つまり財市場・金融市場・労働市場は需要と供給によって価格(利子・賃金)が決定するというものであり、当時のほとんどの経済学者達のコンセンサスであった。また技術革新や新たな資源の発掘・嗜好の変化も価格に影響するとされたし、市場が競争状態か独占状態かによっても価格に影響するとされた。以上のように、価格の自由な動きが、経済を調和に導くという経済についての見方が、自由競争、個人主義、安価な政府、均衡財政主義という、自由経済を特徴づける一連の思想を生み出した。と同時にこの見方は価格をもって経済を動かす戦略的な要因とみなすところから、外国製品との競争に対しては、これに関税をかけて外国品の価格を高めさえすれば、国内の産業は保護できるという考えを生み出した。国内に対しては自由競争を主張し、対外的には関税による保護政策をとるという一見矛盾する考えが、経済についての同じ理論と同じ見方から発生するのである。

しかしここで問題になってくるのは、何故賃金が需要と供給とを等しくする水準まで下がらないかという点である。もしも労働市場が競争的であるならば、当然賃金は低下し、需要と供給は等しくなり、働きたい人はすべて雇われるという完全雇用の状態まで達するはずである。ところが賃金が低下しないのは、この競争を阻害している労働市場での独占があるからである。つまり労働組合による労働供給の独占、賃金切り下げを受け入れない労働組合の力によって、賃金水準が高すぎ、その結果大量の失業者が生まれるのである。

これに対して理論的ではないけれども、直感的に批判したのがケインズである。ケインズは自由放任主義を批判し、公債による大規模な公共事業によって失業問題を解決しようと考えたのである。失業には単純に需要と供給だけの関係で決まるわけではなく、自発的失業者(idle man)と非自発的失業者を区別しなければならないこともあるし、需要と供給の枠を超えた問題が起きている可能性もあるからだ。この考え方が新しい経済学の誕生へとつながり、ケインズ政策は20世紀(特に戦後)の先進国の経済政策の主流となるのである。

語句調べ
イーストエンド ロンドンのシティー東部の労働者住居区。
シニシズム 常識を無視し冷笑的に振舞う生き方。
モンテ・カルロ モナコ公国の都市。地中海を俯瞰する位置にあって、娯楽場・賭博場がある。

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