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♡ ATT♡コミュのATTバトルロワイアル 第七十三話【クリーンなエネルギー】

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バキャッ





ジジジジ・・・ジ・・・





山積みになった機械の欠片たちがコードから火花を放っている。

その機械の欠片たちの前に立っている一人の男が自分の腕にへばり付いているちぎれたメカの腕を背後にポイっと放り投げた。





ガシャンッ





積まれた瓦礫の山がまた少し大きくなる。


彼は両手でパンパンと埃を払うと呟くように口を開いた。







きっしょい「ふぅ・・・・これで全部片付いたかな。」







きっしょいである。

絶望的かと思われたあの後、量産型サトルハイムを全て一人で片付けていた。

オリジナルに対してはかなりの苦戦を強いられたが、完全に機械となった量産型に対しては最初から本気で戦ったため結果はご覧の通りである。

しかし、彼も無傷と言うわけではない。

一度に100体の敵を相手にしたのだ。

最強と言われた彼でも全身に打撲と流血が見られる。







きっしょい「おお、いててて・・・まったく、なんてことしやがるんだ」







ズキズキと痛む全身を庇い、悪態をつきながら腰のポケットに入れていたタバコを咥える。

それに火を点けると彼は南西の空を見上げた。

太陽を隠すように要塞が浮かんでいる。

空中要塞プリウスである。






きっしょい「ふぅ〜・・・・どうせ中まで聞こえてるんだろ?・・・まさか、これで終わりってわけはねーよな、ミカよ。」






タバコの煙を吐き出しながらきっしょいは鋭い視線をプリウスに投げかけた。

トヨタの科学力は痛いほど分かった。

こんなレベルで終わるはずが無い。



一方、プリウスの内部にて。

彼の視線をもちろんモニター越しで確認していたミカチューの姿があった。

彼女はその視線を嬉しそうに見つめている。






ミカチュー「・・・・ウフフ、はる君。今そっちに向かうわね」






そう言ったミカチューは片手をさっと挙げ後ろの操縦担当に指示を出した。

それと同時にプリウス自体がきっしょいのいる崖の方向にゆっくりと旋回を始める。








きっしょい「・・・・・来たな」







見上げていた標的が自分に近づいてきたのを見てきっしょいにも好戦的な表情が浮かぶ。

彼の頭上付近までプリウスが移動した時、その要塞の中から外部放送が聞こえてきた。








ミカチュー『流石はる君、正直サトルハイムならイケルと思ってたわ!』









プリウスの中からマイクで外のきっしょいに語りかけているようだ。

きっしょいの耳にその声が届く。








きっしょい「人間の記憶ってのは寂しいな、俺はもっと強かっただろ?」








モニター越しに二人の視線がぶつかり合った。

両者の目がココからは本気の戦いだとでも言っているかのように見える。







ミカチュー『アハハハ、そうだったね!私が忘れてしまってたみたい、はる君のホントの強さを』


きっしょい「今に嫌になるほど思い出させてやるよ」






二人の気合に反応したのか、きっしょいの後ろに山積みになっているサトルハイムの残骸がショートによる小さな爆発を起こした。






ミカチュー『ふーん、でも私ケンカとか苦手だし、相手の苦しむ姿とか見たくないから一瞬で終わらせてあげるね』


きっしょい「・・・・一瞬?」







プリウスからの音声がきっしょいに届いた時、彼は『一瞬』と言う言葉に少し寒気を覚えた。

『一瞬』で相手を死に追いやる事が出来る武器、行動。

トヨタの科学力なら可能なことを脳内でリストアップしてみた。

一つもしこれなら嫌だなと思う事柄が思い浮かぶ。

そして案の定、彼の目の前にそれが現実として現われるのはその数秒後であった。








ミカチュー『・・・【レクサス】の準備を』









ウィーーーーーン








彼女の声と同時に突如空中のプリウスが唸る電子音を響かせた。

そして要塞の下部から何らや銀色に光る筒状の物が伸びてきた。

その筒がきっしょいの方向に向くとガシャンと音を立て停止する。

筒の先にはLEXUSの文字と黄色と黒の縞に色を塗られた柄、そしてあるマークが描かれていた。







きっしょい「・・・・おいおい・・・嘘だろ・・・・・何考えてるんだアイツ・・・」




そのマークをきっしょいは見つめた。

夏の風物詩、扇風機の羽に良く似たあのマーク。

彼はそのマークを先程最も見たくないものとして脳内で思い描いていた。

その表情が曇っていく。








きっしょい「・・・・・お前、分かっているのか?その武器の恐ろしさが。」







睨みつけるようにプリウスを見たきっしょいに対してミカチューの声が返ってくる。







ミカチュー『何か問題でもあるのかしら?』








その一言にきっしょいが叫ぶ。







きっしょい「お前ッ!それ核だぞ!俺だけじゃなくこの地域全体に何百年も毒を撒き散らすつもりかッ!!!」







鬼の形相を見せるきっしょいに対して当のミカチューは格下の者を扱うが如き表情でモニター越しにさらりと答えた。







ミカチュー「・・・何言ってるの、はる君。原子力はクリーンなエネルギーなのよ。」







そう言った彼女はそこで外部との回線を切った。

モニターの画面が切り替わる。

その画面には真っ黒のモニターに黄色で上下逆方向に走る=Caution=の文字が浮かぶ。

そして大きな音のサイレンが艦内中に響き渡っていた。







きっしょい「おい!!!待て!!!やめろーーーー!!!!・・・クソッ!アイツ回線切りやがったな!!」







突然騒がしくなった頭上の敵に対して何とか止めようと模索するがどうすることも出来ないきっしょい。

周りを見回してみても解決策が見つからない。












トヨタ社員「・・・・中村(ミカチュー)さん、本当に撃つんですか?」








そんな中、プリウスの中で一人のトヨタ社員がミカチューに質問をした。

流石に核である、躊躇する気持ちも分かる。

そんな社員に対してミカチューは笑顔で答えた。







ミカチュー「躊躇は死を招く。要は私達がこの大会で優勝すればイイだけの話なの。・・・・発射のカウントダウンもいらない。・・・・直ぐに撃ちなさい。」







彼女の言葉に固まってしまう社員。

トヨタ社員も核を持っていたことは知っていたのだが、実際使用するとは思っていなかった。

全身の言う事が利かなくなってしまった社員に対してミカチューは小さく溜息を吐くとポンと彼の肩に手を置いた。







ミカチュー「・・・・分かったわ、私がやる。・・・・発射スイッチをもらえるかしら?」







ミカチューの言葉に辛うじて社員は目配せでその位置を知らせた。

満足したようにスイッチの前に立つミカチュー。








ミカチュー「モニターをもう一度ターゲットへ!」








彼女の一言で正面モニターにきっしょいの姿が映し出される。

そこには必死でヤメロ!と叫んでいる様子が見て取れた。

それを確認したミカチューは今までで一番冷酷な笑顔を見せるとスイッチに指を掛けた。







ミカチュー「・・・・・ごめんね、はる君。」







彼女が悲しさと冷酷さが混ざったような複雑な表情を見せた次の瞬間。










ミカチュー「・・・・・プリウスってば、ブレーキ利かないの♪」












カチッ











乾いた音が発射スイッチより鳴り響いた。











脱落 量産型サトルハイム100体


【残り・31名】


続く

コメント(11)

レクサス卑怯www
はるくん!!リコールしてやれ!!笑
さぶ
レクサスを一発撃ち込むだけで、ミカチューの勝利が確定します。
さぁ大変だ。
波王
これだけのリコール騒ぎにも関わらず殆んど報道で取り上げられないトヨタの権力と財力。
まぁ勝てませんわな。
波王
まるで情報操作。
俺のウィッシュは大丈夫なのかな?
まぁタイヤが外れる三菱よりゃマシか。
はるきさんは核くらいじゃ死にませんよ。笑
さぶ
アホか。死ぬわ。
はよ四コマ描きなさい。
最近いろいろあって久しぶりに読めたむふっ
はるくんさすがに今回は核と差し違えるだろうなぁウッシッシ
デム
あら、お久しぶり!
相手は核だからねぇ・・・。
もっと早く読みたいだけどなかなか気付かんだよあせあせ

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