♡ ＡＴＴ♡コミュのＡＴＴバトルロワイアル　第四十話【新たなる戦いの火蓋】

鳳来の山に日の光が降り注いでいく。

突如那須君が撃ち殺されてから始まった狂気に満ちた殺し合い。

そんなバトルロワイアルが始まってから一つ夜が明けようとしていた。

周りで起こっている状況とは無縁の自然の野鳥達が朝を告げている。

＊「・・・・・・・夜が・・・明け・・・た？」

ここに一人の人物が目を覚ました。

森「・・・眠っていたみたいね。」

薄幸の美爆乳・モリコ、戦慄の二代目ネビュラ・ピーコとの連戦を制した森さんである。

朝の日差しに眩しそうに目を細めながら彼女はゆっくりと体を起こした。

森「・・・・・それにしても・・・」

そしてそっと自分の手元に視線を落とす。

森「・・・本当に良い物が手に入ったわね」

彼女の視線の先の腕には鎖分銅がジャラジャラと巻きついている。

そう、先の戦いでピーコから奪い取ったものである。

恐怖のネビュラチェーンは二代目から元祖の手に渡っていたのだ。

森「これさえあれば・・・誰にも負ける気はしないわ」

不敵な笑みを浮かべそう呟いた森さんは腕に巻きついていた鎖分銅をヘビが蠢くように操作してみせた。

まるで鎖が本当に生きているかのような奇怪な動きをする。

元祖ネビュラチェーンに掛かれば鎖は自由自在に動く手足、否、それ以上の性能を持った武器になるのである。

森「フフフフ・・・優勝が見えてきた・・・・ウフフフ！アハハハ！」

自分の得た武器とその強さ、そして完璧なる適合性に陶酔するかのように肩を震わせながら笑い出す森さん。

その笑い声に反応するかの如く森の中からカラスの群れがギャーギャーと声を上げ飛び立っていった。

その時である。

森さんはなんとなく見つめたカラスの群れが飛び立っていった方角に、ふと人影が見えたような気がした。

笑うのを止め、もう一度その方角を見つめなおす。

森「・・・・・・・？」

しかし森さんの視界には先ほどより遠くに飛び去っており小さくなったカラスしか映らなかった。

見間違いかと思い顔の向きを戻す森さん。

と次の瞬間、自分の目の前、顔のスレスレの所にこちらを見つめる人の顔があるではないか。

見間違いかと思われた一瞬の時間の中で人影の正体は一気に森さんの懐深くまで飛び込んできていたのだ。

常人なら心臓が飛び出るほどのシチュエーションであったが森さんはピクリともせず無表情で口を開いた。

森「・・・・近いわ」

＊「ククク・・・やぁ、ご無沙汰」

鬱陶しそうに話す森さんに対して、目の前にいた人物は不敵な笑みを浮かべ答える。

どうやらこの二人は以前に面識があるようである。

森「・・・・ふ～ん、まだ生き残ってたのね」

＊「・・・まぁな。」

森「・・・悪いけど盛大に殺すわよ」

＊「殺す？・・・ククク、俺に殺されるの間違いだろ？」

この人物が挑発するように放った一言に森さんの表情が少し変化を見せた。

そして反撃するかのように口を開く。

森「・・・私の力はよく知っていると思うけど？」

二人の会話が森さんのこの問いかけで一旦途切れる。

今度は問いかけをされた人物が僅かに一瞬イラっとした表情を見せたが、すぐ表情を戻ししばらく間を置いた後、口は笑ったまま目を大きく見開きながら見下すような様子で口を開いた。

＊「・・・ああ、よ～く知っている・・・身体に染み付いて吐き気がするほどにな・・・・・だがなぁ・・・お前のネビュラチェーンを引き千切るのは・・・」

そしてそこまで言うとその人物は突如表情を変え、今までとは違うドスの利いた声で森さんを睨みつけながら答えた。

庄ちゃん「・・・この俺だ」

森「・・・・・。」

４年間ネビュラチェーンを喰らい続けた男と４年間ネビュラチェーンで縛り続けた女の戦いの火蓋がここに切って落とされようとしていた。

【庄ちゃん・武器・ウルヴァリンの爪】

【残り　４４名】

続く