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♡ ATT♡コミュのATTバトルロワイアル 第三十六話【神殺しが如何なるものか・・・】

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さえか「グヘヘヘヘ、さぁ死出の旅路だ!神にでも祈るんだな!」




黒部に向かって勝ち誇ったドヤ顔をみせるさえか。

西の果てに沈もうとしている月明かりが顔の半分を照らし出し明暗のコントラストを作っている。




黒部「・・・・・・・。」




そのさえかを無表情で見つめ返すのは黒部。

右手のりえぶうに撃たれた傷から血が滴り落ちている。






さえか「・・・まぁ神って言ってもそんなものは端から存在していないけどな。キリストも仏陀もマホメットも元は所詮人間だ。宗教なんて貧弱な救えない奴らが勝手に創造した弱音の吐きどころってだけだぜ!ウヘヘヘヘッ!!」





楽しそうに話すさえかに黒部はここでも表情を変える事無く答える。






黒部「ふ〜ん、気が合うじゃないさえか。」






神などいない。

この言葉に共感の意を示す黒部。

その様子を見たさえかは更に嬉しそうな顔を見せると目を大きく見開いた。






さえか「ゲッハッハ!そうだ!勝負事の勝ち負けに神の悪戯なんてものは無ぇ!信心深い奴程救われるなんて方程式も無ぇ!・・・つまり何が言いたいかって言うとな」






そこまで続けるとさえかは四方に散った仲間にサッと左手で合図を送り銃を構えさす。

そして仲間の様子を確認した後、狂喜に満ちた声で叫んだ。








さえか「ここでお前が死んでいくのは、ただ純粋にお前が俺様より弱ぇからなんだよォォォォォォッ!!!!!」









叫び声と同時に腕を黒部に向けて振り下ろす。

と同時に彼女の仲間達が黒部に向かって一斉に発砲した。








ドババババババババババッ!!!








四方向からの波状攻撃。

黒部に向かって無数の凶弾が襲い掛かる。





しかしこの時黒部はさえかの腕が自分に振り下ろされると同時に動くほうの左腕で大鎌を振りかぶり、すぐ下の地面に向かって振り下ろしていた。





ぶわっ・・・・!





黒部の周りを砂埃が包み込む。








みのり「・・!?煙幕ッ?」






発砲していた4人が一瞬姿を見失った瞬間に黒部は大きく後ろに飛び退いた。

マシンガンの射程圏外へ脱出を計る。






さえか「グヘヘヘヘッ!美穂よ!丸見えだぜぇ!!」





黒部が後ろへ飛び退いた事をさえかは見抜いていた。

何故見えていない状況から把握出来たのであろうか。

すぐにさえかは呉谷に向かって合図を送る。






さえか「呉谷ッ!大鎌の反射を狙いなッ!!!」





呉谷「アイアイサーッ!!!!!!!」





何とさえかは月光に大鎌が反射する事も計算に入れていた。

計画から実行、不慮の事態に対しての適応力と全てにおいて完璧な戦術展開である。

死神を殺すにはこのくらいは必要なのだが、さえかの戦略は更に計算されつくされていた。

呉谷に次の攻撃を指示した事にも意味がある。

四人が持っていた銃の中で狙撃力がもっとも高いのが呉谷の持っていたFAMAS F1であるのだ。

呉谷のアサルトライフルなら後方に移動した黒部も射程圏内なのである。

黒部に向けてFAMASを構える呉谷、彼女の指が引き金に掛かろうとした。




しかし狙われている黒部もバカではない。

飛び退いた一歩目の足が地面に着くと同時に今度は真横に切り返えして跳ぶ。

そしてそのまま森の中へ体ごと突っ込んだ。





さえか「ククク・・・丸見え丸見え」






森の茂みの中に逃げ込んだ黒部。

暗がりに紛れようとしたのが狙いだった。

だが彼女は呉谷から正確に目で追われている。

彼女が持っている大鎌はキラキラと敵に場所を伝えてしまっていた。







さえか「呉谷よぉ・・・よ〜く狙え〜・・・クケケケケケッ!」







黒部が森の中を移動していく狙い目である光の反射を銃口でゆっくりと追っていく呉谷。

走って移動している時は当たりにくい。

ターゲットが足を止め動かなくなった瞬間を狙うのがベストである。




そんな中、同じく目でターゲットを追いながら、さえかが勝ち誇ったように口を開く。







さえか「・・・悪いな美穂、どんな強い虎や獅子も頭脳を使うという鍛錬を行った人間様には叶わねぇんだよ。ククククク・・・ゲハハハハハ!」








しばらく自分達4人を迂回するように動いていたターゲットだったが、突如その動きがピタリと止まった。

チャンスである。





呉谷「・・・もらったぁぁぁぁぁぁッ!!」




呉谷はその瞬間を見逃す事無く力いっぱいFAMASの引き金を引いた。







ガルルルルルルルルッ!!!








大鎌の周囲に逃げ場の無い弾幕が跳んだ。

銃から放たれた爆音の反響だけがその場を支配する。

光る大鎌の反射の周りから巻き上がった砂埃が視界を閉ざす。

次々とATTのメンバーを葬り去り、もはや誰にも止める事の出来ないかと思われた黒部に対して、さえかは多人数による波状攻撃と頭脳戦で不可能を可能にしたのだ。


まさに一瞬の出来事。


ほんの数秒のことであった。

巻き上がった砂埃も徐々に落ち着きを見せ、視界が良くなっていく。

耳がおかしくなりそうだった爆音も反響を止め、少しずつ音が聞こえるようになっていく。

今の4人の望みは一つの音を聞くことである。

さぁ後は黒部が地面に倒れる音を聞くだけである。

そこにいた全ての人間の五感が再び正常に機能し始めようとしていたそんな時。








彼女達は遂に一つの音を聞いたのだった。


























パーン














その音と同時に呉谷が地面に向かって前のめりに倒れた。

何があったのだろう。

顔面を守ろうともしていない。

頭を銃で撃ち抜かれており即死である。








さえか「・・・・!!鎌だけだとッ!?」








さえかが悲鳴に近い声を上げる。

なんと黒部は森を移動している時に手ごろな木に鎌を自分の身長に合わせ突き刺していた。

反射による場所の伝達を自分の居場所と擬態させる為に。










そして再び銃声が響き渡る。
















パーン













ドサッ!













今度はりえぶうが脳天を撃ち抜かれた。

地面に体を打ち付けるようにして倒れる。

彼女もまた断末魔を上げることも無く不意にその命を刈り取られてしまう。









みのり「・・いったい何処から撃ってきているのッ!?何でこの暗闇の中こんな正確にッ!?」






一瞬で仲間二人の命が奪われ困惑するみのり。


みのりの言葉を聞き、同時にさえかは黒部が持っている武器が何なのかをすぐに把握した、そしてみのり向かって大声で叫ぶ。







さえか「・・・赤外線スコープ搭載のスナイパーライフルだッ!みのりッ!狙い撃ちにされるぞ!小屋へ飛び込め!!!!」







さえかの声を同時にみのりもすばやく反応し、二人とも最初にいた小屋の中に転がるようにして飛び込んだ。

そしてすぐに窓際に背中を着けるようにして立ち両サイドから銃を構え、外の様子を窺う。

すると視線の先には、まさに二人が月を見上げながら会話をしていた時と同じような構図で黒部が道の向こうから一歩一歩近づいてきている。

森から出てきた彼女は前と全く同じ所まで近づいて来ると足を止めた。

今の状況が以前と違うところは黒部が右手から激しい流血をしている事、そして大鎌ではなくその左手にスナイパーライフルが握られているという事。

そして本来であれば自分達の後ろで眠っていた呉谷とりえぶうが黒部の後方で物言わぬ死体になってしまっている事を除いては何もかもが同じに思える。

さえかとみのりはタイムスリップに陥ったような感覚を覚えていた。






さえか「グヘヘヘヘ!やられたぜ!お前の武器は大鎌だけじゃなかったんだな!一体誰から奪ったんだ?ああ?」






窓越しから黒部に向かって問いかけるさえか。

黒部はその問いかけに首を軽く傾げた。







黒部「・・・・誰だったかしら?・・・・・殺しすぎて覚えてないわ。」







特に表情を変える事も無くそう答える。



【黒部・武器・レミントンM700(スナイパーライフル)】




そんな二人の横で、やりとりを聞いていたみのりは恐怖で体が硬直していくのを感じていた。

しかし動かない体で何とか勇気を搾り出し、銃を黒部に向けると口を開く。







みのり「・・・あんたは本当に危険。・・・お願いだからここで死んでもらうわ」






震える手で銃をカタカタ鳴らせながら銃口を光らせるみのりを見てさえかも銃口を黒部に向け直す。







さえか「グヘグヘグヘ!確かに、お前に生きててもらっちゃ何かと困るんだよ!」







そんな二人の視線を一身に受け、ずっと無表情だった黒部がきょとんとした表情を初めて見せる。

そして今まで無表情であった事の終わりを告げるかのように軽くクスリと微笑むとゆっくりと口を開いた。








黒部「ウフフ・・・二人とも、自分の足元を見てごらんなさい♪」









さえか・みのり「・・・・!?」


優しい笑顔でそう答える黒部、二人はゆっくりと自分達の足元を確認した。

視線の先に映った物。

緑と赤のランプが交互に点滅している六角形の物体が床に張り付いていた。

それも一つや二つではない。

何十個もの数の物体がそこでクリスマスイルミネーションのように点滅を繰り返しているのだ。






みのり「・・・・・これは、一体いつの間に。」



さえか「がっはっは!リモコン起爆式爆弾だ!どうやら二人を撃ち殺した時にはもう小屋の中に進入していたようだな!」








これだけの量である。

小屋から飛び出したとしても安全な距離までは間に合わないだろう。

何しろ外へ出たのなら狙撃されてしまう。

自分達の置かれている状況を一瞬で把握した二人が再び顔を上げ窓の外の人物を見た時、月夜に照らされた彼女はニッコリと満足そうな笑みを湛えていた。

手のひらには起爆用の腕時計の様なものが握られている。







黒部「・・・ウフフ、そう言えば今思い出したわ。このリモコン式爆弾とスナイパーライフル持ってたやつの事。」







楽しげに話す黒部に対しさえかが相手をした。



さえか「へぇ、誰だったんだい?」








黒部「う〜ん、名前は出てこないんだけどぉ・・・なんか『ウィーウィー』言ってた変な人。」









さえか「ゲハハハ!白飯じゃねーかッ!!」










思わぬ人物の登場に笑うさえか。

こんな状況で笑える彼女はもう既に腹を据えていた。









黒部「さてと、さえか、虎や獅子は鍛錬なんかしないのは何でか分かる?」








先ほどさえかが持論にしていた言葉を逆さにして返す黒部。

そして黒部のこの質問にさえかは自分の最後を感覚的に悟った。

一つ呆れたような表情でため息を吐くと小憎らしい笑顔を見せ答えるのだった。











さえか「・・・・・もともと強ぇからだ」






黒部「正解♪」










みのりもこの会話を聞くと何かに納得したかのように持っていた銃を床にゆっくりと置いた。

そして膝を抱えるとその場に蹲る。









さえか「・・・・・負けたぜ」






黒部「・・・・さよなら・・・さえか」











二人が最後の会話を交わした後、お互いがくるりと背中を向けた。

さえかは小屋の奥のほうへ、黒部も大鎌を回収すると来た道を再び引き返していく。







二人の視線が切れてから数秒後。

小屋のあった場所から数十キロ離れた所からでも確認出来るぐらい大きな火柱と爆発音が起こった。










人間に神を・・・・、死神を殺せる奴は存在にしないのであろうか。

存在出来たとしても、それはさえかではなかった。


ただ彼女達はその可能性に最も近づいた事だけは確かである。










脱落・さえか

脱落・みのり

脱落・りえぶう

脱落・呉谷


既に脱落・白飯(黒部の過去殺人の一人)




【残り・49名】





続く

コメント(15)

あーみー
ヤベー、つえー!
やっぱ優勝の最有力候補かなぁ?
あーみー
黒部は天然でこういう性格という設定です。
何かが憑いてるとかそういうオチではないよん。
怖や怖や。

じゅん
グヘヘヘヘッがキキキキキッに見える?
波王
でもりえぶうが怪我だけはさせたで不死身ではないよ。
浅野は不死身設定だったのに死んだけど。
ちょっとだけセリフ修正しました。
いつ爆弾しかけたかが曖昧だったので。
いかんいかん。読み直しをさぼっちゃダメだ。
あーみー
猟奇的で女性で美人だと尚更怖い。
黒部ハマリ過ぎ(笑)
強すぎー

でもなんだか気持ちいい!!!!www
さぶ
あつし「きっもちいィィィィィッ!!」
そういえばあつしさんまだ出てない!!
さぶ
そういえばそうだな。
なーんて、登場はもうすぐよ♪
抜かりが無いですねぇげっそり
まだ生き残ってることが奇跡だねバンザイ

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