♡ ＡＴＴ♡コミュのＡＴＴバトルロワイアル　第三十二話【ゲリラ死神包囲網】

ＡＴＴバトルロワイアル　第三十二話【ゲリラ死神包囲網】

黒部「まずはお前からッ！！」

りえぶう「・・・・！？」

四方に散開した４人のうち、りえぶうに狙いを絞った黒部が飛び掛る。

地面を一蹴りした彼女は信じられないスピードでりえぶうの間合いに入ると躊躇無く大鎌を振りかぶった。

黒部「さぁ！死になさいッ！！」

ヒュッ！

黒部はそう言うと武器であるイングラムを持っていたりえぶうの右手を狙い、腕ごと切り飛ばそうと振り下ろす。

りえぶう「・・・・！！」

風を切りながら腕に対して真横に飛んできた鎌を見てりえぶうは必死に体勢を捻った。

腕ごと吹き飛ばされるわけにはいかない。

ザクッ！！！

次の瞬間、肉に刃物が食い込む音が聞こえるとりえぶうの右手には黒部の大鎌が深々と突き刺さっていた。

何とか腕を切り飛ばされる事は免れたがその攻撃をかわすまでには至らない。

それほど黒部の動きは人間離れしているのである。

りえぶうは腕を刺された激痛で自分の武器を地面に落としてしまっていた。

みのり「りえぶぅぅぅぅーーーッ！！！」

その場にみのりの悲痛な叫び声がこだまする。

黒部はみのりのその声を聞くとりえぶうが刺さった大鎌をりえぶうごと持ち上げて彼女の方へ振り向いた。

黒部「ウフフ、みのり・・・次はこの子の首を刎ねてあげるわ♪」

狂気に満ちた笑顔でそう言った黒部。

彼女の頬に大鎌から自分の腕を伝ってきたりえぶうの血が滴り落ちている。

その様子を見ていたみのりと呉谷は余りの光景に身動きが取れなくなってしまっていた。

みのり「・・・・あ・あ。」

呉谷「・・・・りえ・・ぶぅが・・。」

怯える二人。

しかしこの時唯一冷静に状況を判断し落ち着いていた人物がいた。

さえか「グェヘヘヘヘ・・・そんくらいで何調子乗ってんだよ・・・美穂。」

さえかである。

彼女は武器を構える事も無く腕を組み、ニヤニヤと下品な笑みを浮かべていた。

そして持っていたタバコに火を点け、大きく息を吐くと、りえぶうに向かって一言言い放った。

さえか「おい、りえぶう！見せてやれッ！！」

さえかのその言葉に自分の鎌に突き刺さっているりえぶうの方に向き直る黒部。

視線の先のりえぶうは右腕から血を流しながら満面の笑みを浮かべている。

りえぶう「・・・両ッ！両ッ！」

そう叫んだりえぶうは左手を自分のおっぱいの谷間に突っ込んだ。

その行動を見てすぐ自分の置かれた状況を把握する黒部。

黒部「・・・！！二丁拳銃ッ！？」

りえぶうの左手には地面に落とした物と別のイングラムが握られていた。

黒部は咄嗟に突き刺さっていた鎌を引き抜こうとしたが切っ先をりえぶうがしっかりと握っておりピクリとも動かない。

りえぶう「両ォォォォォォォーーーーーーーーッ！！！！！！」

りえぶうの怒号と共にイングラムが唸りを上げる。

バババババババババババッ！！！！！！！

イングラムの弾幕が黒部の右腕に炸裂した。

彼女の腕に無数の穴が開き血が噴き出す。

と同時にりえぶうを持ち上げていた鎌は支える力を失い彼女と共に地面に落下した。

地面に鎌が到達すると、その反動で大きくバウンドし、りえぶうの右腕から鎌が外れりえぶうは自由を得た。

その瞬間りえぶうは落ちていたイングラムをすばやく回収し後方へ飛び退いていく。

同時に黒部はバウンドしていた鎌を撃たれた方と逆の左手で空中でひったくる。

そして撃たれた自分の右腕をきょとんとした表情で見つめた。

黒部「・・・・やるじゃない、これから片手で戦わなくてはならなくなったわ」

そして痛みを感じていないかの様な表情でさえかの方に向き直る。

さえか「ゲハハハハッ！悪いな美穂！アンタの死に場所は・・・・・」

楽しそうにダメージを負った黒部を見下すさえか。

そこまでセリフを口にすると右手をサッと挙げ周りに合図をする。

と、みのり、呉谷、そしてりえぶうが再び黒部に向けて銃を構えた。

全員の動きを確認したさえかは咥えていたタバコを吐き捨てるとゆっくりセリフを続けた。

さえか「・・・・ここだぜ！」

大きく目を見開いてそう言うさえか。

そのセリフを黒部は無表情で聞いていた。

【残り　５５名】

続く