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アーシュラ・K・ル・グィンコミュの【新作通報】Lavinia

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ル・グウィン女史の新作、Lavinia(ラヴィ二ア)が、米国で今年(2008年)4月に出版となりました。

ウェルギリウスが古代ローマ時代に書した叙事詩アエネーイスの登場人物ラウィニアの観点から書かれた作品だそうです。アエネーイスはトロイアの英雄アエネアスを主人公とするトロイ戦争のお話。

本のHP。(表紙の写真、出典)

http://www.powells.com/biblio/0151014248?&PID=25282

KBOOラジオインタヴューの録音は以下↓。

http://kboo.fm/node/8440

4月22日、ポートランドのPowells Booksのサイン会で朗読。

http://video.google.com/videoplay?docid=5859596608206926440&hl=en


位置情報
英語では
ウェルギリウス=Virgil
アエネーイス=The Aeneid
アエネアス=Aeneas

コメント(19)

BOUさん>今回の作品のジャンルは打って変わって歴史物だそうですw。
通勤電車の中でボチボチ読んでいるんですが、夏休みに入ったので中断中です。

Yumikoさんが紹介しているけど、元ネタの叙事詩「アエネーイス」ラテン語文学の古典中の古典で、それと同時に未完の大作。最後はラヴィニアという王女を巡って戦争が起きるんですが、この元ネタでは肝心のラウィニアの描写が殆ど無くて、ラヴィニアの取り合いをやっている英雄達の戦いが描かれています。

それをル=グイン先生は大胆不敵にもラヴィニアの視点で物語を語り直し、元ネタ作者のヴェルギリウスとラヴィニアを対話させるというメタフィクションを導入しております。連想されがちな平ったいフェミニズムとは一線を画しているのが、中々読ませてくれます。

文章は相変わらず、心地好いです。読んでいるのが幸せな本であります。
河出書房より11月12日、2310円で発売されるそうです。

内容は
SF/ファンタジー界に君臨するル・グウィンの最高傑作、ついに登場! 英雄叙事詩『アエネーイス』に想を得て、古代イタリアの王女として生きた一人の女性の数奇な運命を描いた、壮大な愛の物語。

とありました。
洋書買ったまま読んでいなかったので楽しみです。
そういえば、読み終わったのに、ここで感想を書いていませんでした。

元ネタの「アエネーイス」が日本ではそれほど知られていないのが、ちょっとハンディキャップかもしれないですが、ル=グイン先生の堂々たる(ファンタジーの入った)歴史小説です。というか、元ネタ自体がローマ建国史をトロイ戦争史に絡めた(そんなことは、まずあり得ない)ファンタジーなので、ル=グイン先生もノリノリの御様子。英語で読みながら、私はしみじみとシアワセでした。
十云年ぶりに訪れた北米で、
空港内の本屋に売っているのを発見して、嬉々として買ってきました。
そしたら翻訳本が出ることをココで知りました。

英語脳が残っているうちに、かつ翻訳本が出る前に読めるかどうか!
ル・グィンの英語は流暢・・・というか、
意味が曖昧でも何故か読み進めてしまうリズムがある気がします。
おかげで意味が追いきれず迷子になるのですが(−−;
 新作!楽しみです。
 「アエネーイス」の勉強を、発売までにしなければいけませんね。
読み終わりました。
当時の人々が本当にこんな暮らしをしていたんじゃないかと思わせる
描写力はさすがです。
そういえば、ブラッド・ピット主演の映画「トロイ」にアエネーアスが
トロイを脱出するシーンが最後の方にちょっとだけありましたね。
あれから苦労してイタリアにたどり着いたんですねえ。
 読み終わりました。
 翻訳であっても、美しい語りだ、とは思いました。
 うーん、アエネーアスの基礎知識がなかったので、ピンとこないことが多くて、ちょっとつらかったというのが正直なところ。
 なので、男は戦争してばかりだな、というような単純なこと以上に、うまく読み取れなくって。語りの美しさにばかり、心をうばわれてしまうんです。
 とても楽しんだんですけど、ちょっと、くやしいかな。
アーシュラ・K・ル=グウィン77歳の著「ラウィーニア」

叙事詩「アエネーイス」に着想を得た古代イタリアの物語。
ラティウム(古代イタリア)のラウレンテゥムの王の娘、ラウィーニア。
19歳のラウィーニアに、近隣の有力な王国の王子たちが次々と求婚にくる。

祖先の墓所に墓参した折、何世紀のあとの詩人ウェルギリウスの生霊に出会い、
詩人から、異邦人であるトロイの英雄アエネーイスの妻となり、
その子孫が大帝国(ローマ帝国)を建てて、何世紀も繁栄する予言を聞かされる。

ラウィーニアとの結婚とイタリア諸都市との同盟をめぐって、
戦いがくりひろげられ、幾多の犠牲者を出した挙句、
アエネーイスは、同盟者・ラウィーニアの夫として迎えられ....
だがその治世は、3年しか続かないことまで、詩人は予言していた。
物語は、予言を知ったラウィーニアの心のうちを語る一人称で進行する。

著者のル=グウィンは、なんと77歳でこの作品を書いている。
ほかの作品では『ヴォイス』に雰囲気が似ているかもしれない。
---- 『ヴォイス』むちゃくちゃ好きな作品なんです----
でも、こちらの作品のほうがもう少し重厚です。
 ラウィーニアを購入してから3ヶ月になりますが、のめりこめずにいます。 英語を母語とする人々の古典はギリシャ、ラテンですが、こちらはそのような基盤がない。
 (日本語訳で 英語訛りや教会ラテン語ではない古典期ラテン語の発音を移していることも含め、作品全体の意図には好感が持てるのです。でもギリシャ語の素養もなくアエネードを読み通したこともない私にはちょっと、、、)
 ギフト、ヴォイス、パワーの三部作にはそのようなあからさまな固定したバックグラウンドが無い所為か楽にその世界に溶け込めたのですが、、、もう少し時間がかかりそうです。

読みました。
メタな展開にもかかわらず、
ラウィーニアが確かに生きていたと感じさせてくれる。
どうしたらあんな素敵な文章が書けるんでしょう。

余談ですがー
YouTubeにルグイン自身がこの本の冒頭を朗読する動画がアップされていて、
ファンとしてはたまらない感じです。
声も素敵揺れるハート
読み始めました。
基本的に一人称でありながら、視点が時間的にも空間的にも移動して、浮遊感がある、悪く言えばとらえどころのない不安定な叙述です。
このような文体は、ルグインにあってのみ可能なのでしょう。
アーシュラ・K・ル・グインの長編小説「ラウィーニア」を読み終えた。
舞台は、トロイア戦争の敗将アエネーアスが、滅んだ故国から地中海の長い放浪の航海を終えて、予言の地イタリアローマ近くに着き、当地を治めるラテン人の王の娘ラウィーニアを娶り、王国を築くというもの。

古代ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩から、まるで、今そこで起こっている事柄のように物語を紡いでいる。その語り口は静かで淡々としている、まさにそれゆえにこそリアリティーが増している。
話しの中には、ラウィーニアの婚約者と自認する、ラテン人の若く猛々しい美男の王の部族との凄惨な戦闘場面もあるが、まるで壁画を見るように淡々と描かれている。英雄の雄々しさや戦の栄光は消え失せ、武器が肉体を切り裂き貫くリアリティが目の前に迫り、血の臭いと断末魔の最後の息づかいが聞こえる。

この物語の傑出してユニークなところは、神話時代が、終始女性であるラウィーニアの目と言葉を通じて描かれているところである。
およそ神話は、男性が男の視点で語る。戦での誉れは男のもので、王国の統治と政治もまた男のものである。
ルグインの慧眼は、女性の一人称「私・ラウィーニア・王の一人娘・巫女」で語らせることで、男の世界を一変させる。
女性の語る歴史は、彫像で残る猛き英雄の姿はなく、時に残酷でもある運命にじっと耐え、祈り糸を紡ぎ食物を用意し、戦いで傷ついた男を介抱し、子供を守り育てる姿が主役である。

ルグインは、ラテン語を猛烈に勉強し、専門家から助言を受け、古代と現代のローマ付近の地理を研究したという。
壮大な宇宙世界も書くし、ゲド戦記のようなファンタジー世界も描く彼女だが、一貫して、女・男・人間・言葉とコミュニケーションというテーマが貫いていてぶれない。
1929年生まれで87才。
無愛想なボブ・ディランが要らないというなら、彼女にノーベル文学賞を授賞替えしてもらいたいものだ。

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