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シリコンバレー研究コミュのシリコンバレーの“生態系”

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スタンフォード大学のウィリアム・ミラー教授は、シリコンバレーを社会学的に分析し、これを“生態系”に喩えています。

この“生態系”の中で弁護士がどのような位置づけをされているのか、またそこから導かれる日本に対する示唆について考察したプレゼンテーションを、ここシリコンバレーで行いました。

こんなテーマに興味がある方がいましたら、ぜひ語りましょう。

コメント(13)

トピから時間が経ってしまいましたが、とても興味があります。簡単で構いませんので、ご教授いただけませんか?
>MASさん

どうもありがとうございます。トピを立てていたのも忘れていました(笑)。
弁理士さんを含めたプロフェッショナルの方々のシリコンバレーでの働きは、他の地域のそれとは若干異なるように思います。その最も大きな特徴の一つが、事業へのコミットの度合い、クライアントを顧客としてではなくビジネスパートナーと捉える姿勢、だと思います。

このような姿勢でクライアントを捉える理由の一つは、クライアントがスタートアップ企業であるためフィーの支払いに不確実性が伴う、ということにあると思います。プロフェッショナルは、自らのフィーの支払いを確実ならしめるため、クライアントに成功してもらわなければなりません。そのようなモチベーションが働くため、プロフェッショナルは、自らの持っているネットワークを駆使して、他専門領域を持つ組織や人を巻き込んで自らのクライアントのバックアップを行います。クライアントは単にフィーを払ってくれるお客様なのではなく、自分との運命共同体、まさにビジネスパートナーになるわけです。そしてまた、そのフィーの構成も、それに見合った方式でストラクチャリングされています。

こうした積極的なクライアント=スタートアップ企業の事業へのコミットが、ベンチャービジネスの成功の確率を高め、これに携わっていた創業者は、自らの成功体験やマネーを、更に新たに生まれてくるスタートアップ企業への投資やアドバイスに宛てていく、そういった生態系が、ここシリコンバレーには確かにあります。

このようにうまく回っている仕組みは、なかなか他の地域を見回しても見つからないそうですが、良いところはぜひ日本でも取り入れていきたいものです。


 突然,失礼いたします。面白そうな,お話なのでお邪魔しました。

 私も,シリコンバレーでの会社経営をはじめたはしくれとして,興味のあるところです。

 素朴な疑問なのですが,弁護士の先生が顧客をビジネスパートナーとして捉えるという点ですが,お金の面だけでなく,経営陣に対して忌憚なき意見も述べる,というような意味なのでしょうかね? (抽象的ですみません。私自身,良く考えがまとまらず,脊髄反射でお聞きしています。)
とても勉強になります。ありがとうございます。
プロフェッショナル自らが、スタートアップのパートナー、運命共同体として、その成功を最大限に後押しするということですね。

ということは、プロフェッショナルの人々は、そのスタートアップにチームとして参加する前にスタートアップの見極めをすると思うのですが、その為の評価軸の中で一番大きなファクターは何なのでしょうか。プロフェッショナル毎に違うとは思うのですが、その共通項のようなモノがあれば、伺いたいなと思いました。
>Yasuさん
コメントどうもありがとうございます。

ご質問の件、弁護士にとって、パートナーである顧客がビジネスを軌道に乗せることができるか、は自分のフィー回収にとってクリティカルな問題になります。特に最近のウェブ関連事業では、経営陣(創業者)サイドが技術の優位性にフォーカスしすぎて肝心の「どのようにキャッシュを生み出すのか」という点の詰めが甘いことが多くあります。

ここシリコンバレーでは、事業を始めようと考えた場合にまず最初に訪れるのが弁護士のところだ、と言われているくらい、弁護士は事業の最初の段階から関わります。ビジネスプランを携えて訪れる創業者に対し、弁護士は、過去自分が関わった案件から見た、スタートアップ企業が見過ごしがちな盲点について、ビジネス的な観点から指摘する、などといったことが通常行われます。また、この段階で、参考にすべきコンペティターや過去の先例、相談すべきコンサルタントなどについてのアドバイスを与えることもあります。

また、事業が軌道に乗りつつある段階でも、会社の求めに応じ、適宜取締役会に出席し、必要なアドバイスを行う等の活動も通常見られます。
>ゆうすけさん
コメントどうもありがとうございます。

見極めの点については、色々な人が色々なことを言っていますが、もっとも人口に膾炙されるのはVCの投資選別基準でしょう。彼らは、もちろんビジネスプランの内容やフォーカスする事業の市場規模、と言った投資の際に当然チェックすべき点について最初に確認しますが、それらがなされた後にチェックするポイントは創業者のバックグラウンドだと言われています
。

過去に創業の経験がある人は、それが成功であれ失敗であれ(もちろん成功の方が良いわけですが)評価されます。また、これは米国は最も露骨な学歴社会だと言われる所以かと思いますが、最終学歴や出身大学も評価のポイントです。こちらの事業はエモーショナルな点よりも合理的であることが重視されますが、合理的・戦略的な思考ができるかどうか、その人がどれだけスマートかは、事業の成功に大きな影響を与えます。スマートさを端的に示す指標が学歴だ、という比較的ストレートな評価軸です。

さらに、その創業者が他の人の紹介による場合、その紹介者が誰か、という点も重要です。紹介者が他人を紹介するときは、自分のレピュテーションを賭けて紹介することになるわけなので、一流の人は一流の人に対しておかしな人は紹介しません。こちらでしっかりした評価を得ているプロフェッショナルの人は、自分の信頼する他の業種のプロフェッショナルとタッグを組んで、ディールを前に進めていく、単なるコンサルタントではなくまさにディールメーカーとして活躍しています。
お二人への質問のやり取りを見ていてよく分かりました。ありがとうございます。有能なビジネスコンサルタントとしての弁護士と、私も共に働きたいと探していますが、現実はなかなか見つかりません。有能なビジネスコンサルタントとして多くの弁護士が活躍していると同時に、非常に質の悪い弁護士が数多いのも現状だと思います。その点で、ご指摘のようにreputationが大事なんだなと思いました。
>はくさん斎さん

ご返答,ありがとうございました。私の思いつきの考えのまとまっていない質問に,真摯にご回答をいただきまして,感動しております。
 まさに,生態系で言えば,共生の関係になっているわけですね。たいへん勉強になりました。
 個人的には,米国の移民法弁護士の先生とは,まさに,そのような共生関係をしっかりと確立できて,うまくいっている経験があるので,それとの類推で,しっくりと理解できました。

 で,生態系があるのであれば,そのような生態系になるまでの歴史,いわば生態史が積み重なってあるのだろうな,と,梅棹忠夫『文明の生態史観』をふと思い出しました。(またとりとめがなく,すみません。)
>MASさん
どうもありがとうございます。
日本でも実は同じですが、特にUSでは、弁護士数が多いことも相まって、なかなか自分が望むスキルセットを持つ弁護士に巡り会うのが難しいというような話をよく聞きます。
よい弁護士に出会うためにはreputationをたどっていくべきとの意見に基本的に賛成です。ただ、そのreputationは、マスコミ等のメディアによるものではなく、自ら、又は自らが信頼を置く人の評価に基づくものが、より確度が高いように感じます。
>pokexさん
ご質問に正面から答えられているかどうか自信がないのですが、ここシリコンバレーでは、人と人とのネットワークと、これが生み出すアウトプット、さらにそのアウトプットが新たなインプットとなって新たな循環を生み出す様を「eco-system」という言葉で表現します。

つまり、人的なネットワークを核としてヴァリューを生み出していくシステムそのものを、生態系という言葉で言い表しているのだと思います。
>Yasuさん
どうもありがとうございます。
文明の生態史観、とても懐かしいですね。高校生の頃に教師に読むように勧められて読んだ記憶がよみがえりました。
私なりにシリコンバレーの生態系ということについて考えているのですが、最近では、「生態」という言葉に敢えてこだわる必要はないかもしれないと考えています。ポイントは、ベンチャーという本源的にハイリスクな事業形態をシステマチックに生み出し育てることによって社会にイノベーションを起こすために、どのようなシステムが必要か、という点にあります。このためのシステムは国によって異なる可能性はありますが、シリコンバレーでうまく回っているシステムのうち取り入れるべきものは日本でも取り入れることによって、日本に巣食う旧弊を打破できるのではないか、というのが、基本的な私のスタンスです。

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