貸倉庫からダンボールを取り出し、3年前に焼いた Knoppix LiveCD を捨てて、Knoppix LiveDVD を焼き直しているところです。古すぎる救済用 Linux は新しいハードウェアとの互換性などに心配事があるため、だいたい3年おきに焼き直します。
救済用 Linux LiveDVD は数年おきに焼き直して一家に一枚保管しましょう。Linux 使いだけでなく、私のようなな Windows 使いや Mac 使いにもお薦めします。
スマホやタブレット、会社支給のノートが一般的な昨今、「予備のパソコン」が必要不可欠なのはかつての私のような学生や自営業の人々だけではないでしょうか。予備のパソコンがない場合、唯一のパソコンの boot loader や OS が起動しなくなった後では遅すぎます。こんなとき、スマホやタブレット[*]、会社支給のノートで後述する「救済用 Linux LiveUSB」を作成することは難しいことに注意しましょう。
再利用できる USB メモリーに書き込んで「救済用 Linux LiveUSB」を作成する方法もありますが、「書き込みが簡単」「壊れにくい」「長期保存できる」といった点から DVD-R は依然として最良の方法です。唯一の欠点は DVD ドライブが必要なことですが、外付けでも良いので一台常備していることをおすすめします。
それではまた貸倉庫に行って、先の Knoppix LiveDVD をダンボールに入れてきます。
* スマホやタブレットでも「microSD」と「スマホ用 iso アーカイブ展開アプリ」で「救済用 Linux LiveSD」を作成できるかも。iPhone のように microSD がない場合、「USBメモリー」に加えて「スマホ用 USB Type-A メスアダプター」みたいな変態小道具が必要であることに注意。 How-to Geek: "How to Use a USB Flash Drive with Your Android Phone or Tablet" https://www.howtogeek.com/129800 そこまでするなら普通に「外付け DVD ドライブ」と「DVD-R」を買いましょう。
【壊れた理由2】 OS を壊した
※ Windows Bitlocker を使用している場合には OS の修理が先行します。
後述する 戦法 II 『重要なファイルだけ優先的に救出する』が効果的です。その後に取り損ねが無いか不安である場合にはクローン作成をしても良いでしょう。最も、私だったら壊れた OS のディスク クローンなんて作成しませんが。
【壊れた理由3】 OS が起動できない思い当たりがない、ディスクが破損している可能性がある
戦法 I 『ディスク クローン』
時間が許される場合にはディスク クローンから始めることをおすすめします。
利点:ファイルを最も救出しやすい。破損しているディスクに負荷をかけるともっと破損する。クローン作成はファイルの読み書きと比較してディスクに負荷がかかりにくい。
欠点:差分ではなくフル バックアップをとるため長時間かかる。例えば USB 3.0 で外付け HDD に1TB 書き込んだ場合、30 MB/s 程度なので10時間かかる計算になる。
戦法 II 『重要なファイルだけ優先的に救出する』
ディスクが破損している可能性がある場合、最後のバックアップで撮り損ねたファイルのうち重要なものだけを 外付け HDD 等に放り込む方法があります。ファイル単位でデータ修復を施してもよいでしょう。この戦法はディスクから異常音がしていたりとクローン作成のために数十時間も待てない場合に有効です。
利点:重要なファイルを短時間で救出できる
欠点:ファイルごとにつまみ出す操作は破損ディスクをより破損させる。そのため救出するファイルが多い場合には後半失敗する可能性が高まる。
先述のとおり bootloader の修復・データ救済に特化した Linux distribution もあるのでそれらを選ぶのが良いでしょう。
Linux をスタンドアロンで使っている場合、たいてい USB メモリーに一時的に LiveUSB として書き込んで、Linux のインストールが終わって安定したらその USB メモリーをフォーマットして他の用途に再使用するものと思います。DVD-R ならフリスビーみたいにゴミ箱に投げ捨てられる儚い生涯でしょう。
ちなみに私はメインが Windows、CentOS や FreeBSD は仮想で動かして Cygwin で SSH 操作をしています。このとき、LiveDVD は ISO イメージで Hyper-V や OpenBox に読ませるため、DVD-R や USB メモリーのような外部メディアに焼くことはありません。ただし Windows が壊れると困るので、救済用 Linux LiveDVD を3年おきくらいに焼いて保管しています。
Ars Technica: "The PC BIOS will be killed off by 2020 as Intel plans move to pure UEF". 22 Nov 2017.
https://arstechnica.com/gadgets/2017/11/intel-to-kill-off-the-last-vestiges-of-the-ancient-pc-bios-by-2020