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机上の空論コミュの05

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05


R「お前はなんかないのか?特殊体験…。男と女の特殊体験…」
K「あるよ。聞いて驚くな」
R「大抵の事には驚かないよ」
K「去年の夏のこと、これはちょっとしたホラー&サスペンス」
R「〜って火曜劇場?」

去年の夏、ある日の夕刻
突然の通り雨に降られたKは駅前の喫茶店に入り雨宿り。
店内は他大勢の雨宿り客で満員。店員からは相席を頼まれた。
通された奥の席にはひとりの女性、年齢はKよりちょっと上くらい。
K「失礼、座りますね。表は雨でね、混んでますね」
会話を期待しての発言ではなかったが、思わず返事が返って来た。
女「16時44分、ぴったりだわ」
K「なにがです?」
女「あなたが来るのがよ。私、知ってたの。ずっと前から」
Kは訝しげに思いながらも話を続けてみた。
K「知ってたって、じゃああなたは、ぼくを待ってたんですか?」
女「そうよ」

頭がこんがらがったところで店員が注文を取りにやって来た。
K「えーと…アールグレイティー下さい。ホットで、ミルクも付けて」
女「うふ、その注文も思った通り」
K「今のは誰だってそう言えるんじゃない?」
女「私、未来と過去が分かるの」
そう言いながら女は手帳を突きつけた。
そこには「午後4時44分、アールグレイにミルクの男」との文字。
K「君、速記の才能もあるんだね」
女は少しだけ笑った。

紅茶が運ばれたあと、Kは訊ねた。
K「で、その先の未来は?このあとはどうなってるの?」
女「私とあなたは付合うのよ」
K「ほー、それはそれは…」
女「とりあえず携帯電話の番号を教えて。番号までは分からないわ」
新手の宗教の勧誘にしては回りくどいし、何しろその女性が
Kの好みの顔だったのでKは電話番号を教えてしまった。
雨があがったと知り、その場は別れた。

後日呼び出され夕食を共に。
話題は彼女の不思議な能力について及んだ。
女「知らない、いつの間にか分かるようになったの。でも便利よ」
K「過去も分かるって言ってたよね?あれはどういう意味」
女「前世よ。分かるの」
K「ぼくのも?」
女「もちろん。誕生日を言って」
彼女によるとKの前世は南アジアのベンガル地方にのみ生息する
ピンク色をした珍しいウサギの雄、だそうだ。
根拠はどこにもない。だが彼女の惑いの無い口調や物腰、
身にまとう雰囲気がその一言一言を神秘的なものにした。

別れは突然やって来た。
仕事の帰りに電車に乗ろうと待っていると到着車輌から彼女が降りて来た。
女「ごめんなさい、今すぐ言わなきゃいけないと思って」
K「はあ…」
女「次の相手が決まっちゃったの。残念だけどお別れだわ」
それだけ言うと同じ電車に素早く乗り込み、窓越しに笑顔で手を振った。
ホームに取り残されたKは遠く彼方へ運ばれゆく彼女をただ見送るばかり。
彼女の言動は概ね突拍子の無いものだったが
自分が何をすべきか明確に分かっている人生はムダが無くてよさそうだ。

R「確かに特殊だね」
K「ちなみに彼女、誕生日さえわかれば写真だけでもその人の
  前世がわかるんだ。つまり…見てもらったんだよ、お前の前世も」
R「えっ!で、で、なんだったワケ?」
K「ゴ…やっぱ教えない」
R「なんだよそれー!!!」
(つづく)

コメント(1)

ゴ!?

ゴ!?

ゴリ…?

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

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