芸術の日本　美術・評論を中心にコミュの解剖マスターピース／NHK BS

『世界のさまざまな“マスターピース＝傑作”のひとつを取り上げ、その魅力を徹底解剖するシリーズの美術エンターテインメント番組。』
NHK BS

「モナ・リザ」の回は、特に面白かった。なかでも、頭蓋骨から元の顔を復顔する“復顔師”の戸坂明日香さんの試みが興味深い。

写真①

ヤマザキマリ　【医院長】
漫画家・文筆家・画家

【医院長と解剖医のスペシャリストの体裁をとる】

写真③

戸坂明日香（複顔師）【解剖医】

2012年3月東京藝術大学大学院博士後期課程を修了

2025年度: 京都大学, 人と社会の未来研究院, 特定研究員

写真③右上

縄文人の復顔などを研究・発表している

写真③左、右下

今回は、復顔のプロセスとは逆に、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」から頭蓋骨を逆復顔している

その結果は、
額の丸みは女性的特徴だが眼窩口は男性的特徴をもっている。
口元・あごは子どもの形だが、鼻は老人の特徴だという。

“老若男女の特徴をすべて兼ね備えた特異な頭蓋骨”だそうだ。

なるほど！　モナ・リザの微笑みの謎は、見る人によって、女性的にも、中性的にも、年齢不詳で、誘惑しているようにも、はにかんでいるようにも、優しげで、皮肉でもある。

レオナルド・ダ・ヴィンチが、
死ぬまで手元に置いて加筆し続けたモナ・リザは、
人間と自然の研究を重ね、老若男女を統合した「汎人類」と「世界・自然の摂理」を描いたのかもしれない…