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意味不明小説(ショートショート)コミュのむだい

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「無題」というタイトルの絵を描いた

いや絵を描いてタイトルをつけあぐねて無題とした。というほうが正しいだろうか。

 私は売れない画家である。文字通り売れない画家である。私の書いた絵は売れてない。つまりまったく需要のない絵ばかり描いている。そういう意味では画家というのもおこがましいのかもしれない。
 
 生活のためにアルバイトをしている。夜警のアルバイトだ。私の生活には、中世の不遇の画家のような清潔感はない。労働で汚れきっている。仕事を終えアパートに帰る。そして描きかけの絵と買ってきたお弁当を交互に見て、筆を取ろうか食事をとろうか悩むが結局食欲に負け食事を優先させる。そして眠気に襲われ布団にもぐりこむ。

 日が高くなる頃起き出す。そしてパソコンの電源を入れる。最近mixiというやつを始めた。そしてあるコミュニティーに参加した。そこでは創作意欲に溢れ、作品生み出したはいいが、どこに発表していいか分からないといった私のような生ぬるい表現者達が集っている。そこで複数の人とマイミクになった
 
 マイミクの中にとりわけ頻繁にやり取りをしている人がいる。実際の友人などではなくmixiで知り合った人で会ったこともない。彼は毎日のようにショートショートと呼ばれる短い小説のようなものを日記に書いている。そんなに文章は上手くないのだが何しろ毎日書いているので、こちらもついつい彼の日記を毎日チェックしてしまう

 4月5日の日記に書かれたショートショートを読む。売れない画家の話のようだ。読み進めていくうち自分との共通点に気づく、、、、これは私のことではないのか?

 彼の日記にコメントを残した

「これはひょっとして私のことですか?」

しばらくすると彼がコメントをかえしてきた

「そうですよ。よく分かりましたね」

自分が作品の登場人物になっていることに対してこそばゆい気持ちになった

「迷惑でしたか?」
彼からのコメント

「いえそんなことは無いですけど、、、

と書いて括弧を閉じるべきか悩んだが、思い切って付け足す

、、、話は変わりますが先日メールした私の絵は見ていただけましたか?」

直に絵をメールできるわけではないので、写真を送ったのだ

「見ましたよ。とても印象深い絵ですね」
と返事が返ってきた

「印象深いですか?私は抽象画しか描けません。写実的に描こうと対象物に目を凝らし筆を動かすのですが、そうすればするほど抽象的になってしますのです。この絵が何を描いているか分かりますか?」

「そうですね、、、僕には、、、、かごいっぱいに無造作に盛られた腐りかけの野菜がごろごろしているように見えます」

私は正直驚いた
「なんでわかったのですか?」

私の絵は原型を止めておらず、色使いも現実の野菜に敬意を払っているものでなく、激しく世界を歪めていて、とても私以外には何を描いたのか分からないと思っていた

「理由は聞かないほうがいいです。それはあなたのアイデンティティを脅かすことになりますよ」

「どういう意味ですか?」

「言葉以上の意味はありません」

「教えていただけなければこの場で自分が崩壊してしまいそうです。教えていただけませんか?」

ここまではチャットのようにテンポよくコメントの応酬をしていたのだが、急にコメントが途絶え私を不安にさせた。時間を空けて何度もブラウザの更新ボタンを押し、新たなコメントを待つ、、、、、そして

「始めに言っておきます。あなたの描いた絵はあなただけの創作物です。かつての作品もすべてそうです。私の関知するものではありません、、、、ただ、、、、



、、、、、あなたを書いたのは私なのです」


、、、、、、

いきなり 」 で文章を締め切られても私はどうしていいか分からない

「何度も聞いてすいませんどういう意味ですか?」

「意味ですか?自分が書いている人物に、リアルタイムに存在意義を尋ねられる、、、、失礼かもしれませんがとても愉快なことです。あなたは私が今書いている創作です。もし私が急にここで書くことを止めれば、あなたの世界はそこで閉ざされてしまいます。ただここを訪れた人がこれを読むたびにあなたは活動を再開します。基本的には同じ行動の繰り返しですが、読む人により若干の想像による補完がなされます。ある人はあなたを美男子に思うでしょう。そしてある人はあなたを20代半ばと想像するでしょう。私は二度とあなたについて書かないでしょう。これからは読む人があなたにすこしづつ新しい展開を付け加えていきます。それは文章になるわけではありませんが、、、、だからといって決して存在しないわけではありません。あなたにも未来はあります。ある人はあなたの後の成功を思い描くかもしれません」

「私は、、、、そうなのですか、、、、一つお願いしてもいいですか?」

「あなたが私にですか?」

「そうです」

「どうぞ」

僕はここまで書いて自分で自分にするお願いとして次に何を書くべきか思い悩む。いったんトイレに行き、お茶を飲んで、iphoneのゲームをして、あんまり待たせるのは彼に失礼かなと思いパソコンに向かう

「あなたのこの日記にイイネをつけていいですか?」

、、、、、なるほど、そうきたか、、、

「そして短いコメントでいいので、私の書きそうなコメントを少し書いてください」

、、、、、

「そしてできれば、コメントを返してください。私を完全なる抽象にしないでください」

僕は心で彼の今後のことや、彼の描いた数々の絵。そして僕がこの後にとるべき行動をいろいろと考えながらページの下の 入力内容を確認する というボタンにマウスをあわせてダブルクリックした

コメント(2)

なんだか怖いフラクタル。
舞台がこのコミュニティ自身というのは、新しいかも。
ありがとうございます^^こういうの書くの楽しいですよね。でも集中して書いてると頭がクラクラしてきますw

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