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意味不明小説(ショートショート)コミュのなつのおひるね

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君と手をつないだ瞬間一つになった。
気持ちがとかそういう事ではなく、もっと物質的に。そう、手が指がくっついて一本になってしまったのだ。しばらくするとじわじわと、君の内面が伝わってくるのが感じられた。他人の心の中はこうなっているのだという事がほんわかと浸透してくる。君が僕の中に入ってきているというのもうっすらと感じられる。お互いに拒否反応はないようだ。ぬるめのお湯に半身浴している様になんだか心地よい。

ちょうど気持ちが50/50になったあたりで、僕等はほぼ同時に深く膝を折り、Zooooon! っと上空に飛び上がった。夏の終わりの夕方の空は、お日様のニオイが残る海岸線の広い道路の様にどこまでも続いている。上昇を続けると、一体どこまでが僕でどこからが君なのか、気持ちの垣根がなくなってしまった。些か不安な感じもしたが、腕だけじゃなく頭も足も胴体も一体化してしまった今では、もうそんな事どうでもよくなってきていた。

昇るだけでは退屈なので、今度は横にスライドしてみた。飛び慣れていないせいか、体を共有しているためか、最初はフラフラしていたが、徐々に安定してきた。景色が段々と緑っぽくなってきたところで、僕等は一本高くそびえるゴミ処理場の煙突に座ってヒトヤスミした。はたから見たらどんな顔をしているんだろう…ふと気になって顎の辺りを触ってみると、いつもの髭の感触が…フフフと笑う君の笑顔と共に伝わってくる。せっかくだから煙草を吸ってみた。煙草を持つ指、火をつける手、煙を吸う肺、吐き出す口元、それぞれの感触が僕の様であり又君の様だ。なんとも不思議な一体感。

遠慮がちに現れる君の意識を表に引っ張り出し、まだ明るさの残る空をぼ〜っと眺めていた。ん〜…力いっぱい目を閉じると暗闇の中からわずかな光りが感じられ、それが段々大きくなってきた。思わず眩しくて目を開けた。気が付けば僕の隣で寄り添い寝ている君。しっかりとつながれた手と手…。

コメント(7)

ふらと絵梨さん
ありがとうございます。自分もそんな雰囲気好きです。

ティガーさん
また来年チャレンジ(ジョイ)して下さい。
最近は涼しくなっていいお昼寝日和が続きます
ふわふわぁって
読んでて気持ちがいいです
あちこちの表現がすてきですーー>< にくみそさんの感性がずんずんちらばっていて、読んでて楽しかったです*
ディグシーさん
ありがとうございます。
今度は読んでて気持ち悪いの書いてみたいです。

あーみさん
自分じゃよくわかりませんが
あちこちで楽しんで頂いて
ありがとうございます。

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