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意味不明小説(ショートショート)コミュの同棲

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ひょんなことから外国から来た娘と同棲することになった。
彼女は日本の習慣になじめず部屋の中でも靴を履いている。
日本の靴もあわないのか、何度もマメをつくっては泣いている。
そうして靴を何度も買い換えるので部屋中靴だらけ。
一度頭にきて靴を全部庭に投げ捨てようとしたら、わけのわからない言語で
泣き喚いてそれから家を飛び出してしまった。
私はその度に彼女を探して日本中を歩き回った。やっと見つけると
新しい部屋でやっぱり彼女は靴に埋もれた生活をしていた。
彼女はその度に目に涙をいっぱい溜めて私に抱きついてきた。
彼女は私が靴のことでとやかく言わなければとても献身的で私を愛してくれた。
何故私から逃げるのか、何故靴を何度も履き替えようとするのか問いかけても
口を閉ざしたままだった。
そうしたことが今まで幾度となくあった。
何回目かのケンカで家を飛び出し、半年ほど行方が分からなくなった。
彼女を見つけたのは、東北のとある離れ島だった。無人島ともいえる誰もいない小さな島で
砂浜に立てられた漁師小屋のようなところに住んでいた。
いくつもの靴の中に埋もれ、やせ細った彼女。
靴はどれももうボロボロで満足に履けるようなものはなかった。
彼女は衰弱して小動物のように震えていた。私は異臭のする靴を窓から投げ捨てた。
彼女はもう大声を上げて抵抗する元気を失っていた。
そして悲しみに満ちた大きな瞳で私を見あげるのだった。
それからしばらく私たちは野草や魚を食べて暮らした。
彼女は衰弱していたがしあわせそうだった。時折、私に何か伝えようとするが
なにを言っているのか聞き取れなかった。
ある晩、わたしはずっしりと下半身が重くなっているのを感じた。
体を引きずるように起き上がると彼女がいない。
私は這う様にして外に出て、彼女を呼んだ。
大きな月の青白い光に浮かび上がる砂浜に彼女は海に手を差し出すように
立っていた。私は必死に這っていった。なんでこんなに足が重いのか。
足を引き上げるように手で触ると硬かった。足はまるで木のようだった。
皮膚が乾燥し百日紅の肌のように硬くつるりとしている。
彼女はわたしを振り返って、あの悲しげな瞳で見ていた。
波打ち際に立つ彼女の足も木肌で覆われているようにみえた。
私はうろたえ、一歩も動けなくなってしまった。みると足から根のようなものが生えて
砂浜に食い込んでいる。私の搾り出すような絶望の叫びが砂浜にこだました。
やがて満潮になり彼女の下半身が海水に浸されると、彼女はなにかを諦めたような瞳で
さびしげに笑った。そして身を翻すと海の中に消えてしまった。
月明かりに照らされた海面に大きな魚の尾ひれのようなものが現れてすぐに消えた。

私はそうして砂浜で木になって立っている。
腕からはさくらんぼのような赤い実がいっぱい生えてきた。
満月の晩には、見知らぬ人魚がその実を食べにくる。


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