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意味不明小説(ショートショート)コミュの心太

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ノブ夫は、とある居酒屋で酒を飲んでいた

さて、そろそろ帰とするかな・・・

帰る前に、いつものを頼むか

ノブ夫は、締めに黒蜜のかかっている心太(ところてん)を注文した
ノブ夫は、心太が大好きで、それをおいしそうに食べた

「心太好きなんですか?」

ノブ夫の隣にいた女性が、ノブ夫に話しかけてきた
年齢はノブ夫と同じくらいだろうか
とても、可愛い女性だった

ノブ夫は答える

「はい、大好きです。シメはいつもこれです」

女性が返す

「私も心太大好きなんですよ。よかったら一緒に飲みませんか」

その女性の名前はノブ子と言った
2人は意気投合し、心太の話題に花が咲いた

そして、ノブ子が言った

「心太はね、もともとは天界で作られたもので、昔は心天って書いたの」

「天界の天使が、心をこめて作ったから、心天ね」

「で、あるとき、このおいしさを下界の人間にも食べさせてあげたいと思って」

「ある天使が、人間の男に心天の作り方を教えたのね」

「下界で作った心天は、天界で作った心天と区別するために、
 天の字の棒を下に持ってきて、『心太』にしたの」

「やがて、いろんなところで作られるようになって、それで、
 こころてんが、ところてんになまっていったの」

「何を隠そう、人間に作り方を教えた天使というのがわたし」

「そして、あなたは作り方を教えた男の子孫なの。あなたを見てすぐ分かったわ」

「私はずっとあなたを探してたの。今日はめでたいわ。飲みましょ」

ノブ夫は、ノブ子の突拍子もない話を、酔っていたせいもあると思うが、
疑うことなく信じた

そっかぁ、ノブ子は天使なんだ
天使のような笑顔というけど、言葉通りの素晴らしい笑顔だ


2人はノブ夫の家にいき、そこでも酒を飲んだ

ノブ夫は、ノブ子の肩に手をかけ・・・・
キスをしようとしたそのとき・・・・


はっ!

ノブ夫は目が覚めた

今のは夢だったのだろうか・・・
ノブ子の姿はどこにもなかった

ノブ夫は、あれからあちこちのお店でノブ子を探したが、
ノブ子の姿を見ることはなかった

そして、数年後、
ノブ子のことをすっかり忘れていたノブ夫は
思わぬ形でノブ子を見つけた


「ニュースの時間です。泥酔した男の財布から金を盗む女性が逮捕されました」

「女性は自称天使などと言っており、心太の作り話をして、男を泥酔させて
 金を盗むという手口で、余罪は数千件にも及ぶ模様です」


そういえば、あのとき財布から金が思ってたより減っていたような・・・
あれはノブ子が盗んだんだな

そして、ノブ夫はつぶやいた

「ノブ子・・・。お前、天使じゃなくて、ペテン師だったんだな」

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