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意味不明小説(ショートショート)コミュの作家と画家

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【作家と画家】

作家が画家を訪ねた。
「君の描いた画が素晴らしかったので、私は君の画を文章にした」
文章を受け取り、画家はその文章を読んだ。
十日程経って、画家は作家を訪ねた。
「君の書いた文章が素晴らしかったので、私は君の文章を画にした」
作家はそれを受け取った。
しかし、どう眺めてもその画から自分の文章を想像できない。
作家は思った。
そもそも画家の画から文章ができた。それを画に戻す作業で別の画になるのはおかしい。
次の日、作家は画家を訪ねて
「私の文章は君の最初の画からできている」と伝えた。
対して画家は
「後の画は君の文章からできている」と譲らない。
長い時間言い争ったが解決に至らず、結局、賢者に相談することになった。

賢者は考えた。
「作家は画から想像して記号にしていく拡張的創造だ。一方で、画家は記号から瞬間的な情報を確定させていく凝縮的創造。止まった時間を動かすか、動いている時間を止めるかの違いがある。」
作家と画家はそれぞれ性格の違う表現を行っているという。
「もしくは、作家は画から感銘を受ける感性を備えておらず、画家は文章から感銘を受ける感性を備えていないのかもしれない」
作家と画家には少し難しかった。
賢者は続ける。
「今の私の思考は画の様なもの、一晩考えるのは文章の様なもの。時間が流れる中で何か見つかるかもしれない。」
作家と画家は答えを導いて貰えるならと二つ返事で賢者に作品を預けた。

次の日賢者を訪ねると、ふらふらに脱力しながらこう言った。
「私の感性では作家の文章はどちらの画にも感銘を受けるに足るものだった。一つの文章が二つの画を愉しませてくれるとは…。」

昨日作家と画家が預けたのは一編の「官能文」と二枚の「裸婦画」だった

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