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意味不明小説(ショートショート)コミュのNew Year's Day in N.Y

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今年のお正月も、いつものようにニューヨークで過ごそうと思っており、すでにチケットも買った。もちろん実家でコタツに入ってみかんでも食べながらの年越しだって、風情があっていいと思うのだけど、やはりシティボーイの私としては、古い年の終わりと、あたらしい年の始まりは、賑やかな喧騒のなかで迎えたい。世界の人間と喜びを分かち合いたいと考えている。

最近のお気に入りは、New Year's Eveに毎年臨時で運行されるクルーズ。リバティ島の周辺を遊覧し、カウントダウンを迎えるという趣向だ。ロマネ・コンティの入ったグラスを高々と掲げ、自由の女神に、乾杯。そして船の上で出会った人々と、ささやかな誓いを交わす。

「願わくば来年もこの船の上で会おう!」

特別な日の、特別な出会い。そして盛大に打ち上げられる花火の賑わいのなか、船はマンハッタン島に帰還するのだ。新しい年を迎えて船のタラップを降りる瞬間、私は束の間コロンブスのような英雄になったような気分を味わう。我、新大陸を発見せり! 少年のように躍る心をなだめながら、ゆっくりとネクタイを外し、上着とシャツとズボンを順に脱いでいく。この日のために新調したふんどしは、まばゆい純白。自分の腹を平手で打てば、ぴしゃりと気持ちが高ぶってくる。

いつの間にか周囲には、私と同じくふんどし一丁となった裸の男たちが集まってきていて、凍える寒空のなかで、体から湯気を発している。皆、なんとも凛々しく、満ち足りた表情を浮かべている。こうして今年も皆で集まることができたことを、心から嬉しく思う。そのような感慨に浸っている間にも、続々と裸の男たちが駆けつける、トミーも、マクラウトも、チェイニーも、ゲンジロウもいる。

船着場はやがて男でひしめき合い、ボルテージが頂点に達したところで、ブオー、ブオーと法螺貝が鳴る。そして、虹色に輝くヘリコプターが、海上に飛来する。それを見た男たちは、めいめいに叫ぶのだ。

「Sixty-nine! Sixty-nine!! 俺たちゃペロペロしこしこ大好きさ!!」

新年のニューヨークにこだまする、男たちの放つ轟音。そう、この喧騒こそ私が求めて止まないものなのだ。我、新大陸を発見せり!
おもむろに、ヘリから巨大な男性器を象った神物が、暗い海のうえに投下される。それが合図だ。男たちは言葉にならない咆哮をあげながら、神物のイチモツに向かって、つぎつぎと海へと飛び込んでゆく。そう、これがかの有名な「NYふんどし祭り」である。

極寒のニューヨークの海が、今、男たちの熱気によって煮えたぎっている。神物を得た者は、その一年間「最高のニューヨーカー(笑)」と呼ばれ、皆から半笑いされる。それはニューヨーカーにとっては、上方漫才大賞の次に誉れある称号なのだ。せめぎ合う男たちのなかに、ディフェンディングチャンピオンのマクガイヤーの姿も見える。昨年「最高のニューヨーカー(笑)」となった際には、喜びのあまり1年間を裸ふんどし姿で通した男。もちろん今年も優勝候補である。だが、私も負けるつもりは無い。近づいていって挨拶代わりのエルボーを決めると、彼は嬉しそうに笑う。

「ヘイ! 今年も会えて嬉しいぜボーイ!」

「俺もだ!マック! よく猥褻物陳列罪でブタ箱入りにならなかったことさブラザー!」

ああ、私は今年も世界中の人間と新年の喜びを分かち合っているのだ。自由の女神に、乾杯!!

コメント(2)

風邪と警官に気をつけてください。
なんかもー…よくわからんけれども面白い!
>>[1] コメントありがとうございます。ことしもそろそろ、準備をはじめないと。

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