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意味不明小説(ショートショート)コミュの恋の行方、あるいは、なんなん、だちみは。パート2

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このお話を読む前に、こちらのお話を読んでいただくとより内容が理解しやすくなります。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=57399724&comm_id=637360


あんなことがあってからというもの、二人の関係はどこかぎくしゃくしたぎこちないものになってしまった。

うれしいような、恥ずかしいような、どきどきと胸がときめく、あの素敵な感覚が二人の間に再び蘇りはしないかと期待しながらも、気恥しいのか、返ってよそよししい態度でお互い接してしまう。

そんな日々が続いた。

ある日、部屋に乳牛がいないのに私は気付いた。

恥ずかしがってもじもじして男らしく行動しない私に、遂に乳牛も愛想を尽かしてしまったのだろうか?

そう思うと、胸が少し痛んだけど、ただの思いすごしかもしれないし、また考えようによっては、今こそあの書きかけのメロドラマを完成させるいい機会かも知れない。

私は気持ちを切り替えて再び原稿用紙に向かった。

私は集中してストーリーを紡いでいった。

集中し過ぎて根を詰め過ぎたようだった。

そもそも風邪気味だった体調は悪化し、それでも構わず止め処なく湧き出てくるストーリーを原稿用紙に書き連ねていったのだが、そのまま自分でも気付かないうちに机に向かったまま気を失ってしまっていたらしい。

気付くと私はベッドに寝かされていて、乳牛が甲斐甲斐しく濡れタオルを何度も換えては額を冷やしてくれていた。

「気付いたのね」

乳牛は言った。

「俺は一体・・・」

と辺りを見回す私に、乳牛は私の身に起きたことを説明してくれた。

「ありがとう」

「ううん、いいの、そんなこと。それより、孝之くん、ずいぶん頑張ったのね、だいぶ捗ったみたい。ちょっと見てもいい?」

と乳牛は私の自信作を手にとって読み始める。

「ふんふん、ふふふふふ、あはははは、あーはっはっはっはっ、ひー、お助けぇー」

乳牛は腹を抱えて笑い転げる。

「しっ、失礼だろっ」

私は憤慨して立ち上がる。

しかしまだ熱が高いためか、私はすぐにくらくらとその場に倒れこんでしまう。

「だめよ、まだ寝てなくては」

乳牛は慌てて駆け寄って来て私を抱き起こし、やさしくベッドに寝かせた。

「まだ、無理をしてはだめ。それより、温かいミルクでも飲む?」

そう言ってコップ一杯のミルクを乳牛は私に差し出した。

ミルクは人肌、いや、牛肌程度に温められていてちょうどいい温かさだ。

「おいしいミルクだね。本当に温まるよ。こんなにおいしいミルクを飲むのは初めてだ。一体どこで」

と言いかけて、野暮なことを言ってしまったと後悔して私は口を噤んだ。見ると乳牛は

「いやんハートいやんハート」と恥ずかしそうに両前足の蹄で顔を隠してもじもじ首を振っている。こっちも少し恥ずかしくなって赤くなりながら、照れ隠しに無理に何か喋ろうとして

「うん、と、とってもおいしいよ。そ、それに看病してくれてありがとう。で、でも君に風邪がうつったりしないか、ちょ、ちょっと心配だな」

「ううん、いいの、それに孝之くんの風邪なら、ちょっと、うつってみたいかもハート達(複数ハート)

「えっハート達(複数ハート)


つづく



*************************************************************************



いや、今度こそ、続かないと思う。

コメント(2)

ミコトさん
コメントありがとうございます。
永住はないと思います。多分そのうち、飼い主が現れて連れていかれてしまう予感がします。孝之くんと乳牛にはこの先、悲しい別れがまっている・・・そんな気がします。

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