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意味不明小説(ショートショート)コミュの解剖結果報告

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三歳からお友達のヨシリンが死んだ。死体検死捜査官に頭下げて、下げて、頼みに頼んで「頭部をください」と一点張りした。
「いいよ、やる」「ほんまっすかさんきゅ」

家で一人、ヨシリンの頭を解剖しようと思ったんだ。とってもおかしなヤツだったからきっとなにかある。と、思ったんだよね。
ヨシリンの笑顔は誰よりも輝いて、煌めいて、揺らめいて、いたように思う。

まな板にヨシリンの頭部を置いた。食いもんちゃうのにごめんな、ヨシリン。

まず写真を撮っておくことが必要だった。最後のヨシリンとの記念写真。ピース。

「めっちゃ寒い、スッスする」「え!ヨシリン!喋れるん?」「しゃべれるよ」

なんとヨシリンまだ生きてて会話できるみたい。

「おれな、なんで死んだん?たしか線路に落ちたおばあちゃん助けようとして電車にひかれて頭部と体まっぷたつやっけ?あ、ちょ、めっさ尻かゆい、かゆい、かゆいって俺尻ないやん」「ヨシリン笑えないよ」

「なあ、ゲーセンいこうや。」「いいよ」

ヨシリンとゲームセンターに行くことにした。

「なあなあカツアゲしようや」「え!ヨシリンめっちゃ気強くなってるやん」
「俺いうても頭だけやし怖いもんなしや!」ニカ!いつもの誰よりも輝いて煌めいて揺らめいた笑顔だった。
「どいついくんヨシリン?」「ちょ〜やっぱやめへん?」「やめるん?』
「人の金取るって犯罪やん、やめよ。そんな悪いことするやつ両手足を縄で縛りあげて身動きとれんようにしてやらな」「笑えんよヨシリン」

「なあヨシリン、なにするん、ゲーセンきても頭だけでで出来るゲームないで」

これやろうやこれ。ヨシリンが目線をやったのはエアホッケーだ。
「どうやってするん?ヨシリン」
「ここに寝かせてくれ頭」「うん」「金いれて」「うん」

ヨシリンは俺が打つ玉を必死に表情だけで止めようと、止めようと、必死に念を込めるような顔つきになった。目の動きなどものすごいものがあった。
「ヨシリン…」「なに…」「やめへん?…」「俺全然おもんないわ当てたらかわいそうでおもっきり打てんし」「おれはめっちゃおもろいし!」ニカっ

「あ!吉原や!吉原かおりやん!めっさかわいいなあ!声かけようや」「え!ヨシリンその体、からだちゃうわそんな頭だけで声かけるん?びっくりされんでヨシリン」「ええか〜お前な、女ッてのはな〜刺激をもとめてんねん刺激や刺激」「刺激強過ぎやろ頭だけは」「そうかなあちょっと変なだけやん」「…」

「ちょ〜俺いくわ、声かけてくる」
ヨシリンは足もないのに俺の手の中から飛び出した。なんでだろう?

「よしはらあ〜〜〜〜」吉原が振り返った。
「きゃあああああああああああああああああああああああああ」
吉原は走って逃げていった。

ヨシリンはショックで顔をうつぶせにして、顔面倒れ込み状態になった。
「あっこまで驚かんでもよくない?」「うん」
うんと言わないとヨシリンはきっと駄目になる。

「俺の夢はなあ〜」突然ヨシリンが夢について語り出した。「なんなん?」
「フィギアとかやりたい、まおちゃんみたいにくるくるっと三回転半や!」
「無理やん!頭だけで」「そうかなあ、あ〜スケート靴被りたい、被って氷の上スイスイっとしたい」「それはできるかも」

「ヨシリン日暮れてきたで」「ほんまやなあ」

「ヨシリンこれからどうするん」「帰って飯食って寝るかな」
「そうじゃなくってこれから頭だけでどうやって生きるん?」
「どうにかなるって」ニカッ

ヨシリンとはこれからも長い付き合いになりそうです。

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