意味不明小説(ショートショート)コミュの(Ａ子さん・３１歳・コピーライター)

ねー。あれ当時としては結構衝撃的だったよねー。別れた数分後だったんでしょ？何か、エモーショナルなものの作用ってすごいんだなぁって思ったよね。儚いよー。でも、考えてみれば誰も気づかなかったってのもまぁおかしい話だよね。憔悴、まではいかなくてもさ、明らかに普通じゃない顔つきってあるじゃん？心ここにあらず～っていうか。そういうのに道行く人が気を留められなかったってのはさ、やっぱり余裕がないって事よ。察する手間が面倒、っていう。それが駄目、ってか、どうよ、ってとこだよねー。皆さ、性根は決して悪くないのに、追いやられてたりするとね。見過ごしがち、みたいな。あたしはそゆとこ大事にしたいかな。もし私がすれ違ってたら…とか思うよね。まぁ今言ってもどうしようもないんだけどさ。

でもねーまー不謹慎かもしんないけど、分からなくもないんだよね。Ｂ３を追いやった、ていうか、彼を最後の行動に至らせる切っ掛けになったＡ３の気持ちってさ。あくまでも二次的に得た情報でしかないけど、もしあたしがあの状況でＢ３にああいう態度とか物言いとかされたら、え？って思うもんねやっぱ。話す内容とかも結構被害妄想入ってたし、聞いてて気持ちのいい話では決してないと思うな。｢知るかよ｣ってなる確かに。言う言わないは別としてもねー。あたしなら言わないけど、でも、言っちゃった、て事は、Ａ３がそれだけＢ３に我慢してたって事って捉える事もできるから。そーいうの考えると、やっぱどっちもどっちっていうか、多分起こるべくして起こったのかなって気すらしてくるよね。無責任なようだけどさ。まあ、でもコミュニケーションって怖いって事だよね。遺書なかったからまだ逃れる余地あるかもだけど、責任って負いたくないよねー。もし自分がつい吐き出した事とか、ついぶつけた事とかで相手が死んじゃってみ？もー、きっと生半可な苦しさじゃないよ。一生背負うよね。後悔してもしきれないよきっと。

皆、Ｂ３を自殺させたＡ３の事を傲慢って言うかもしれない。自分にとってはしょーもないし明らかに的外れだろ、てか子どもすぎるだろ、ってものであっても、ある悩みとかわだかまりを抱えてる相手に向かって追い打ちをかける必要性をＡ３が感じてたとしたら、それはただのエゴだろって。Ａ３は精神の発達が未熟だったって言ってた評論家の人もいたけどね、あたしはＢ３の方がよっぽど傲慢だなって思う時あるよ。傷ついた、傷つけられた、絶望した、死にたい、死ぬ、死んだ。その一連のプロセスって、言葉を発してなくてもすごい攻撃的なメッセージだもんね。見事なまでに自分自分で完結してる感があって、すっごいエゴイスティックだなあってあたしとしては思うわけよ。だからＡ３に同情したりする時もあるよねー。もうちょっと違った解決法はなかったのか、って、自分に問い掛けてみたりするよ、たまに。

｢バイバイ｣だったっけ？最後の言葉。はは、意外に月並みだね。さっきの顔つきの話に戻るんだけどさ、よく考えたら平然としてたのかもね。心の内はボロボロだったとしても、こう、穏やかな表情で死に向かう、って、すっごい肝っ玉してるよねって思う。自殺って簡単なようで難しくて、でもスイッチ入ったら別に何でもない、ってのが分かるよねー。あたしにはできないな。あたしにはね。

コメント(3)

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[3] mixiユーザー 11月11日 16:00

ふらと絵梨さん
コメントありがとうございます。
友達とケンカした時に友達の言った一言ですごく嫌な気持ちになって、
つい自分の日記に書いてしまった文章なのです。
自分が焼身自殺か何かで派手に死んだ後の事を第三者が勝手に喋ってる、
っていう構図です。口調もその友達に似せてみました。悪意笑

あまり詳細に書くとバレるので笑、抽象的に、フォギーに、
できるだけ金太郎飴みたいに書きました次第です。

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