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意味不明小説(ショートショート)コミュの半分の優しさ工場

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俺は今日もバイトに来た。別にサボってもいいと思ったが、サボってもやることもない。

工場につくと俺はまずタイムカードを押す。当たり前だ。押し忘れて金が貰えないなんて、笑えない冗談だ。

そして、作業着に着替えて仕事に取りかかる。
ベルトコンベアの前に座り、ボタンを押す。すると、白いタブレットが半分になったものが流れてくる。これを完全な形にするのが俺の仕事だ。
まず、傍らに置いてあるテディベアみたいな人形の顔をパカッと開く。そしてその中に流れてきたタブレットを放り込む。これで準備は終了。こっからが、俺の腕の見せどころって訳だ。

とりあえず、座っていた椅子を立ち上がり、席をゆずる。もちろん人形は1人で動いたりしないから、俺が持ち上げて椅子に乗せてやる。
次に、人形の前に履歴書みたいな書類を置く。そして、しばらくそのまま放置してから、何も言わずにスッとボールペンを差し出した。……こんなもんだろうか。またパカッと頭を開くと、タブレットはいい感じの形になっていた。
この機械の仕組みを、俺は知らない。知る必要なんかないし、興味も湧かない。教えてくれと言って、仮に教えてくれても、理解できるかわからないしな。

完成したタブレットをベルトコンベアに乗せて、また新たな半円体を受け取る。一個につき約三分。最初のうちこそ手間取っていたが、なに、慣れれば単純な流れ作業だ。

俺はかなり適当に作業してるが、誰も注意なんかしない。むしろ、丁寧に作業してる奴なんか皆無だ。
最初の面接で、何故俺みたいな適当な奴が受かったのか分からなかったが、今はなんとなく分かる。
本当に優しい奴はこの仕事に向かないのさ。

なんせ、優しさは半分でいいんだからな。

コメント(5)

はじめまして、私のことはれおなとお呼びください♪

初めて書かせて頂いて、こんな拙い文章に、こんなに暖かいコメント……
なきそうです……

また書かせて頂きます。では、また(・∀・)
あーやばい!!
設定だけでも面白いのに最後の一言がまた素敵ですねぴかぴか(新しい)
口調も読みやすくてよかったです(*´∀`*)

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