第32話 災いの種 2022年8月21日放映分 の感想などお願いします。
▽▼↓重複参加の多いコミュ（昔からmixiの関連コミュ機能は壊れてるので）▼▽
↓記憶
ｺﾐｭ（ドラマトピ有）
http://
↓真田丸（同じ三谷幸喜による大河ドラマ）
http://
↓路線図が好き
http://
↓信じたいんだよ、運命ってやつを。
http://
↓半沢直樹（TBSドラマ）
http://
↓何かに感動したい。
http://
↓ま、明日があるさ。私、俺。
http://
↓カタチのないものを大切に。
http://
ご参加お待ちしています。
※ルールはこれまでと同じ。ネタバレ投稿禁止（ネタバレ基準は多数派であるNHK総合の初回放映。例→NHK総合で20時12分の放映内容感想を20時10分に投稿しちゃダメ。20時03分の放映感想を20時03分に投稿するのはオッケー）。
※こちらはネタバレ禁止の感想トピックですので
（多数派である地上波のリアルタイム放送以前をネタバレと呼んでいます）、
歴史（誰にも史実が分からない事だけは分かっているものの）の話をしたい人は
↓歴史トピ（当コミュ内）
http://
↓癒しコミュ「テレビドラマ」トピ
http://
などへどうぞ。
誤って歴史関連の投稿をしている人をみかけたら、誘導お願いします。
※もちろん24時間いつでも投稿OK。
※こちらは大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が好きな人のコミュですので、脚本、役者への批判は、
↓冒険コミュ「ドラマ」トピ Part⁻３
http://
などにどうぞ。
▽▼↓重複参加の多いコミュ（昔からmixiの関連コミュ機能は壊れてるので）▼▽
↓記憶
ｺﾐｭ（ドラマトピ有） http://
↓真田丸（同じ三谷幸喜による大河ドラマ）
http://
↓路線図が好き
http://
↓信じたいんだよ、運命ってやつを。
http://
↓半沢直樹（TBSドラマ）
http://
↓何かに感動したい。
http://
↓ま、明日があるさ。私、俺。
http://
↓カタチのないものを大切に。
http://
ご参加お待ちしています。
※ルールはこれまでと同じ。ネタバレ投稿禁止（ネタバレ基準は多数派であるNHK総合の初回放映。例→NHK総合で20時12分の放映内容感想を20時10分に投稿しちゃダメ。20時03分の放映感想を20時03分に投稿するのはオッケー）。
※こちらはネタバレ禁止の感想トピックですので
（多数派である地上波のリアルタイム放送以前をネタバレと呼んでいます）、
歴史（誰にも史実が分からない事だけは分かっているものの）の話をしたい人は
↓歴史トピ（当コミュ内）
http://
↓癒しコミュ「テレビドラマ」トピ
http://
などへどうぞ。
誤って歴史関連の投稿をしている人をみかけたら、誘導お願いします。
※もちろん24時間いつでも投稿OK。
※こちらは大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が好きな人のコミュですので、脚本、役者への批判は、
↓冒険コミュ「ドラマ」トピ Part⁻３
http://
などにどうぞ。
|
|
|
|
コメント(114)
こんばんは。
見ました。
結論から言えば、今回は最高。
とくに善児の顔で泣いた。
自分を慕ってくる一幡のことを思い、善性を取り戻した善児。
しかし、それでもやはり生きているべき存在ではないと思い知り、己の手をさらに汚してしまう。
その時のいかにもつらそうに歪んだ善児の顔。
トウはそんな師匠の気持ちを言葉なしくてわかっているという。
そっとブランコから一幡を引き離す。
この回は神回ですよ。
今回で３２回ですが、歴史上の史実や解釈を多少飛び越えながらも、ここまで大きな破綻がないところがこのドラマの真骨頂
に思えます。一幡が殺されたということも、梶原景時が拉致して擁立しようとした過去もあったことだし、致し方ないことかなあ
と納得もさせられました。三谷幸喜さんも必死に脚本を練り上げたと思います。もはやこの方の場合、金銭のことではなく、後世に
おける自分の評価を思いつつストーリーを練り上げていると思いたいですね。
本日の主題は言うまでもなく、長い眠りから目覚めた頼家の強い怒りであり、それに対して
すでに体制を固めつつあった北条以下の御家人たちがどう対処するかを描いていると思います。
それにしても、頼家の怒りを思えば多少の同情を禁じえません。なにせ、家族を殺され、後ろ盾
を失い、将軍職から引きずり降ろされ、身なりも僧形に変えられてしまっているのですからね。
強い怒りを北条の覚えつつもすでに実権がない。さらに言えば人望も失っているのです。
冒頭のシーンを見ても、義時以下、頼家を消す気満々ですからね。
頼家ですけど、蹴鞠の練習に精を出し、さらに自分の子飼の部下を６人も人選していた頃が華だったかもしれない。
安達景盛の妻に手を出そうとしたり、御家人の土地の問題を一蹴したり、さらに御家人一同が助命を求めた叔父の全成を殺したりとか、こういった既成事実が積み上がって「もうこの人じゃだめだ」の状態になっている。
今更生き返ったところで、誰もが支持しないというところに悲劇があったのだと思います。
伊豆に幽閉しようにも隙を見て京都に逃げられてしまって朝廷方に利用でもされたらたまったものではない。
殺されるべくして殺されることになるのでしょうか。
比奈は離別することになりますが、比奈との間にできた子供のことが紀行で解説され、比奈の京都でのその後についても言及されてましたよね。短い間でしたが、義時の心の変わりようを近くで見ていた存在だったと思え、なんだか名残惜しい気持ちになります。
で、実朝即位。
実衣が得意げな顔で、しかも真っ赤な衣装で烏帽子親として君臨している様子。尼にならないでよかったかもしれません。
後鳥羽上皇はドミノを積み上げて鎌倉を砂上の楼閣のように思いながら、それでも後白河法皇のように政局を操ろうとする。
山寺宏一さんの慈円。雰囲気でてましたよね。さすが声優さん、いい声している。
政子は頼家に足蹴にされた挙句、来週には頼家をも失うことになるのですが、時政にとっては孫やひ孫を失うということがどうしてそうも痛痒にならないのでしょうか。やはり権力の前にはそういった感覚がマヒしてしまうのかどうか、仁田忠常など純真な気持ちの武士には到底ついていけない状況になってきているということでしょうか。
あと、政子というか、小池栄子さん、せりふ回しの時に顎にシワが寄るようになってきていて、それを尼衣で隠す場面が散見されるところが気になります。本人も気にされているのかなあ。
最後の比企尼の場面は意外でしたが、生き霊のような存在となって善哉に北条への恨みを吹き込んでましたが、あれが後年の悲劇につながっていくのですね。
あと、気づいたのですが、本日のテロットで八田知家が出てましたが、この回で一度も見かけなかったけど気のせいかなあ。
来週のタイトルの『修善寺』、シンプルでわかりやすいですよね。
さて、来週はどのような悲劇が待っているのでしょうか。
もはや、このドラマは日曜日の夜に見て「さー、明日からがんばるぞ！」という仕立てではなくなってますね。
皮肉をこめて、ちむどんどん！
見ました。
結論から言えば、今回は最高。
とくに善児の顔で泣いた。
自分を慕ってくる一幡のことを思い、善性を取り戻した善児。
しかし、それでもやはり生きているべき存在ではないと思い知り、己の手をさらに汚してしまう。
その時のいかにもつらそうに歪んだ善児の顔。
トウはそんな師匠の気持ちを言葉なしくてわかっているという。
そっとブランコから一幡を引き離す。
この回は神回ですよ。
今回で３２回ですが、歴史上の史実や解釈を多少飛び越えながらも、ここまで大きな破綻がないところがこのドラマの真骨頂
に思えます。一幡が殺されたということも、梶原景時が拉致して擁立しようとした過去もあったことだし、致し方ないことかなあ
と納得もさせられました。三谷幸喜さんも必死に脚本を練り上げたと思います。もはやこの方の場合、金銭のことではなく、後世に
おける自分の評価を思いつつストーリーを練り上げていると思いたいですね。
本日の主題は言うまでもなく、長い眠りから目覚めた頼家の強い怒りであり、それに対して
すでに体制を固めつつあった北条以下の御家人たちがどう対処するかを描いていると思います。
それにしても、頼家の怒りを思えば多少の同情を禁じえません。なにせ、家族を殺され、後ろ盾
を失い、将軍職から引きずり降ろされ、身なりも僧形に変えられてしまっているのですからね。
強い怒りを北条の覚えつつもすでに実権がない。さらに言えば人望も失っているのです。
冒頭のシーンを見ても、義時以下、頼家を消す気満々ですからね。
頼家ですけど、蹴鞠の練習に精を出し、さらに自分の子飼の部下を６人も人選していた頃が華だったかもしれない。
安達景盛の妻に手を出そうとしたり、御家人の土地の問題を一蹴したり、さらに御家人一同が助命を求めた叔父の全成を殺したりとか、こういった既成事実が積み上がって「もうこの人じゃだめだ」の状態になっている。
今更生き返ったところで、誰もが支持しないというところに悲劇があったのだと思います。
伊豆に幽閉しようにも隙を見て京都に逃げられてしまって朝廷方に利用でもされたらたまったものではない。
殺されるべくして殺されることになるのでしょうか。
比奈は離別することになりますが、比奈との間にできた子供のことが紀行で解説され、比奈の京都でのその後についても言及されてましたよね。短い間でしたが、義時の心の変わりようを近くで見ていた存在だったと思え、なんだか名残惜しい気持ちになります。
で、実朝即位。
実衣が得意げな顔で、しかも真っ赤な衣装で烏帽子親として君臨している様子。尼にならないでよかったかもしれません。
後鳥羽上皇はドミノを積み上げて鎌倉を砂上の楼閣のように思いながら、それでも後白河法皇のように政局を操ろうとする。
山寺宏一さんの慈円。雰囲気でてましたよね。さすが声優さん、いい声している。
政子は頼家に足蹴にされた挙句、来週には頼家をも失うことになるのですが、時政にとっては孫やひ孫を失うということがどうしてそうも痛痒にならないのでしょうか。やはり権力の前にはそういった感覚がマヒしてしまうのかどうか、仁田忠常など純真な気持ちの武士には到底ついていけない状況になってきているということでしょうか。
あと、政子というか、小池栄子さん、せりふ回しの時に顎にシワが寄るようになってきていて、それを尼衣で隠す場面が散見されるところが気になります。本人も気にされているのかなあ。
最後の比企尼の場面は意外でしたが、生き霊のような存在となって善哉に北条への恨みを吹き込んでましたが、あれが後年の悲劇につながっていくのですね。
あと、気づいたのですが、本日のテロットで八田知家が出てましたが、この回で一度も見かけなかったけど気のせいかなあ。
来週のタイトルの『修善寺』、シンプルでわかりやすいですよね。
さて、来週はどのような悲劇が待っているのでしょうか。
もはや、このドラマは日曜日の夜に見て「さー、明日からがんばるぞ！」という仕立てではなくなってますね。
皮肉をこめて、ちむどんどん！
対立する政子と義時の背後でとどろく雷鳴。
比企を滅ぼした夏の終わりのことでした。
権力の座から頼家が追放されるのが、
今回の劇の中心でした。
焼け落ちた比企の館を見て、
「ここまでやるか？」と北条への怒りをたぎらせる頼家。
「時政の首を取ってまいれ」と
忠義の二人和田殿、仁田殿に命令しましたが、
その命令は果たされませんでした。
さりげなく、何人もの人物が退場していきます。
比企の血を引く比奈。かつての起請文を踏まえて、
自ら身を引くかたちをとりました。
頼家の命令に背くことに煩悶した仁田殿。
「吾妻鏡」などの記述とは離れたコンパクトな死となりました。
前回ラストで一回は命を救われた一幡でしたが、
最終的解決は、義時来訪の趣旨を悟ったトウの
「水遊びをいたしましょう」の一言で表現されています。
善児も、かつての善児にはもどらないのでしょうか？
また別の働きをするのかもしれません。
ひたすら不安定な塔（あれはなに？ バックギャモンのコマ？）を
高く高く積んでいく後鳥羽上皇。
幕府に対する朝廷の巻き返しという理想ばかりは高いのですが、
実際、頼りになる手勢がいるわけでもない
という状況を象徴しているようです。
幼かった後鳥羽上皇は、後白河法皇の遺言を受け取って、
数十年後に果たそうとしていますが、
頼家の次男・善哉にも、呪いの言葉が届きました。
善哉の前に現れたのは、実際の比企尼か、それとも幻か？
それはどっちでもいいことで、大切なのは、
ここでメッセージが埋め込まれたということでしょう。
「災いの種」はそのことかもしれません。
来週のタイトルは、めずらしく、「修善寺」というそっけない地名三文字で、
これ自体、裏読みの意味もなさそうですが、
頼家にトドメが刺される以外にもいろんな事件が起こるのでしょうね。
◆ 「鎌倉殿」義時が恐怖の言葉「千鶴丸と何が違う」 ネット震撼「地獄すぎる」「忘れてなかった」
https://www.daily.co.jp/gossip/2022/08/21/0015574061.shtml
> 一幡が匿われている暗殺下人・善児（梶原善）と弟子のトウ（山本千尋）の小屋に来た義時が「あれは生きていてはいけない命だ」と冷酷に告げると、これまで数々の暗殺に手を染めてきた善児が「できねえ」と首を振った。
義時が「千鶴丸と何が違う」と衝撃的な言葉で問い詰めると、善児は「わしを好いてくれている」と返した。 善児は涙を流し、トウが察して、その後に戦慄の展開となった。
ネット上も因縁含みの言葉に反応し、「義時の声の冷たさ」「小四郎はすでに善児よりも真っ暗に」「義時には言ってほしくなかった」「けしかけるの地獄過ぎ」「義時は忘れてなかったんだな」「なんという因果」「言った時の小四郎怖かった」「ゾッとした」「いちばん怖かった」との投稿が相次いでいる。
https://www.daily.co.jp/gossip/2022/08/21/0015574061.shtml
> 一幡が匿われている暗殺下人・善児（梶原善）と弟子のトウ（山本千尋）の小屋に来た義時が「あれは生きていてはいけない命だ」と冷酷に告げると、これまで数々の暗殺に手を染めてきた善児が「できねえ」と首を振った。
義時が「千鶴丸と何が違う」と衝撃的な言葉で問い詰めると、善児は「わしを好いてくれている」と返した。 善児は涙を流し、トウが察して、その後に戦慄の展開となった。
ネット上も因縁含みの言葉に反応し、「義時の声の冷たさ」「小四郎はすでに善児よりも真っ暗に」「義時には言ってほしくなかった」「けしかけるの地獄過ぎ」「義時は忘れてなかったんだな」「なんという因果」「言った時の小四郎怖かった」「ゾッとした」「いちばん怖かった」との投稿が相次いでいる。
◆ 「マジで生き地獄」…比企能員以外に「諦めの悪い男」は２人いた、次回予告に視聴者震える【鎌倉殿の13人】
https://www.daily.co.jp/leisure/kansai/2022/08/16/0015560409.shtml
> まずは主人公の義時だ。能員を討ち取るのが最善の道とわかっていても、ギリギリまで戦を回避することをあきらめない、「なんでも武力で解決」な坂東武者らしからぬ男。しかしついにそれをあきらめて、実力行使に転じた瞬間、人をだますことも、子どもを殺すこともいとわない、見事な坂東武者へとトランスフォームした。
ラスト１分で判明した「諦めの悪い男」、史実なのが恐ろしいそしてもう一人の「諦めの悪い男」は、臨終出家までさせられてもなお、生きることをあきらめずに息を吹き返した頼家だ。ドラマみたいな史実だとはいえ、あまりにも間の悪すぎる復活劇。
ＳＮＳには「重めの病から回復したのに誰も喜んでなくてすでに頼家が可哀想」「知らない間に妻と子と妻の実家が、母の親族によって殺されてるとか。頼家の立場と気持ちを想像したら眠れなくなりそう」「マジで生き地獄じゃん頼家」などの同情の声があふれ返る状態に。
https://www.daily.co.jp/leisure/kansai/2022/08/16/0015560409.shtml
> まずは主人公の義時だ。能員を討ち取るのが最善の道とわかっていても、ギリギリまで戦を回避することをあきらめない、「なんでも武力で解決」な坂東武者らしからぬ男。しかしついにそれをあきらめて、実力行使に転じた瞬間、人をだますことも、子どもを殺すこともいとわない、見事な坂東武者へとトランスフォームした。
ラスト１分で判明した「諦めの悪い男」、史実なのが恐ろしいそしてもう一人の「諦めの悪い男」は、臨終出家までさせられてもなお、生きることをあきらめずに息を吹き返した頼家だ。ドラマみたいな史実だとはいえ、あまりにも間の悪すぎる復活劇。
ＳＮＳには「重めの病から回復したのに誰も喜んでなくてすでに頼家が可哀想」「知らない間に妻と子と妻の実家が、母の親族によって殺されてるとか。頼家の立場と気持ちを想像したら眠れなくなりそう」「マジで生き地獄じゃん頼家」などの同情の声があふれ返る状態に。
◆ 「鎌倉殿の13人」“運命の子”善哉に“呪いのほっぺち”比企尼は生きていた？ネット戦慄「完全にホラー」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/08/21/kiji/20220821s00041000288000c.html
> その主は、北条方による比企館襲撃を生き延びていた比企尼（草笛光子）だった。
ボロボロの服に身を包んだ変わり果てた姿。「北条を許してはなりませぬぞ。あなたの父（頼家）を追いやり、あなたの兄（一幡）を殺した北条を。あなたこそが次の鎌倉殿になるべきお方。それを阻んだのは北条時政、義時、そして政子。あの者たちを決して許してはなりませぬぞ。北条を許してはなりませぬ」。怯える善哉につつじが声を掛けると、そこにはもう比企尼の姿はなかった。
もっと怖い比企尼まさかの登場。それはもう呪詛」「比企尼登場は完全にホラーだった。善哉に呪いがかかった歴史的瞬間を覗き見した気持ち」「（公式サイト相関図の）比企尼に故人のアイコンが付いていなかった理由はこれか」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/08/21/kiji/20220821s00041000288000c.html
> その主は、北条方による比企館襲撃を生き延びていた比企尼（草笛光子）だった。
ボロボロの服に身を包んだ変わり果てた姿。「北条を許してはなりませぬぞ。あなたの父（頼家）を追いやり、あなたの兄（一幡）を殺した北条を。あなたこそが次の鎌倉殿になるべきお方。それを阻んだのは北条時政、義時、そして政子。あの者たちを決して許してはなりませぬぞ。北条を許してはなりませぬ」。怯える善哉につつじが声を掛けると、そこにはもう比企尼の姿はなかった。
もっと怖い比企尼まさかの登場。それはもう呪詛」「比企尼登場は完全にホラーだった。善哉に呪いがかかった歴史的瞬間を覗き見した気持ち」「（公式サイト相関図の）比企尼に故人のアイコンが付いていなかった理由はこれか」
まず、今回は善児でしょう。
善児があまりにもためらいなく人を殺すので、どこかで転回するとは思っていました。
「新選組！」の斎藤一も、ある時期から黙々と木仏を彫るようになっておりました。
しかし、わずか一場面にもかかわらず、流れてくる情報量があまりに多すぎました。
善児が「できねえ」とする理由を「わしを好いてくれている」とした時点で、
これまで善児が、どれほど人から好かれてこなかった人生だったかを示しています。
暗殺者となってからはともかく、暗殺者になる前も誰かに慈しまれることもなく、
だからこそ、非常な暗殺者になれたのでしょう。
トウにとっても善児は師匠であり、好いてくれてはいなかったのでしょう。
だからこそ、あくまでも生きていくすべとして、
ためらいなく非常な暗殺者になる技を伝えることができたに違いありません。
トウもまた、自分を好いてくれる者の記憶を失ったまま、一人前の暗殺者に育ちました。
しかし、主人に対し一度でも「できねえ」を口にした暗殺者、
もしくは、人を殺すことの罪に気付いた暗殺者は、もう暗殺者としては役に立ちません。
初めて自分を好いてくれた一幡を失う悲しみに、
過去への悔恨、未来の喪失も加わった善児の表情が見事です。
さて、今回も鎌倉の作動スイッチを押したのは女たちでした。
孫の一幡を、ましてや子の頼家を殺すことなど絶対に許さないという政子、
比企の血を引く者はを根絶やしにするはずじゃなかったのと言い切る実衣、
京に縁あるりくは、実朝の御台所は京からしかるべき人を、とさっそくの皮算用です。
北条とは一線を画した頼朝の妻の立場から義時をののしった政子ですが、
実の子の頼家から「北条の者」として認定されることで、
北条を抜きにした「頼朝の妻」という立場が存在しないことを思い知らされます。
政子、時政、義時、時房が密かに立ち話をした際の距離の近さが象徴的です。
そんな中、頼家に「死んでいただきましょう」と言えるりくは気楽な立場だし、
悪い意味で全成から解き放たれた実衣は、実朝の鎌倉殿就任にまんざらでもない顔です。
比奈と義時の別れも良いシーンでしたが、
起請文を引き合いに出して自ら身を引くとした三谷流はいささか過剰でありました。
と思っていたところへ、最後に百姓姿の比企尼が再登場したことには驚かされました。
しかも、後の公暁に悪魔のささやきをするとは。
今回、二度目の生死不明を使ったドラマです。
そういえば、真田丸でも、草笛光子は生き延びるためなら平気で顔に泥を塗る人であったなあ。
というわけで、今回の秀逸は、
妻よりも時政よりもりくというあまりにわざとらしい平賀朝雅の人物評価とへつらいでも、
長くドラマを支えてきた源氏や坂東武者たちがどんどん退場する中、
北条政範の元服によりますます高まる登場人物の北条比率でも、
まだ泰時が義時の後ろで見習っている場面が多いため、
伊豆での裁定以外では目立たなかったものの、
激高する泰時に、思わず身分違いの「太郎」と叫んだことで注目させた鶴丸の、
ドラマ最終盤には重要な泰時のバディになる宣言でもなく、
もともと芸人としても器用な方ではない高岸宏行がキャスティングされた時点で、
「戦いに強い忠義者のバカ」以上は望めないと思っていたが、
無理のない程度に歴史に嘘をつかせた三谷から与えられた、
なんとも「戦いに強い忠義者のバカ」にふさわしく哀しい仁田の最期。
善児があまりにもためらいなく人を殺すので、どこかで転回するとは思っていました。
「新選組！」の斎藤一も、ある時期から黙々と木仏を彫るようになっておりました。
しかし、わずか一場面にもかかわらず、流れてくる情報量があまりに多すぎました。
善児が「できねえ」とする理由を「わしを好いてくれている」とした時点で、
これまで善児が、どれほど人から好かれてこなかった人生だったかを示しています。
暗殺者となってからはともかく、暗殺者になる前も誰かに慈しまれることもなく、
だからこそ、非常な暗殺者になれたのでしょう。
トウにとっても善児は師匠であり、好いてくれてはいなかったのでしょう。
だからこそ、あくまでも生きていくすべとして、
ためらいなく非常な暗殺者になる技を伝えることができたに違いありません。
トウもまた、自分を好いてくれる者の記憶を失ったまま、一人前の暗殺者に育ちました。
しかし、主人に対し一度でも「できねえ」を口にした暗殺者、
もしくは、人を殺すことの罪に気付いた暗殺者は、もう暗殺者としては役に立ちません。
初めて自分を好いてくれた一幡を失う悲しみに、
過去への悔恨、未来の喪失も加わった善児の表情が見事です。
さて、今回も鎌倉の作動スイッチを押したのは女たちでした。
孫の一幡を、ましてや子の頼家を殺すことなど絶対に許さないという政子、
比企の血を引く者はを根絶やしにするはずじゃなかったのと言い切る実衣、
京に縁あるりくは、実朝の御台所は京からしかるべき人を、とさっそくの皮算用です。
北条とは一線を画した頼朝の妻の立場から義時をののしった政子ですが、
実の子の頼家から「北条の者」として認定されることで、
北条を抜きにした「頼朝の妻」という立場が存在しないことを思い知らされます。
政子、時政、義時、時房が密かに立ち話をした際の距離の近さが象徴的です。
そんな中、頼家に「死んでいただきましょう」と言えるりくは気楽な立場だし、
悪い意味で全成から解き放たれた実衣は、実朝の鎌倉殿就任にまんざらでもない顔です。
比奈と義時の別れも良いシーンでしたが、
起請文を引き合いに出して自ら身を引くとした三谷流はいささか過剰でありました。
と思っていたところへ、最後に百姓姿の比企尼が再登場したことには驚かされました。
しかも、後の公暁に悪魔のささやきをするとは。
今回、二度目の生死不明を使ったドラマです。
そういえば、真田丸でも、草笛光子は生き延びるためなら平気で顔に泥を塗る人であったなあ。
というわけで、今回の秀逸は、
妻よりも時政よりもりくというあまりにわざとらしい平賀朝雅の人物評価とへつらいでも、
長くドラマを支えてきた源氏や坂東武者たちがどんどん退場する中、
北条政範の元服によりますます高まる登場人物の北条比率でも、
まだ泰時が義時の後ろで見習っている場面が多いため、
伊豆での裁定以外では目立たなかったものの、
激高する泰時に、思わず身分違いの「太郎」と叫んだことで注目させた鶴丸の、
ドラマ最終盤には重要な泰時のバディになる宣言でもなく、
もともと芸人としても器用な方ではない高岸宏行がキャスティングされた時点で、
「戦いに強い忠義者のバカ」以上は望めないと思っていたが、
無理のない程度に歴史に嘘をつかせた三谷から与えられた、
なんとも「戦いに強い忠義者のバカ」にふさわしく哀しい仁田の最期。
今回は架空キャラが大成功だと思います。
架空だろうとなんだろうと入れ込めます。この時代にこういう人間がいただろうと容易に想像できますしね。
それにしても、架空キャラといえば昨年の二月まで放映されていた、あのドラマのあの人たちのことを思い浮かべます。つい去年のことだったんですよねえ。
たしか３人いましたよね。
�，匹鵑壁袖い鮗�す秘密の丸薬を作り出し、足利義昭とは大の仲良し、明智光秀とは幼馴染、さらに
羽柴秀吉に字を教え、京都の豪商たちと肩を並べてお茶を飲んだりしたあの人は。
��近衛前久のおむつを取り替えたことがあり、松永久秀から口説かれたり、皇室にも出入り自由の踊り子のあの人は。
��さらに、正親町天皇と差しで将棋をし、織田信秀とはギャンブル仲間、今川義元の治療まで行って
それなのに借金だらけでだらしがなく、腕だけは立つ町医者のあの人は。
架空だろうとなんだろうと入れ込めます。この時代にこういう人間がいただろうと容易に想像できますしね。
それにしても、架空キャラといえば昨年の二月まで放映されていた、あのドラマのあの人たちのことを思い浮かべます。つい去年のことだったんですよねえ。
たしか３人いましたよね。
�，匹鵑壁袖い鮗�す秘密の丸薬を作り出し、足利義昭とは大の仲良し、明智光秀とは幼馴染、さらに
羽柴秀吉に字を教え、京都の豪商たちと肩を並べてお茶を飲んだりしたあの人は。
��近衛前久のおむつを取り替えたことがあり、松永久秀から口説かれたり、皇室にも出入り自由の踊り子のあの人は。
��さらに、正親町天皇と差しで将棋をし、織田信秀とはギャンブル仲間、今川義元の治療まで行って
それなのに借金だらけでだらしがなく、腕だけは立つ町医者のあの人は。
32話「災いの種」に寄せて (長文御免)
仁田忠常やその弟たちの最期については、また別の機会に譲るとして、ここではサブタイトルの「災いの種」とは誰だったのから考察してみました。
第一には頼家の次男である善哉(長尾翼)が挙げられます。彼は長じてから日本史の教科書に載るほどの大事件を起こすからです。あどけないこの時点の姿からは想像できませんが。彼は将軍後継から外されたので、幼くして出家させられたのでした。
第二にはこの善哉に復讐を唱えた、変わり果てた比企尼(草笛光子)です。「善哉様でございますね？ あなたこそが次の鎌倉殿になるべきお方。北条を許してはなりませぬ！」。もしも彼女が亡霊でなく、生きていたのだとしたら、90歳以上になっていたことでしょう。もの凄い執念です。
第三は善哉の父である源頼家(金子大地)自身。修善寺送りとなりました。その様子は大河ドラマではあっさりとしていましたが、史実ではすごい人数の従者を連れていたとあります。『吾妻鏡』には描かれていない彼の最期がどうドラマで表現されたかはともかく、おとなしく隠遁生活に耐えられる人物ではありません。
第四は善児(梶原善)です。彼はここにきて初めて人間らしい表情を表し、北条義時(小栗旬)の命令を聞かず、いわば「役に立たない」、そして「義時らの暗部を知る」という危険な存在になってしまいました。今後どのように振る舞うことになるのか、目が離せません。
第五は仁田忠常(高岸宏行)。彼は自害(異説あり。いずれそれについては…)して退場することになりましたが、それは和田義盛(横田栄司)や畠山重忠 (中川大志)らには大きく受け止められたはずです。この二人が後にどんな運命を辿ったのかと考えると、やはり「災いの種」ではありましょう。
最後は平賀朝雅(山中崇)です。最初の登場時には義母のりく(宮沢りえ)に花を送るなど、いささかアブナイ男でした。平賀氏は源氏門葉の筆頭（行事などでは頼朝の弟たちより上座のはず）です。頼朝(大泉洋)の猶子でもあります。この男に時政(坂東彌十郎)とりくはとんでもない野望を抱き、二人はそのためにこれまたとんでもない末路を迎えることになるのでした。また、彼は畠山重忠の最期にも大きく関わっています。
あとはまあ、りくの産んだ北条政範。１６歳にして２６歳上の義時(小栗旬)と並ぶ官位（従五位下）を持っており、江間姓の義時を差し置いて北条家の跡取りとなりうるのですが、この大河ドラマではむしろ畠山重忠の乱との関わりが優先するので、外しても良いでしょう。
ざっとこんなところでしょうか。さらに北条義時自身やトウ(山本千尋)も考えられますが、とりあえず今日はこれまで。
(2022年8月21日放送)
参考文献
『鎌倉殿の13人 後編』 NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉
『現代語訳吾妻鏡』 五味文彦・本郷和人 (編) 吉川弘文館
『愚管抄 全現代語訳』 慈円(著) 大隅 和雄 (訳) 講談社学術文庫
仁田忠常やその弟たちの最期については、また別の機会に譲るとして、ここではサブタイトルの「災いの種」とは誰だったのから考察してみました。
第一には頼家の次男である善哉(長尾翼)が挙げられます。彼は長じてから日本史の教科書に載るほどの大事件を起こすからです。あどけないこの時点の姿からは想像できませんが。彼は将軍後継から外されたので、幼くして出家させられたのでした。
第二にはこの善哉に復讐を唱えた、変わり果てた比企尼(草笛光子)です。「善哉様でございますね？ あなたこそが次の鎌倉殿になるべきお方。北条を許してはなりませぬ！」。もしも彼女が亡霊でなく、生きていたのだとしたら、90歳以上になっていたことでしょう。もの凄い執念です。
第三は善哉の父である源頼家(金子大地)自身。修善寺送りとなりました。その様子は大河ドラマではあっさりとしていましたが、史実ではすごい人数の従者を連れていたとあります。『吾妻鏡』には描かれていない彼の最期がどうドラマで表現されたかはともかく、おとなしく隠遁生活に耐えられる人物ではありません。
第四は善児(梶原善)です。彼はここにきて初めて人間らしい表情を表し、北条義時(小栗旬)の命令を聞かず、いわば「役に立たない」、そして「義時らの暗部を知る」という危険な存在になってしまいました。今後どのように振る舞うことになるのか、目が離せません。
第五は仁田忠常(高岸宏行)。彼は自害(異説あり。いずれそれについては…)して退場することになりましたが、それは和田義盛(横田栄司)や畠山重忠 (中川大志)らには大きく受け止められたはずです。この二人が後にどんな運命を辿ったのかと考えると、やはり「災いの種」ではありましょう。
最後は平賀朝雅(山中崇)です。最初の登場時には義母のりく(宮沢りえ)に花を送るなど、いささかアブナイ男でした。平賀氏は源氏門葉の筆頭（行事などでは頼朝の弟たちより上座のはず）です。頼朝(大泉洋)の猶子でもあります。この男に時政(坂東彌十郎)とりくはとんでもない野望を抱き、二人はそのためにこれまたとんでもない末路を迎えることになるのでした。また、彼は畠山重忠の最期にも大きく関わっています。
あとはまあ、りくの産んだ北条政範。１６歳にして２６歳上の義時(小栗旬)と並ぶ官位（従五位下）を持っており、江間姓の義時を差し置いて北条家の跡取りとなりうるのですが、この大河ドラマではむしろ畠山重忠の乱との関わりが優先するので、外しても良いでしょう。
ざっとこんなところでしょうか。さらに北条義時自身やトウ(山本千尋)も考えられますが、とりあえず今日はこれまで。
(2022年8月21日放送)
参考文献
『鎌倉殿の13人 後編』 NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉
『現代語訳吾妻鏡』 五味文彦・本郷和人 (編) 吉川弘文館
『愚管抄 全現代語訳』 慈円(著) 大隅 和雄 (訳) 講談社学術文庫
32話「災いの種」に寄せて PART 2
誰が「災いの種」であったか以外の残りの謎について。
まず比奈(堀田真由)が北条義時(小栗旬)との最後の別れで「今までありがとうございました」や「さようなら」ではなく、「いってらっしゃい」だったこと。
それはこれから義時が鎌倉幕府を支え、あるいはダークな道を踏みしめるかもしれない可能性について、思い残さずに踏み込んでください、という励ましを込めたものだったからだと推測されます。比奈は本当に裏表や建前のない、自分の本音で生きていた女性でしたね。長澤まさみのナレでは、四年後に京で亡くなるとあっさりした解説でしたが、じつは史実では彼女は都の貴族と再婚していました。
トウ(山本千尋)が源頼家(金子大地)の長男である一幡(相澤壮太)にかけた言葉「水遊びいたしましょう」はドラマの第一回で善児(梶原善)が頼朝(大泉洋)と八重(新垣結衣)との間の子・千鶴丸にかけた「一緒に川遊びしましょう」と呼応したものです。明らかに作者の三谷幸喜はそれを狙っていたはず。善児がブランコの綱を切ったことで一幡の死が示されました。
仁田四郎忠常(お笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行)の死の異説ですが、北条時政邸へ比企能員追討の褒賞を受け取るために出向。しかし、このとき仁田忠常の帰りが遅いことをいぶかしんだ仁田忠常の兄弟・五郎と六郎により、北条時政の息子「北条義時」（ほうじょうよしとき）の館が襲撃されてしまいます。これにより、仁田忠常本人は謀反の疑いを掛けられ、北条時政邸から帰る途中、北条氏の差し金により誅殺されてしまいました。これを知って驚いた忠常は弟たちの敵討ちとして北条邸へ乗り込みましたが、殺されてしまったということなのです。もちろん大河ドラマでは頼家と北条氏との対立に悲観して自殺しています。
忠常といえば、富士の巻刈りのさいに、伝記物語「曽我物語」では、この巻狩りで源頼朝に突進した大猪を、随行していた仁田忠常が刀で突き刺して撃退したとされます。
そのあと、仇討ちを果たした「曽我祐成」（そがすけなり）と「曽我時致」（そがときむね）兄弟により源頼朝の寝所が襲撃されており、控えていた仁田忠常が兄・曽我祐成を討取りました。
もうひとつの仁田忠常の有名なエピソードが、洞窟のなかで怪異に出会ったというエピソードです。源頼家が富士の狩場へ赴いた際、「人穴」（ひとあな）と呼ばれる溶岩洞窟を発見。仁田忠常はこの人穴の探索を命じられることとなり、源頼家から刀を預かり、5人の部下を連れて探索へ乗り出します。人穴の中は方向転換もできないほど狭く、足元には水が流れ、何千・何万匹のコウモリが飛び交うなか、仁田忠常達は松明の光を頼りに先へ先へと進んでいきました。行きついた先には流れの速い荒れた川が流れており、向こう岸に光るものを見たと思った途端、部下達は死亡してしまったと言います。何かが自分に語り掛けるのを聞いた仁田忠常は、言われるがまま源頼家の刀を放り投げ、人穴を脱出。戻る頃には出発してから日をまたぎ、深夜になっていたと言います。人穴は「浅間菩薩」（せんげんぼさつ：富士信仰における神様）が住む場所であったことから、鎌倉時代に成立した歴史書『吾妻鏡』（あずまかがみ／あづまかがみ）には、この出来事はとても恐れ多く、無礼な行いだったという記述が存在。これにより、源頼家や仁田忠常は祟られ、間もなく亡くなってしまったとされているのです。頼家から拝領した刀を水に投じると怪異は収まり。忠常は無事に帰還できたのでした。
(2022年8月21日放送)
参考文献
『鎌倉殿の13人 後編』 NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉
『現代語訳吾妻鏡』 五味文彦・本郷和人 (編) 吉川弘文館
『愚管抄 全現代語訳』 慈円(著) 大隅 和雄 (訳) 講談社学術文庫
誰が「災いの種」であったか以外の残りの謎について。
まず比奈(堀田真由)が北条義時(小栗旬)との最後の別れで「今までありがとうございました」や「さようなら」ではなく、「いってらっしゃい」だったこと。
それはこれから義時が鎌倉幕府を支え、あるいはダークな道を踏みしめるかもしれない可能性について、思い残さずに踏み込んでください、という励ましを込めたものだったからだと推測されます。比奈は本当に裏表や建前のない、自分の本音で生きていた女性でしたね。長澤まさみのナレでは、四年後に京で亡くなるとあっさりした解説でしたが、じつは史実では彼女は都の貴族と再婚していました。
トウ(山本千尋)が源頼家(金子大地)の長男である一幡(相澤壮太)にかけた言葉「水遊びいたしましょう」はドラマの第一回で善児(梶原善)が頼朝(大泉洋)と八重(新垣結衣)との間の子・千鶴丸にかけた「一緒に川遊びしましょう」と呼応したものです。明らかに作者の三谷幸喜はそれを狙っていたはず。善児がブランコの綱を切ったことで一幡の死が示されました。
仁田四郎忠常(お笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行)の死の異説ですが、北条時政邸へ比企能員追討の褒賞を受け取るために出向。しかし、このとき仁田忠常の帰りが遅いことをいぶかしんだ仁田忠常の兄弟・五郎と六郎により、北条時政の息子「北条義時」（ほうじょうよしとき）の館が襲撃されてしまいます。これにより、仁田忠常本人は謀反の疑いを掛けられ、北条時政邸から帰る途中、北条氏の差し金により誅殺されてしまいました。これを知って驚いた忠常は弟たちの敵討ちとして北条邸へ乗り込みましたが、殺されてしまったということなのです。もちろん大河ドラマでは頼家と北条氏との対立に悲観して自殺しています。
忠常といえば、富士の巻刈りのさいに、伝記物語「曽我物語」では、この巻狩りで源頼朝に突進した大猪を、随行していた仁田忠常が刀で突き刺して撃退したとされます。
そのあと、仇討ちを果たした「曽我祐成」（そがすけなり）と「曽我時致」（そがときむね）兄弟により源頼朝の寝所が襲撃されており、控えていた仁田忠常が兄・曽我祐成を討取りました。
もうひとつの仁田忠常の有名なエピソードが、洞窟のなかで怪異に出会ったというエピソードです。源頼家が富士の狩場へ赴いた際、「人穴」（ひとあな）と呼ばれる溶岩洞窟を発見。仁田忠常はこの人穴の探索を命じられることとなり、源頼家から刀を預かり、5人の部下を連れて探索へ乗り出します。人穴の中は方向転換もできないほど狭く、足元には水が流れ、何千・何万匹のコウモリが飛び交うなか、仁田忠常達は松明の光を頼りに先へ先へと進んでいきました。行きついた先には流れの速い荒れた川が流れており、向こう岸に光るものを見たと思った途端、部下達は死亡してしまったと言います。何かが自分に語り掛けるのを聞いた仁田忠常は、言われるがまま源頼家の刀を放り投げ、人穴を脱出。戻る頃には出発してから日をまたぎ、深夜になっていたと言います。人穴は「浅間菩薩」（せんげんぼさつ：富士信仰における神様）が住む場所であったことから、鎌倉時代に成立した歴史書『吾妻鏡』（あずまかがみ／あづまかがみ）には、この出来事はとても恐れ多く、無礼な行いだったという記述が存在。これにより、源頼家や仁田忠常は祟られ、間もなく亡くなってしまったとされているのです。頼家から拝領した刀を水に投じると怪異は収まり。忠常は無事に帰還できたのでした。
(2022年8月21日放送)
参考文献
『鎌倉殿の13人 後編』 NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉
『現代語訳吾妻鏡』 五味文彦・本郷和人 (編) 吉川弘文館
『愚管抄 全現代語訳』 慈円(著) 大隅 和雄 (訳) 講談社学術文庫
- mixiユーザー
- ログインしてコメントしよう！
|
|
|
|
2022年大河ドラマ｢鎌倉殿の13人｣ 更新情報
-
最新のイベント
-
まだ何もありません
-
-
最新のアンケート
-
まだ何もありません
-
