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自分の好きな小説を書くコミュのガンダムSEEDDESTINY+スターゲイザー(命の音 第1章)

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(命の音)

(第1章 シャムスの異変、ブルーコスモスの洗脳教育と、ディアッカに残された、命の時間)

 シャムス・コーザが目を覚ますと、そこは独房ではなく、拘束はされているが、士官室の一室で、監視カメラだけが付けられ、拘束もゴム製の物だが、外れそうにない。

ところがきつくもなくもない‥‥‥

何を思って、こんな事をしたのかさえ分からなかった。
「‥‥‥拘束が緩いけど……俺は‥‥‥それに、ここは‥‥‥」
彼が周りを見渡すと、ふわりと良い香りが、彼の鼻腔をくすぐった。
「あ‥‥‥なんだ? 優しく、あったかくて‥‥‥けど‥‥‥あ‥‥‥このベストのせい‥‥‥か‥‥…ダメだ。こんな時に寝ちゃ‥‥‥」
と言いつつも、目がぼやけ、トローンとしてくる。

何か武器はと普通は思うが、そんな感じがしなくなり、彼は倒れると、枕からも良い香りがして、彼の心と体を包み込み、とうとう眠ってしまった。


それから、どの位経ったのか、ふと目を開けると、そこには誰かいた。しかもザフトだとわかるとマズイと思ったのか、インナー姿だった。
「あ、あれ? ‥‥‥俺は‥‥‥」
「おはよ」
「!? だ、誰だ!?」
「俺はディアッカだよ。シャムス君」
「な、なんで、俺の‥‥‥」
「訳は後々。ほら、これ。大事なもんだろ?」

彼が見せたのは、綺麗にされてフォトブックに入れられている、ミューディーの写真だった。
「こ、これ‥‥‥」
「コクピットに残ってた奴だよ。すまないな。それしか見つけられなくて。後コレ、隠しておきな」
と、出してきた紙袋の中には、ミューディーの遺品として大事に持っていた、軍服だった。
「捨てられたかと‥‥‥あ!」

そこにはディアッカからのメッセージで、
「彼女との思い出の品だろ? 汚れなくて良かった。これはちゃん持っててやれよ。彼女の記憶が死なないように」
と書かれていた。

その度に、シャムスの体が震える。
あの時の事を思い出していたのだ。

とある地域での護衛任務に当たっていたのだが、そこをザフトに襲撃され、ミューディーを失った。
その悲しみは深く、それに気づき、ディアッカは、彼が苦にならない様に抱き、よしよしと背中をなでた。
「あ‥‥‥な、んだ‥‥‥ね、眠い‥‥‥あんなに寝たのに……何故‥‥あ‥‥‥」
「辛かったんだよな。今まで‥‥‥ゴメンな」
「な、なんで、お前が‥‥‥あ‥‥‥」

トクン、トクン、トクン

と、ディアッカの胸の鼓動に、シャムスの鼓動が反応したのか、落ち着いていく。
「あ‥‥‥な、なんだ‥‥‥お、俺‥‥‥あ‥‥‥」
彼の目がトローンとなり、今にも眠ってしまいそうだった。
「ね、眠い‥‥‥けど‥‥‥不思議だ‥‥‥なんだ? 気持ち、良い‥‥‥」
と、彼からふっと意識が飛び、それを見たディアッカは、彼を苦にならないようにして寝かすと、自分もそのベッドに入る。
少々狭いが、今の傷ついてしまったシャムスを治すには、これしか思いつかなかった。

かつて、自分が捕虜となり、1度解放されて、オーブ解放戦の時に受けた、暖かさの伝え方を体が覚えていた。

そして、部屋を満たしたアロマの香りは、2人を眠りの世界へ誘う。

だが、この時、ディアッカは、あらかじめ、彼の服と枕に、ミューディー・ホルクロフトの1番いい写真を仕込んでおいた。

夢の中だけでも、彼女ととても幸福な夢を見られるようにという、願いを込めて‥‥‥

が、ミューディーとの夢を見る事は、同時に彼の苦しみの歴史を思い出させる事になってしまうのだった。

ずっと、子供の頃から受けていた戦闘訓練……

更に、洗脳など、様々な事をされてきた。

するとその時、もう過去の事だと思っていた、一番思い出したくない記憶で、幼い頃に受けた心の傷となってしまったあの忌まわしい記憶が、今になって、突然蘇ってきたのだ。

まるで、コーディネイターを殺せと言わんばかりに、
「僕達、私達の、お父さん、お母さんを殺したのは、コーディネイターです。コーディネイターは、空の悪魔です。蒼き清浄なる世界の為に、コーディネイターを滅ぼしましょう。蒼き清浄なる世界の為に、コーディネイターを皆殺しにしよう」
と、その当時の記憶が、彼の脳裏によみがえって来る。

思い出せと言いたげに、本当に突然だった。

だが彼は、知ってしまった。

コーディネイターに隠された優しさや、色々な事を。
「!! あ‥‥‥アウ‥‥‥ち、違う‥‥‥こ、いつは、ち、がう‥‥‥」
と、シャムスはその洗脳教育から、逃げようとしたが、蘇った事で動揺し、頭を押さえて、首を振っても、それは取れず、頭と胸が締め付けられる様な、痛みを感じ、必死に逃げようとしていた。
「や、ヤメロ!! ウ! ウア‥‥‥や、ヤメロオオオオオオオオオオオ!!! うあ!‥‥‥アア、や、やめ、ろ‥‥‥こ、こいつ、は‥‥‥ウウ。あ、頭が、ウグ‥‥‥ハア、ハア、ハア‥‥‥ア、アアアアアアアアアア!!!!」


突然の出来事で、ディアッカはとびおき、何とか彼を落ち着けようとするが、彼の頭と心がどうにかなってしまいそうで、ディアッカは、
「シャムス! どうした!? しっかりしろ! 大丈夫! 大丈夫だから‥‥‥落ち着け‥‥‥落ち着くんだ!!」
「うあああああああああああああ!!!!!!」

ディアッカは必死になってシャムスを押えようとしたが、明らかに様子がおかしい。

それをブリッジで監視していたイザークは、念の為にと改良された鎮静剤の入ったボトルと、催涙弾を持ち、彼の元へ向かうと必死に抑えて、何とかしようとしていた。

騒ぎを聞きつけて、部下も銃を持つがすぐに下がらせ、
「ディアッカ! これを!」
イザークが投げてよこした鎮静剤のボトルを、ディアッカがキャッチした。
そして、体を押さえた時に分かった。

ドク! ドク! ドク! ドク!

と、彼の心は完全にパニックになり、頭の中の洗脳教育から、必死に逃れようとしていた。

だが、子供の頃から植え付けられたその頭はもう限界寸前で、このままでは、彼の脳と心臓が壊れてしまう。

そう思った時、ディアッカに、イザークが投げてよこした。鎮痛剤の入ったボトルを少し飲み、それをシャムスに口づけした。
「ウ、グ‥‥‥」

ゴクリ

と、ノドが動くと、一瞬ビクリとして、彼から全ての力が抜け落ち、気を失った。

止まった所を見て、イザークが入って来た。
「フウ〜……サンキュイザーク。もう、大丈夫だ。落ち着いて、ゆっくりで良い。お前は眠れ。側にいてやるから」
「全く! だからキケンだと言っただろ?」
「分かってる。けど、独房じゃ、今よりもっとひどくなってたよ。このままじゃ、こいつが壊れちまうし、下手をしたら‥‥‥」
ディアッカはそう言いながら、脅かさないように彼の体を楽にしてあげた。

しばらくしてから、心配になって医務室に連れて行き、検査の結果、洗脳教育の影響による物だが、鎮静剤で落ち着いていると言われた。
「洗脳教育のようですね」
「洗脳教育?」
イザークが分からずに聞くが、ディアッカは先の大戦で大体ピンと来た。

つまり、これは憶測でしかないが、頭に直接映像や音声流し込んで、コーディネイター全てが悪で有り、憎むべき者で有るという事を、脳に直接叩き込まれたのだ。
「洗脳‥‥‥教育‥‥‥」
「ディアッカ?」
イザークは、彼の怒りが分からなかったが、さっきのシャムスの行動から、どんな物か大体わかった。

だが、それはもっと小さい時にやられた洗脳。

それによって、脳が完全におかしくなりそうなっていたのだ。

シャムスの事を哀れに思いつつ、ブルーコスモスに対して、怒りを覚えた。
「ブルコスの奴等! 何て事を!!」
と、ナチュラルの、しかも幼い子供に、こんな残酷な事を平気でやる事が、許せなかった。

そして、シャムスは薬と疲れで眠り、さっきの事で、ディアッカは少し胸が痛んで、鎮痛剤を飲んだ。

再び、シャムスの元により、自分に触れさせ、コーディネイター全てに憎しみが行かない様に耳打ちし、シャムスの目から涙がこぼれ落ちる。

だが、ディアッカは、過去の自分を思い出していた。

そして、ミリアリアに殺されそうになった事、そして、自分に優しくしてくれた、彼女のお守りとして持っていた、あの時のキーホルダーを付けた人形を持ち、彼を、ディアッカは何とかしてあげたかった。

シャムスの傷ついてしまった心と体を助けてあげたいと‥‥‥

が、この時ディアッカは胸に手を置いた。

実は彼の胸、心臓はもう悲鳴を上げていたのだ。

そして、自分への罰や罪の意識から、治療を受けず、鎮痛剤で痛みをずっと抑えて来た。

ふと、自分の部屋に飾ってあった写真には、AA(アークエンジェル)にいた時の思い出の写真がたくさん貼ってあった。

あの時の皆には本当に感謝し、自分の心を変えてくれた、特別な思い。そして、AAが動いたというニュース。

エンジェルダウン作戦の時に、急に倒れたディアッカを、病院まで運んだイザークは、そこで衝撃の事実を告げられるが、彼はあえて薬を鎮痛剤にしていた。

本来なら、その心臓病は、若い指揮官やパイロットに多い病気で、下手をすると死に至る物だった。
だがディアッカは、AAの写真を取り、祈っていた。

彼等が無事である事と、彼女が乗っていませんようにと。

だが、彼の心臓は、あまり持たない。

はたして彼の運命は‥‥‥

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