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MAYDAY メーデー!ナショジオコミュのMISSED APPROACH 大韓航空801便 着陸失敗事故

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1997年8月6日、韓国Kimpo空港から米国Guam空港へ向かっていた大韓航空801便(B747型機、H-7466)は、Park機長、Song副操縦士、Nam航空機関士らの操縦で237名の乗客を搭乗させて、目的地へ向かっていた。Park機長は同社のB747査察機長であり、以前にあった機体トラブルへ見事に対応して表彰されたこともある42歳の気鋭のCaptainだった。当日はUAEへフライト予定であったが、急遽同便へ乗務することとなった。Guamへはかつて9回飛んだことがあった。
Guam島へ近づくにつれ、ひどい乱気流に遭遇し、GuamアプローチのCart Mayer管制官は同便へ12,500ftまでの降下を許可した。Park機長は当初同便へ乗務予定でなかったこともあり、さかんに眠いと口にして、会社の人遣いの粗さに不満を示していた。悪天候でGuam島が視認でいないため、同機は10-20NM進行方向右側(西側)へ針路をずらして、やっとGuam島を視認した。RWY06Lへのアプローチを承認されたが、Glide Slopeが定期検査で使用できないことをATCから告げられていた。このことはNam機関士も途中で確認していた。高度を1,440ftにセットし、管制塔118.1MHzへの周波数変更を指示されて、管制塔から6Lへの着陸承認を得た。Park機長は"Look carefully"と外を見るよう指示していたが、G/Sが作動しているかのような動き方をした。GPWSが500ftをコールしたが滑走路は見えず、200ftでSong副操縦士が着陸復行をコール。しかしPark機長は数秒後にMissed Approach操作を行った。Flapを上げたため高度は100...50...40...30...20ftと低下して、Nimitzの丘に着陸するように墜落した。
乗客のBerry SmallはNew ZealandのHelicopter操縦士で、あたかも着陸するかのようだったが、機内のありとあらゆる物が飛び交って、通常の着陸千回分位の衝撃であったと回想している。自身は前席の金属バーで右脚を骨折し、機外へ脱出する際に燃料が爆発し、火傷した手首に腕時計が張り付いて、慌てて外したという。11歳の松田リカは母親と共に生存したが、母親は残骸に挟まれて身動き出来なかった。母親は"You must go!...Get out of here!"と娘に強く逃げるよう命じた。Guam消防局のChuck Sanchez所長は、同機が空港へ着陸していないとの一報を受け、直ちにNimitzの丘へ急行した。途中pipelineがあって車でのアクセスは困難となり、 墜落現場の斜面まで歩いて下ることとなった。Carl Gutierres知事も合流し、制止を振り切って自ら140ヤード下の現場まで自力で救助に加わった。墜落から1時間後に救助が本格化して、Gurierres知事は松田リカを保護した。当初は元気に声を出していた生存者も、火炎で悲鳴を上げるようになり、その後声を出さなくなっていた。
翌朝までに、事故機は空港の手前3NMの地点にあるVOR/DMEの脇に機体が墜落炎上し、乗員乗客254名中26名が生存していたことが確認された。操縦室の3名は全員が死亡した。Park機長のポーチからベンゾジアゼピン系睡眠導入剤が見つかったため、遺体の血中濃度を測定したが、薬物の検出はなかった。G/Sがinopearableであったので、Step-downアプローチが取られた筈だが、CVRで乗務員が疲労していたことが確認された。また"is G/S working?...Yes, it's working!"と困惑していた様子が伺えた。NTSBのNelson Sponheimerは航空援助機材の専門家で、空港周辺ではG/Sに反応する電波が送信されていることがあるとして、Guam島内をくまなく調査したが、発信源は見当たらなかった。
KALのGuam空港Approachチャートは6か月以上前のもので、失効していたものだった。それ自体に問題はなかったが、同社の訓練ではDMEが空港に設置されている前提で行われており、Guam空港のように5NM手前の丘に設置されている事例に慣れていなかった可能性が指摘された。
Guam管制にあるHSAWと呼ばれる異常降下警報装置は、探索範囲が80km先に設定されていて、Guam島上空では作動しないようになっていた。NTSBのGreg Feith調査官は、無責任な対処であったと糾弾している。

コメント(2)

Mayday!シリーズの番組スタート部分で、KE801便の疲れ切ったCrewの様子がいつも流れる。この事故はそれほど衝撃を与えるような航空機事故であった。国際線乗務員は、充分な休養を取らぬまま急用で乗務すると、このような悲劇を引き起こす。日本の航空会社も徐々に勤務体制が厳しくなり、他山の石とは言えないような状況になっていないか?機長が疲れていると口にしているのだから、副操縦士が着陸を担当するのが得策だった。それを副操縦士自ら提案できなかったのは、当時のCRMに人間関係上の限界があったからなのだろう。
乗客で生存したBerry Smallは番組内で座席テーブル下の金属製横棒の危険と、空港免税店で購入した高アルコール度の飲料をBinに収納して、酸素発生器の横に置くのは危険であると指摘している。花蓮空港での立榮航空の爆発事故では、機内に持ち込んだガソリンが爆発したとされるが、機内で火災が起こると、エタノールが気化して爆発する危険性は否定できないだろう。幸い、その後ネット通販が発達して、重たいシーバスリーガルを購入して機内へ持ち込む乗客は減ったような気がするが。
Barry Small役のJohn Jarvisと松田リカ役のEmi Yamaguchi-chowは必死に燃え盛る機内から脱出した様子を文字通り熱演している。Nimitzの丘には命を落とした乗客と共に、彼らの名前を慰霊搭に刻まれているとのこと。きっと二人は機会あるごとに慰霊登山をしていることだろう。私もT.ベクターへ出かけたついでに弔問したい。

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