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芝田進午の人類生存思想と現実コミュのガザ空爆現場 建物倒壊、青空に響く爆音 終わり見えぬ戦闘

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毎日新聞 2021/5/12 11:30

 倒壊した建物は原形をとどめず、がれきは路上にどこまでも散乱していた。晴れ渡る青空には爆音が響く。11日午前、イスラエル軍による空爆が続くパレスチナ自治区ガザ地区のガザ市を歩くと、そこには終わりの見えない戦闘の現実があった。

「イスラエル軍から警告なく」 
「イスラエル軍から何の警告もなかった。モスク(イスラム教礼拝所)から戻ったら、私が住むマンションが燃えていた」。ヨーセフ・キシャウィさん(30)はおびえた様子で話した。


 近所の住民によると、11日午前5時前、イスラエルの戦闘機が建物の上層階の部屋だけを狙って爆弾を3発落としたという。ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの工作員の住居を狙ったとみられる。だが実際に住んでいたのは障害を抱えた少年(15)とその母親(57)で、2人とも死亡したという。「ここにはハマスはいない。なぜ何も関係のない2人が突然殺されるのか」。目に涙を浮かべるキシャウィさん。建物は崩壊の危険があり、中に入ることができないという。

イスラエル軍の空爆で倒壊した政府庁舎=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で2021年5月11日午後0時16分、三木幸治撮影拡大
イスラエル軍の空爆で倒壊した政府庁舎=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で2021年5月11日午後0時16分、三木幸治撮影
 ガザ地区の運輸当局に勤めるアブ・レゼクさん(23)は11日朝、職場に出勤して驚いた。鉄骨の建物は吹き飛ばされ、がれきと化していたのだ。これまで蓄積した仕事の資料やデータが入ったパソコンも見当たらない。がれきの山の中では、貧しい子供たち数人が売れそうな金属などを拾い集めていた。「全て一からやり直しです」。レゼクさんは大きなため息をついた。


「命あるだけでも感謝」
 何度も繰り返されてきたイスラエルとハマスの戦闘。両者を恨む気持ちにならないのだろうか。そう尋ねると、レゼクさんは「(パレスチナ人とユダヤ人が衝突した)聖地エルサレムを我々は守らなくてはいけないのです」と自分に言い聞かせるように語った。そしてこう続けた。「今、命があるだけでも神に感謝しなければ」

 10日から続くイスラエル軍の空爆の標的は主にハマスの軍事拠点だが、一般市民の犠牲は増えている。ガザ保健当局によると、ガザ地区ではこれまでに子供10人を含む計30人が死亡した。このうちハマスのメンバーの内訳は不明だ。


ハマスと連携する過激派組織「イスラミック・ジハード」の拠点とされる建物。攻撃で内部は崩落していた=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で2021年5月11日午後2時23分、三木幸治撮影拡大
ハマスと連携する過激派組織「イスラミック・ジハード」の拠点とされる建物。攻撃で内部は崩落していた=パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市で2021年5月11日午後2時23分、三木幸治撮影
空爆は140カ所以上
 イスラエル軍が空爆した場所は140カ所以上。11日午後7時半ごろにはガザ住民に避難を呼び掛けた後、ガザ市中心部にある13階建ての「ハナディ・タワー」を空爆した。また、ハマスの軍事拠点やハマスと連携する過激派組織「イスラミック・ジハード」の幹部の住宅なども爆破した。

 これに対しハマスは11日夜までに、日本大使館など各国の外交施設や企業が集中するイスラエルの商都テルアビブ周辺に130発以上のロケット弾を発射。家屋などが損壊して50代の女性1人が死亡し、10人以上が負傷した。ハマスはイスラエル南部アシュケロンも攻撃した。イスラエル側の死者は計3人と報じられている。

 イスラエルのネタニヤフ首相は11日夜、「ハマスはこれから多くの犠牲者を出すことになる。軍事攻撃は長期化するだろう」と明言。一方、ハマスの最高指導者ハニヤ氏は、パレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突が続いていた聖地エルサレムを守る闘いに「我々は勝った」と強調。だが今後の戦闘の見通しについては明言を避けた。【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)三木幸治】

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